【法定24ヶ月定期点検整備】E30 M3【納車前整備】
先月売約となったM3の納車整備。
整備前に点検をし、整備箇所を決めていきます。
このM3はショウルームに並ぶ前に、エンジンレストア等の作業を進めていたのでスムーズに整備が進みました。
ストックE30M3外装リペア完了
ストックE30M3エンジンオーバーホール完了
ストック車輌紹介87yE30M3ダイヤモンドブラック62,000Kmエアフィルターの交換。
エンジンオーバーホール時に新品に交換しましたが
ショウルームに展示して週に2回エンジンをかけるだけで、これだけ汚れます。エアフロ調整が出来るモデルは必ず調整し、納車しています。
寒暖の差によって微妙に調整幅が変わりますので
エアフロ調整は定期的に行う事により、吹け上がりの良さが持続しますので
年に最低でも一回は点検調整してあげてもよい箇所でしょう。 エンジンオイル交換。
この程度の汚れであれば、交換せずに納車という所もあるでしょうが
オーナーチェンジの際には必ずリセット。
こうする事により、次回オイル交換時に新オーナーがどのような走りをしているか。
どのようなサイクルでメンテナンスが必要になるかが、判断できるようになります。もちろんオイルエレメントも交換。 チョイスしたオイルはFUCHS TITAN 5W50。
M3アルピナにお乗りの方には非常に評判の良いオイル。
エンジン内部の清浄効果と汚れの内包力には定評があります。 ミッションオイル交換。
87yディーラー車なのでレーシングパターンのゲトラグミッション。 ミッション、デフ共に出来るだけ古いオイルを排出する時間は長く取り、
スラッジの除去も行う事によって新油の正常な効果が得られます。 デフオイルはFUCHS HLS90(75W90)を使用。 ブレーキフルードの交換。 タンク内の汚れをそのままにしておくと、細かいスラッジが
ABSやマスターバックに堆積する事によって起こる不具合が出る可能性もありますので タンク等は一回外し、洗浄してからフルードの交換を進めます。 フルードはケチらずに圧送でどんどん送っていき、汚れと共に古いフルードを排出します。
ブレーキライン内に古いフルードが残っていると、すぐに新しいオイルと混ざり合い
劣化スピードも速くなりますので、とにかく古いフルードを残さない事が大切です。 クラッチフルードも交換。
使用フルードはOMV Racing DOT4になります。
カッチリとしたブレーキタッチも体感できるフルードなのでおすすめしています。パワステオイルの交換。
こちらは交換前のオイルの状態。タンク内にスラッジの堆積が見られますので。 外して洗浄。 専用のオイル交換機材をセットし、ポンプとギアボックス内の古いオイルとスラッジを洗浄していきます。
ブレーキと同様に、ここで古いオイルが残っていると交換の意味がありませんから
徹底的にスラッジの排除と古いオイルの排出をして、新油を注入。 エア抜きを忘れずにテストランで走行後、必ず量をチェックし適正かどうかを確認します。
パワステオイル交換したばかりだというのに、LOWレベルぎりぎりだったりする車をよく見ますので注意が必要です。ちなみにチェックは必ず冷間時に。 冷却水の交換。
古いLLCを排出する前にフラッシング剤を入れて、エンジン、ラジエター内部の汚れを取り
圧送で一気に外部へ排出させ、新しいLLCを入れます。
お住まいの地域によってLLC濃度も変えますのでご安心下さい。
新しいLLCを入れた後に、エア抜きをし防錆処理を施工し作業は終了。 足廻りのチェック。 この時点で何か問題があると、最終作業の4輪アライメントの調整が意味を成さなくなりますので
各アームにガタが無いか。各ブッシュに問題が無いかを点検します。 測定と調整、テストランを何度か繰り返して作業は終了。
4輪アライメントの測定と調整はどんなに熟練したメカニックでも一回で終わらせるのは困難です。
機材が示してくれる数値は、あくまでも新車を基準とした数値です。
中古車はどんなに状態が良くても、新車ではありません。
同じモデル、同じ距離であっても一台一台コンディションは違います。
そのコンディションを適切に見極めて調整し、初めて気持ちよく走れる状態に仕上がるわけです。
2012年12月12日