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第74回 Various Cars

 
 
 
長く続いた雨が煩わしかった7月でしたが、8月に入ると同時に梅雨も明け、ホッする間もなく
いきなりの猛暑続きで辟易されている方も多いのではないかと思います。

暑中お見舞い申し上げます。

ここ毎回言っている様な気がしますが、7月もお蔭様というべきかパタパタと動き回る事も多く
月刊メンテナンスレポートとなって行きそうな気配ですが、
せめて週刊に戻そうと思いつつ溜まった写真整理に追われる今日この頃です。(汗)
今回は何台かまとめてのUPになります。決して手を抜いてるわけでは御座いません。

先日は買取にて広島にお邪魔しました。
 
 
朝一番の広島空港行きに搭乗し、いざ広島へ。



飛行機の場合、広島までの所要時間は、約一時間。時速約900Km/h。

速いですね。

帰路は買取車輌にて自走を予定しておりましたので所要時間を考えると・・・・・
日本は狭いと言えど、約10時間のドライブです。
 
 
 
そんなことを考えている間に広島空港にあっという間に到着し、空港バスを利用し広島駅へ。
広島駅から電車に乗りオーナーの自宅へ。

職業柄、電車に乗る機会がこういった時にしかないので新鮮な気分になり良いものです。

無事、オーナーの自宅に到着し、車輌を確認させて頂きました。
今回の買取車輌は元々当社にて販売させていただいた車輌の上、納車時からわずか数千Km程しか走行していない状態で
機関も外観も納車時とほぼ変わらず良好な状態でした。

オーナー自身多忙で、乗る機会が取れないとの事で手放す事を決められたようです。

書類関係の確認等も終了し、オーナーにお礼を告げ、いよいよ約10時間のドライブ開始です。

暑いからと、車輌確認中に出していただいた麦茶はとてもおいしかったです。ご馳走様でした。
 
 




山陽自動車道をひた走り







名神高速をひた走り









東名高速をひた走り



 
無事に849.4Kmを走りきり神奈川に到着。
休憩も挟みながらですが所要時間は約9時間。

飛行機ってすばらしく速いなぁ・・・と再認識。

ですが疲れも思ったより無く、車輌状態も非常に良好だったので楽しいロングドライブでした。
 
 
 
そんなロングドライブを楽しませてくれた車輌は、こちらの車
97年式 B6 2.8Touring
走行50,600Km。
アルピナ特有の快音とトルクフルなエンジンフィーリング、しなやかで高速コーナーでも粘りのある足廻りを
次オーナーの前にたっぷりと堪能させてもらいました。

ちょっと長いテストランでしたが、非常に程度の良い車輌ですよ。
人も荷物も乗せられ、更に走りも満喫出来るおすすめの一台です。

近日中にストックリスト詳細にUP致しますのでお楽しみに。
 
 
 
 
そんな在庫車輌となったB6とメンテナンスで入庫したB6。
二台揃うことも珍しいので記念撮影。

メンテナンスで入庫したB6は名古屋から。アメリカ出張の間メールで打ち合わせをしながら入庫予定を決めご来店。
わざわざ遠方からのご来店非常にありがたく感じます。

そんなB6のメンテナンス内容は予定では足廻りの見直しとリアから地鳴りのような異音がするので
ハブベアリングが駄目かも知れないとの事。お預かりしての入庫となりました。
確かに乗って見ると、リアからの酷い異音。各部の動作状況も経年と距離による消耗が感じられる重いフィーリング。

トータルチェックが必要そうです。

車輌は約80,000Kmで購入は約1年程前だとの事。

またアルミリペアを以前施工してもらった時にエア漏れトラブルがあったとの事でしたのでそちらのチェックも承りました。
 
 
 
まずはアルミからチェック。
確かにリペア跡があります。

ありがたくないおまけで修理時の軍手跡まで残っています。
 
 
 
 
外したタイヤを見て、びっくり。
内側からバーストのような状態になっているタイヤをパンク修理剤と接着剤で強引に漏れを止めている直し方。

このような修理の仕方でお客様に納車している施工側の意図が全く理解できず困りました。

タイヤ画像をメールで送信し、状況を説明。
リアは絶対に交換が必要だと言う事をお伝えした所、4本共に交換をご希望されました。
 
 
 
 
地鳴りのような異音は左リアから。
リフトで車体を上げた状態でタイヤを上下左右に揺らすとグラグラとタイヤが動きます。
 
 
 
 
スライディングハンマーでドライブフランジを抜くと、上のような状態。
熱でベアリングを固定しているプラスチックリングが溶けてしまい
取り外した瞬間にベアリングがぼろぼろと・・・・
 
 
 
 

 
 

 
 

 
 
各部の交換を済ませ、この箇所の作業は終了。
 
 

 
 
当初は足廻り中心のメンテナンスを予定しておりましたが、オーナーと相談し
各部のオイル交換等の作業も施工。

壊れる前の予防整備とフィーリングアップを兼ねた整備になります。
 
 

 
 
ご覧の通りの汚れ具合。古いATFはスラッジと泡立ちが酷く、あまり好ましくない状態でした。
 
 

 
 
オイルパンも綺麗にし、新しいATエレメントをセットし、ATFを注入です。
オイルはFUCHS ATF4000。
まだ他の作業が残っているので油面調整は最後に施工します。
 
 

 
 
デファレンシャルオイルも交換。
スラッジを良く除去した後、FUCHS HLS90を注入。
 
 

 
 
パワステの感触も、カチッとしておらずもったりとして重い状態。
タイヤの問題もあったと思いますが、オイル自体の汚れもかなり有りましたから
ギアボックス、パワステポンプ内をしっかりとフラッシングした上で新油を注入。
 
 

 
 
ブレーキオイルも交換。
こちらは他オイルほど交換したからといって体感が出来る箇所ではないですが
車を動かす上で非常に重要な箇所。
自分の命だけではなく他人の命にも関わる箇所です。定期的に点検、交換をおすすめします。
エンジンルーム内も汚れが目立ちますから納車前にスチームで洗浄する予定。
 
 

 
 
LLC濃度も薄く、満足な冷却効果が期待できない為、本格的に暑くなる前に
ラジエター内、エンジンブロック内をフラッシング。
同時に防錆処理も施した上で、冷却水を注入。
 
 

 
 

 
 
カムカバーガスケットからのオイル漏れもあったのでガスケット交換。
プラグホールがオイルまみれになる前に施工しましょう。
 
 

 
 
足廻りブッシュ類は特に大きなキレやヒビは目立ちませんでしたが
乗った感触がゴツゴツと路面の衝撃が直接ボディに響いているような感触の為、フロント、リア共に一新。
路面の凹凸もスムーズにトレースする様な猫足に戻します。
 
 

 
 

 
 
破損や欠損は見当たりませんがやはり消耗は進んでいます。
スタビブッシュはネジレの為新品と比較すると大きく変形しているのが分かりますね。
スウィングサポートもボールジョイント部の動きが悪く、スタビとショックの動きの連携が取り辛い状態。
 
 

 
 
リア廻りも同様。
 
 

 
 
リアパッドも残りが少なく。二度手間にならないよう交換。
 
 

 
 
ショックアブソーバーは規定の減衰圧を保持していましたから今回は未交換。
 
 

 
 
組み込み前に綺麗にしておきましょう。
この作業が直接足廻りのレスポンスアップに繋がる訳では御座いませんが滅多に分解する所ではありませんし
長年の汚れを取ってここからまた頑張って働いてもらいましょう。
 
 

 
 
最後に4輪アライメントの測定と調整。
最初に基準値に合わせ、テストランと調整を繰り返し、直進安定性だけでなくコーナーリング時の回頭性の良さ
路面状態が変化した場合でも各部の動きがリンクし、気持ち良く走れるようにセッティングし作業は終了。

足廻りの作業等の場合は納車時にオーナー自身に乗って頂き、
問題が無いかどうかお伺いしているのですが、とても喜んでくれたので一安心。

名古屋までの帰路を楽しみに、お帰りになられました。
 
 
 
 

こちらは当社でも登場するのは珍しい8シリーズ。
840Ci、V12ではなくV8をエンジンルームに納めたモデルです。

走行は約100,000Km。

嘘のような本当の話ですが、この車輌は入庫当時、不動の状態でした。
何故不動かは後に説明しますが、オーナーはその状態を直そうと今年の初めにあるショップに預け、
約半年間。結局直らず、『代車で10,000Km走っちゃったよ。』と笑っておられました。。。

半年の修理期間。
レストアでもしていたのでしょうか。。
それも直ってないですし。。

不動の直接の原因はオーナーがメインキーを無くしてしまい、そのショップに不動の状態で預け
メインキーを作成しエンジンをかけようとした所もウンともスンとも言わなくなってしまったそう。
そこから半年の間、本当に修理が行われていたかどうかは不明です。

原因は純正セキュリティ関連のトラブルでした。
当社でもメインキーを作成した後、コーディング作業を進めたのですが
全く反応が無い状態だったので各CPUを細かく調べた所、何箇所かにトラブルが見つかり交換とコーディングを
繰り返すことにより無事、エンジンは掛かる様になりました。どの時点で故障になってしまったのかまでは分かりません。。。

ちなみに修理所要時間は1週間でした。。。。

 
 
 
エンジンが掛かる様になり、ホッと一息も束の間。

あっという間に水溜りのようになってしまうオイル漏れが見つかりました。

左バンクから漏れているようで点検すると、すぐに怪しげな液体ガスケット跡を発見。。。

アッパーチェーンカバーからのオイル漏れのようです。
不幸中の幸いですがロア側からのオイル漏れは無かったのでアッパー側のみガスケット交換です。
 
 
 
 
 
確かにチェーンカバーを取り外す為には、その周辺の補機類を外さなくてはいけなく、手間のかかる修理なのかも知れませんが
液体ガスケットで誤魔化すような修理の仕方はやめてもらいたいものです。
 
 
 
 
こんな状態でした。
 
 
 
 
サンドブラストし、新しいガスケットと液体ガスケットを併用し組み込みます。
これが正しい液体ガスケットの使い方では?
 
 
 
 
同時にカムカバーガスケットと、カムカバーを止める際に使用するナット部のブッシュも交換。
 
 
 
これで止め処なく漏れてきたオイルはしっかりと止まりました。
 
 
 
もう一箇所テストラン中に発覚した不具合箇所。
段差や凹凸のある路面を走るとガコンガコンと衝撃がボディに響き渡る上に、ブレーキを踏むと
ステアリングが右に左にガクガクと振られてしまう状態。
非常に危険なので、チェックするとスラストロッドブッシュが写真のような状態でしたからもちろん交換。

異音と振動は無くなり安全に走れるようにはなりました。
 
 
 
 
エアコンマイクロフィルターとエアフィルターといった消耗パーツも交換し作業は終了。
その他に何点か問題がありそうな箇所はオーナーにお伝えし、納車となりました。
 
 

 
 
BMW Magからの取材依頼は毎号あるのですが
今回はE46 M3のメンテナンス特集のようです。
各部のチェックやメンテナンス、トラブル対処法等アドバイザーショップとして掲載される予定なのでお楽しみに。
発売は今月下旬の予定のようです。
 
 
 
 
その取材で使用させていただいたM3は当初オイル交換のみのご来店でしたが
オイル交換前のDMEチェックでトラブル発見の為、急遽入庫。
走行は約38,000Km。
 

 
 
写真のようにエンジンチェックマークが点灯。
当社に入庫前の約1ヶ月前から付いたり消えたりを繰り返し、
ディーラーにも持ち込んだが異常は無いとの診断を受けられたようです。

ですが、明らかに吹け上がりと、アイドリングの挙動がおかしいんです。。。

原因は6番のダイレクトイグニッションコイル不良。
交換した所、アイドリングのふらつきも無く安定しておりこの箇所に関しては作業終了。

このエンジンチェックマークが点灯したからその原因が必ずイグニッションコイルという訳ではないので誤解の無い様。

テストラン中にノッキングが出ている事に気付き、車輌をトータルチェックした所、オイル漏れや
各オイル、フューエル〜インジェクター、燃焼室内にかなりの汚れを確認できたので
オーナーと相談し、車輌状態を良い状態にリセットする為に作業を依頼されました。

全ての作業内容をMagでご紹介は出来ないと思いますが、先にこちらに載せてしまうのも
何ですから、メンテナンス内容はMagでどうぞお楽しみ下さい!
 
 
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