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第52回 E34 525i ヒーターラジエター水漏れ修理

 

 
 
最近、関東も本格的に冬らしく寒くなり、車を運転する際もヒーターは必需な状況になりつつあります。
そこで、今回はヒーター廻りのメンテナンスレポートになります。

お客様から連絡がありCOOLANT LOWの表示がオンボードコンピューターに出るようになったので
検査してほしいと依頼があり、検査した結果、室内からの水漏れが確認出来たので
ヒーターラジエター等の交換修理を実施致しました。この車輌は過去にラジエター本体の交換とエンジンルーム側の
ウォーターホースを何本か交換している記録があったので
エンジンルーム内も未交換箇所を交換し万全を期したメンテナンスを依頼されました。
 
 
 
 
 
ヒーターラジエターはセンターコンソールの一番奥に設置されており
ダッシュボードまで外さなくては脱着が不可能なのでまずは周辺の補器類を外していきます。
 
 
 
 
 
気付けば、ダッシュボードも外され、徐々にヒーターラジエターが確認出来るくらいまでバラバラになっていました。
 
 
 
 
やっとのことでヒーターラジエターのユニットが取り外せました。古い年式の車輌の場合
知識と技術が伴っていないと、施工者が二次被害を招く危険性もあります。
新しい、古いでメンテナンスのさじ加減を変えているわけではないのですが古い車輌の場合は非常に神経を使います。
 
 
 
 
 
 
漏れ具合としてはポタポタといった所でしょうか。フロアカーペットに垂れる前に蒸発してしまうようですが
塵も積もれば・・・ですし、なにより一気に漏れ出してきた時の二次的被害は相当なものです。
通常これくらいの漏れでは外からでは確認できませんので、検査するにしてもそれなりの検査装置が必要になってきます。
 
 
 
 
ユニットが付いていた周辺も漏れ跡が無いかどうか確認し、もしカーペットが湿っているようであれば
カーペットも取り外し完全に乾燥させ、組み付けます。漏れが止まってしまえば
その内、乾燥するのでは?と考えがちですがカーペット自体の厚みはかなりありますし、
乾燥するまでの間に、何か他の不具合が出てしまう可能性も有ります。
こういった手間のかかってしまう所は故障箇所だけではなく
その周辺にも異常がないか、必ず目を通し異常があれば必ずお客様にお伝えし
二度手間にならないよう修理をおすすめし、実施していただくようにしています。
 
 
 
 
 
一度、エアコンのエバポレーターを交換した形跡があります。
何故その時、同時にヒーターラジエターの交換をお客様に提案の一つとしておすすめしなかったのか。
首を傾げてしまいます。交換すべき理由をお伝えすればお客様には伝わります。
また風が出る位置(胸元。デフロスタ)の切り替え時に各ダクトに通じる通路として
非常に重要になるスポンジガスケットも交換されていない状態だったので、しっかりと直させていただきました。
このガスケットが不良の状態だと風が任意の場所から出ません。
 
 
 
 
 
新しいヒーターラジエターを組み込み、エバポレーター周辺もチェックし
スポンジガスケットも純正品ではなく、市販品の丈夫な物を使用し組み付けが完了しました。
取り外しと逆の手順で組みつけていきます。簡単そうに言ってますが古い車なので
ダッシュボードも優しく取り扱わないとヒビや割れの原因になってしまう場合もあるようなので
工場長も非常に神経を使い組み上げていったようです。
 
 
 
 
 
エンジン側はヒーターバルブとその周辺、ヒーターホース等等
未交換部を全て新品に入れ替えました。これでしばらくは水廻りに関しては心配はいらないでしょう。
 
 
 
 
 
冷却水を入れ、水廻り機関が正常に働いているか確認し、エアコンガスも真空引きの後、ガスチャージします。
ヒーターバルブも正常に働いていますし、風量も風の切り替えも正常です。
テストランをし、組み上げたダッシュボード等の異音が無いかチェックし
問題が無い事を確認し、お客様に納車致しました。
 
 
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