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第61回 E61Touring ATF交換

 

 
 

E60型5シリーズも発売より4年近く経ちますので最近では良くメンテナンスで
ご来店いただくお客様も多くなりましたので今回は
525ツーリング、走行20,000kmの車輌のATFの交換のメンテナンスレポートです。

現行の殆どのミッションが6ATに変わって来た為、必然的に内部機構の可動方式も変わってきましたので、
専用オイルが必要だったりと今までよりも更にシビアになった模様。

メルセデスでは7速AT、7G−TRONIC。レクサスでは世界初8速ATと、
今後BMWでも多段化が進んで行きそうな気配ですね。

多段化が進むにつれ、今以上に細かなシフトアップシフトダウンが繰り返され、複雑な機構が追加されていくでしょうから
今後ATFの交換というものは、非常に難しいものになっていくのかも知れませんが
私達も十分に最新の技術と内部機構を理解し、より良い技術の提供が出来ればと日々テストに明け暮れております。

今回の6速ATのATF全量交換でさえ日本ではまだあまり施工されていないかも知れません。

 
 
 
 
 
現行モデルではスタンダードモデルであっても下廻りはアンダーカバーに覆われております。(ほぼ全ての車種。)
オイル漏れ等の不具合が起きてても気付きにくいですね。お乗りの方、気を付けましょう。
全てのアンダーカバーを外し作業を開始します。
ATオイルパンはABS樹脂製です。
 
 
 
 
いつも通り、ドレンボルトを緩めATFを排出します。もちろん一晩かけオイルを排出します。
 
 
 
 
 
外したオイルパンとATF。
酷い汚れでは無いですが、それなりに汚れは目立ちますね。

この画像であれっ?と思った方はスルドイです。答えはスグシタデス。
 
 
 
 
今回のATエレメントはオイルパンと一体になっております。
オイルパン底部入り口から吸い上げられ、真っ直ぐに伸びた筒からバルブボディに循環します。
その間にエレメントが設置されております。
 
 
 
 
 
新旧のオイルパン。パーツコストは今までのATエレメントよりはかかりますが
せっかくですから交換をおすすめ致します。
 
 
 
 
 
ちゃんとスラッジ用の磁石も付いています。
取り外しは不可。
 
 
 
 
全ての取付後、通常通りATFを注入。
もちろん油温をテスターで確認しながら。
テスターのバージョンアップも定期的に行っているので最新モデルでも問題無し。
すぐにDME診断が出来るので困った時はお気軽にお問い合わせ下さい。

今回のATFはこの6速ATに対応した専用ATF。といっても純正オイルではありません。
オイルの性質や成分等等、今まで使用してきたATFよりも更に性能は上です。
近い内にその性質と詳しい内容はHP上で紹介したいと思います。
 
 
 
 
油面調整をし、高速にて100km近くテストランさせていただきましたが
全てが電子制御されておりククッとステアリングを切っても瞬時に乗り手にリニアな走りをさせてくれる良いモデルです。

全てがやや大ぶりになってしまい、その電子制御の正確さによる『乗らされている感』とiDRIVE等の利便性etc,,,、
個人的には寂しく感じる部分も多いですが、それも時代の流れでしょう。

ですがどんなに技術が向上してもエンジンやミッションその他の多くを動かす為の基本的な
モノは古いモノと何一つ変わっていないのが現状です。いくら性能が向上したとは言え
その部分を乗り手がしっかりと認識をしていく事が大事な事だと思います。

古いものと新しいものがうまく共存し、互いの良い部分がうまく重なり合い、乗り手が楽しめていければと良いと思います。
 
 
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