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2014年09月01日

【E46 M3】デファレンシャルオイル漏れ修理/各部オイル交換【35,000Km】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

先日、在庫車のM3の取材があったので逆取材。

見開きでGooWORLDの11月号に掲載予定です。

埼玉からE46 M3のメンテナンス入庫。

各部のオイル交換と冷却水の交換。

デフのセンターシールからのオイル漏れを修理していきます。

まずはエンジンオイルの交換から。

フラッシングからスタートです。

フラッシング剤を入れ、エンジン内部の汚れを集約し

オイルと共に落としやすくするというのが目的の作業になります。

このフラッシングの是非を問われる事が稀にありますが、

フラッシング剤の成分と使用方法を間違わない限り使用した方が確実に汚れは排出されます。 

車の状況に合わせて、フラッシング時間やフラッシング剤の使用量、種類等を考え使わないと、

薬も過ぎれば毒となる。という言葉の通り、悪影響を与える事もありますので注意が必要でしょう。

オイルエレメントの交換。

こちらもオイル交換毎の交換をおすすめしております。

使用オイルはFUCHS TITAN 5W-50

今、当社にオイル交換に来られるM3やALPINAにお乗りの方に好評なオイルは

FUCHS TITAN 5W-50

YACCO ギャラクシーGT 10W-60

YACCO ギャラクシー 15W-50

の3種類になりますが、どのオイルが自分に合っているかは、乗り方によって変わってきますので

是非、走り比べをしてみて下さい。

ミッションオイルの交換。

ドレンボルトを外すと、一気にオイルが排出されるので見逃されることも多いですが

ミッションから出るスラッジ量も相当なものです。

オイル排出後にミッション内部に残ったスラッジを除去してから

新しくオイルを入れていく事でギアの寿命も随分と長くなりますので

そういった点にも十分に気を使いオイル交換を進めていきます。

E46 M3のミッションはATFとギアオイルどちらを使用しても基本的に問題ありませんが

寒い時期などギアが入りにくかったりする場合はATFの使用をすすめていますが

サーキットやワインディングを楽しむといったような、ミッションにハードワークを求める場合は

ギアオイルをチョイスする必要があります。

ご自分の使用用途やシフトフィールの好みをお伝えいただければ

ベストなオイルのご提案をしておりますのでお気軽にご相談下さい。

今回のM3のオーナーはギアオイルをチョイス。

FUCHS 5SPEED 75W-90を使用しました。

カチリとした小気味良いシフトフィーリングが味わえるオイルですね。

ブレーキフルードの交換。

購入して二年間交換していないフルードです。

エンジンオイルやその他の部分のオイルも時間と共に酸化していき劣化していきますが

時間によって劣化しているのが目で見てはっきりと分かりやすいのがブレーキフルードになるでしょう。

ブレーキフルードは吸湿や経年劣化により、無色透明から写真のような色に変化していきます。

吸湿や経年劣化が進むと沸点低下によるペーパーロック現象の発生の確率が格段に上がり非常に危険です。

私自身も過去にメンテナンスで入庫した車のテストラン中にペーパーロックした事がありますが

今思い出してもゾクゾクと背筋の凍るような感覚が甦ってきます。

OMV Racing Dot4を圧送でブレーキラインに送り込んでいきます。

古いフルード内に異常な汚れや錆が無いかも確認しながら交換を進めていきます。

ブレーキフルードには防錆剤や酸化防止剤が添加されておりますが

劣化が進みすぎると全く効果は期待できなくなりますので

ただ新しいフルードを入れるだけでなく、そのフルードが満たされているブレーキラインや

マスターシリンダー内の状況を把握していく事も大事なことです。

クラッチフルードも同時に交換していきます。

吸湿が進むとレリーズシリンダー内が錆びてきてしまい漏れを誘発しますので

ブレーキフルードほどシビアにならなくても良い箇所ではありますが

BMWの場合、リザーブがブレーキフルードと一体になっている事がほとんどなので

同時に交換をしております。

パワステオイルの交換。

専用の圧送機材でポンプやギアボックス内の古いオイルとスラッジを車外に排出していきます。

ギアボックスやポンプ内をしっかりとフラッシングし交換することで

パワステ機構全体のリフレッシュが行われます。

単純にタンク内のオイルのみを抜き出しただけでは、全体の1/4程度しか交換していない事になりますので

交換方法にも目を向けていきたいところでしょう。

冷却水の交換。

こちらもパワステ部分と同様にフラッシングを行い、冷却経路内の錆や汚れを剥脱させ

圧送で冷却経路内の古い冷却水と共に車外に排出させます。

使用したLLCはFUCHS FRICOFIN G12PLUS。

夏場の冷却水温度を安定させるだけでなく、コールドスタートからの水温上昇も早く

機関だけでなく冷却機構にも負担の少ないLLCになります。

デフオイル漏れの修理。

今年に入ってからE46 M3のデフオイル漏れトラブルが多く見られます。

最終年式から考えても八年経過しているわけですから

E46 M3自体のメンテナンス時期の頃合いなのでしょうね。

センターシールから漏れているのでデファレンシャル前部からアクスルキャリアにかけて

漏れたオイルが滴っている状態です。

センターシールはマフラー、プロペラシャフトを取り外す必要がありますので

まず外すべきパーツを取り外していきます。

まずはマフラーを取り外し・・・

純正マフラーはとにかく重いの一言・・・

かなりの広範囲にオイル漏れによる汚れが広がっていますので

最後にスチームで洗浄が必要です。

プロペラシャフト脱着。

ユニバーサルジョイントをチェック。

同時に交換した方が良い場合はオーナーにお伝えし、交換をすすめます。

今回は@15,000~20,000Kmほどは問題なさそうでしたので

オーナーにお伝えし、そのまま使用します。

センターベアリングもチェックします。

少々引っ張られていますが、まだまだこちらも交換せずに使用できる状態なので

交換せずにそのまま使用します。

ミッションマウントも同様。

圧入されたシールリングを取り外していきます。

フランジを外すとこのようにシールリングが圧入されているのが確認できます。

金属リングとゴムを組み合わせたオイルシールを使用しており

中に入った環状コイルバネに押される形で軸表面に密着し、オイルが漏れないようになっています。

取り外し、新しいオイルシールを圧入していきます。

オイルシール新旧。

ロックプレートも新品に交換。

フランジのはめ合い部分に錆や汚れが付着したまま取り付けてしまうと

すぐにオイル漏れが再発しますので、しっかりと取り除いていきます。

小さな埃の付着も無いようにします。

オイルシールリングを圧入しフランジを取り付けていきます。

 

グリス止めのシールガスケットも交換します。

 

プロペラシャフトを取り付け・・・

センター出しをしっかりと行いセンターベアリングを固定していきます。

デフオイルの排出。

夏季は冬季よりも排出しやすいですが

テストランで油温を上昇させ粘度を下げた状態で輩出していきます。

デファレンシャル内のスラッジを除去したのちに、新しいオイルを入れていきます。

OMV Racing 90W-140をチョイス。

M3の純正LSDと相性の良いオイルです。

アンダーパネル類も汚れていたので洗浄。

すっきりです。

フロントアンダーカバーも。

すっきりと。

リア廻りを中心にスチームで洗浄していきます。

漏れたオイルを洗浄し、漏れが無いかどうかの最終チェックに向けての作業になります。

テストランを実施。

当社で整備をした車輛は必ずテストランをし、納車時にロードテスト記録をお渡ししております。

オイルサービスリセットはエンジンオイル交換時は必ず実施しましょう。

 

M3であれば表示が22,000Km〜20,000Kmになったら交換時期になります。

オイル交換毎にリセットしておけば、『いつ交換したっけ・・・?』

なんて事も少なくなると思いますので、BMWがせっかく便利な機能を持たせてくれたのですから

しっかりと活用していきましょう。

投稿者:autofine at 15:31 | メンテナンス

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