【E36 BMW ALPINA B3 3.0/1 Coupe】車検整備【24ヶ月点検】
こんにちは。オートファイン@横浜です。
ここ数日、どんよりとした曇り空が広がっていますね。
少しは降ってもらった方が良いのかも知れませんが、何処に行くにも傘が手放せないのは
不便ですね…
二年前に当社で販売したB3 3.0/1の車検整備になります。
現在の走行距離は45,000Km、販売時は38,000Km。
走行距離は、二年で7,000Km程ですが今回の整備内容はどのようになるでしょうか。
まずはフルチェックをし、整備箇所をピックアップしていきます。
チェックが終了し、オーナーと整備内容を打ち合わせした所、今回の車検は
オイル類全交換
冷却水交換
オーバークール気味になるので修理
ファンベルト及びテンショナーの交換
A/Cリキッドタンクからのエアコンガス漏れ修理
スパークプラグの交換
以上の内容を実施する事に決まりました。
まずはエンジンオイルの交換。
フラッシング剤を注入し、アイドリング状態でスラッジを落としやすくします。
時間が許す限りドレンボルトは締めずに、オイルの排出を続けます。
オイルエレメントはもちろんドレンワッシャ、オイルエレメントケースガスケットも交換します。
使用オイルはFUCHS TITAN 5W-50。
M3,ALPINAをお乗りの方には人気の高いロングセラーオイルですね。
ブレーキフルードの交換。
ブレーキフルードは時間の経過と比例して吸湿が加速度的に進みますので
最低でも二年に一度。
早い方だと一年に一度交換される方がいます。
いくら速く走れる車であっても、車を止める機能に不安があればその走りの醍醐味を楽しむ事は出来ません。
神経質かな…と思うくらいが丁度良いかも知れませんね。
交換前。
交換後。
吸湿が進むと茶色い紅茶のような色に変化していきます。
ボンネットを開け、タンク外側から確認しても十分分かる所なので
ブレーキフルードの交換をした記憶がないな・・・という方は一度見てみるのも良いかもしれません。
デフオイルの交換。
二年前の納車整備時に交換していますが、かなりのスラッジが出ているのが分かります。
車の情報誌や情報サイトでは二年に一度の交換を。と謳われている事が多い箇所ではありますが
オーナー自身の走り方や、シチュエーションによって交換頻度はかなり変わる箇所です。
自分の走り方によってどれくらいの期間や走行距離で交換すべきかは
定期的なチェックで判断するべきかと思います。
パワステオイルの交換。
こちらも二年前に納車前整備で交換していますが、見ての通りオイルは真っ黒。
デフオイルに通じる所でもありますが、据え切りが多かったりするとパワステ機構には
大きな負担がかかり、スラッジ排出量も多くなります。
こちらも定期的なチェックで自分に最適な交換時期を把握しておく事が良いでしょう。
交換は専用機材で圧送にて行います。
こうする事によってパワステオイルライン全体の古いオイルとスラッジを排出する事ができ
パワステ機構内に残る事はありません。
交換後のパワステタンクとオイル。
タンク周辺が汚れていますが、整備終了後にスチーム洗浄を行いますので
オイル漏れと間違える事はありません。
ATFの交換。
交換は圧送方式ではなく全量交換方式になります。
この状態で一晩古いオイルを排出します。
二年前の納車整備時に交換していますので
オイル使用箇所としては一番汚れは少なく、交換の必要は無いのでは?と思いがちですが
ATFの場合、スラッジが出すぎてしまうとバルブボディ内にスラッジが詰まりやすくなり
ATFの交換自体が出来なくなってしまうケースがありますので
長く乗る事をお考えの方は、オイルの色がスラッジで真っ黒に変色する前に
交換する事をおすすめします。
もちろんATエレメントは交換します。
交換前のオイルが綺麗に見えても、これだけのスラッジがエレメントにこびり付いています。
新しいATFの注入は油温を見ながら適性量を調節していきます。
国産車とは違い、ATレベルゲージが無いので、ATF交換が敬遠される原因の一つでもありますが
確かな知識と技術、機材が揃っていればどんな車でも問題無く作業出来ますので
ATF交換でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。
スパークプラグの交換。
今回はイリジウムプラグをチョイス。
純正のプラグと比較すると寿命は短くなりますが点火効率は上がります。
オーバークールの原因はサーモスタット。
オーバーヒートの原因を突き止めるよりは、検査に時間のかからない箇所ですね。
サーモスタット交換後に冷却水の交換。
専用機材を使用し、冷却経路の全ての古い冷却水を車外に排出した後、新しい冷却水を入れ
防錆処理を施します。
冷却水の最適な交換時期は今です。
本格的な夏を迎える前に冷却経路のチェックを同時に行う事により
大きなトラブルを未然に防ぐ事ができますね。
ファンベルトの交換。
このようにヒビ割れが確認出来た時点で即交換です。
ベルトだけでは無く、ベルトを駆動させる為のローラーやテンショナーにガタや消耗が見られる場合は
必ず同時に交換しましょう。
ベルトだけ新しくてもそのベルトを保持させる箇所に消耗があれば、交換の意味が全く無くなります。
エアコンガス漏れは、リキッドタンクから。
E36モデルでは珍しい箇所からの漏れではないでしょうか。
経年や距離によって出やすいものなのかどうかは、これからの症例をみて判断していきたいと思います。
エアコンガスだけではなく、エアコンオイルも漏れているのが分かります。
リキッドタンクはASSYで交換。
交換後に新しいエアコンオイルとガスを入れ、漏れが無い事を確認して作業は終了。
新しい車検証と点検記録簿をオーナーに手渡し納車は完了。
私のタイミングが合わずに1年半振りくらいにオーナーとお会い出来ましたが
お元気そうで何よりでした。大変な事も多いでしょうが頑張って下さい。
ワンちゃん拝見できる日を楽しみに待ってます。
投稿者:autofine at 19:10 | メンテナンス