【E30 325i】フューエルポンプ交換【15,000Kmワンオーナー】
こんにちは。オートファイン@横浜です。
昨日も初夏の陽気でしたね。
富士山を久々に見ましたが、雪冠も徐々に無くなっており
夏の富士を思い出させる山肌が見えてきました。
3年振りに今年は富士登山チャレンジを・・・
E30 325iのフューエルポンプ交換修理。
修理といってもフューエルポンプが完全に駄目になってしまったわけではなく
キーをONにした際にジージーと蝉が鳴くような異音が気になるとの事で入庫。
E36モデルまでは、フューエルポンプの消耗がある程度まで進み異音が出ているとわかりやすいので、
フューエルポンプ周辺からざらついた音が出ている車は
交換サインが点灯していると思って良いかも知れませんね。
今回入庫の325iは、何と走行15,000Kmの低走行、しかもワンオーナー。
当社に入庫は初めての車輛で、オーナーに当社来店の理由を聞いたところ
E30モデルであれば、どんな些細な不満点でも全てを解消してくれそうだから。
フューエルポンプの異音も他人から見れば些細な問題かもしれないけれども
音が出ている事自体が我慢ならないので・・・との事
そう言っていただいて、ありがたい事だと思いながらも
その期待を裏切らないように毎日を切磋琢磨しなくては。
と気が引き締まった瞬間でもありました。
早速作業開始です。フューエルフィルターに詰まりが無い事を確認した上で
燃圧テストを行うと、やはり吐出圧が既定数値を下回っている状態だったので
フューエルポンプの交換を実施。
ポンプからの吐出量が減少するという事は、インジェクターからの噴出量も減少しますので
当然フィーリングが悪くなっていきますが、ポンプが徐々に性能劣化している場合は
プレッシャーレギュレーターが燃圧を一定に保ってくれる為、
そのフィーリングの違いに気付く事の出来る人はなかなかいないのが現実です。
ガソリンの吐出量が規定値より相当下がった状態でも、
そのまま乗られてしまっている車が多いのが現状ですが
そういった車は注意深く後席下に耳を傾けると、
ざらついた異音が発生している事が多いので、
フューエルポンプ周辺から異音が聞こえ始めたら
交換時期と判断していくのが良いのではないでしょうか。
旧フューエルポンプ。
前期型は外部ポンプがメイン、タンク内にサブポンプが設置されており
今回タンク内のポンプは機能に全く問題が無かった為、そのまま使用します。
BMWでは、インタンク式フューエルポンプが採用されている事がほとんどで
内部のモーターブラシの摩耗粉が燃料に混ざって吐出される構造なので
フューエルライン上にあるフィルターも非常に重要な役割を果たします。
フィルターが目詰まりしていれば、ポンプにかかる負荷も当然大きくなり寿命も短くなります
点検時に何箇所かフューエルホースの劣化を確認したので交換実施。
電源コネクター部分の劣化も注意したいところのひとつ。
樹脂製コネクターなので劣化が進み、硬化してしまうと割れてその箇所から
ガソリンが染み出してくる事もあります。
また、この時代はまだスチール製のガソリンタンクが使用されているので
こういった作業の際に内部を確認し、錆の発生状況を確認します。
スチール製ガソリンタンクの場合、出来るだけ満タンにしておいた方が
結露による水分がタンク内に溜まらなくなりますので
錆の発生も抑えられます。
錆はタンクだけでなく、サブポンプやレベルセンサーの動作不具合にもつながりますので
気を付けたいところです。
燃圧も正常値に戻り、異音も無くなりました。
交換自体はそこまで時間のかかる作業ではありませんが
交換するにあたってのフューエルライン内の状態や燃圧、プレッシャーレギュレーターの
動作状態、フューエルフィルターの汚れ、インジェクターの動作等の車輛状態を正確に把握し
作業を進める必要があります。
交換後は異音も止まり、アクセルを踏み込むと交換前より確実にフィーリングアップしているのが良く分かります。
納車時にオーナー自身がキーを捻ってエンジンをかけた瞬間の満足そうな笑顔は
『さすが・・・分かってるなぁ・・・』と感心させられた一瞬でもありました。
投稿者:autofine at 10:22 | メンテナンス