【BMW E36 ALPINA】ハブベアリングからの異音修理/冷却水漏れ修理,パワステオイル漏れ修理【引き取り】
こんにちは。オートファイン@横浜です。
湿気が多くなり、暑くなってくると活躍するのが上の写真の通りキャリアカーです。
どうしても夏場は水廻りのトラブル等の自走不可能な故障で緊急出動が多くなりますね。
時には全車貸し出し中の場合もありますが、代車は常時10台以上貸し出し可能な体制を整えているので
代車が必要な方はお気軽に申し付け下さい。
緊急時だけではなく、車検が迫っているのに忙しく動きが取れない等の場合でも
引き取りにお伺い致します。お気軽にご相談下さい。
今回は2台のE36 ALPINAのメンテナンスを紹介します。
まずはB3 3.0/1 Limousine LimitedEditionです。
オーナーからの訴えは60Km/h程度の速度で走行中にリアから轟々と異音がするとの事で検査入庫。
テストランで確認すると確かに60km/hに差し掛かると異音が出始め、速度を落とすと収まるという症状。
このような症状の場合は、ハブベアリングの不具合が出ているケースが多いので
早速、分解点検を開始。
タイヤを外す前に、タイヤを揺するとカタカタと動ガタがでているのが分かったので
ハブベアリングで間違い無さそうです。このままの状態で乗り続けてしまうと
タイヤの偏磨耗や、ブレーキローターやパッドの異常磨耗、最悪ベアリングが焼き付いて
ロックしてしまうとハブベアリングのみの交換だけでは済まなくなってしまうので、オーナーに症状と修理内容を
お伝えし、左右のハブベアリング交換とデファレンシャルオイルの交換を実施致しました。
リアのトレーリングアーム毎アウトプットフランジを取り外します。
アライメントは狂ってしまうので最後にアライメント調整は忘れずに。
外観だけではどれだけ消耗しているか分からない箇所ですが、
新品と比べるとゴリゴリとベアリングがスムーズに動かないのが分かります。
内部のベアリングのグリースが熱や摩擦によって徐々に効かなくなり
そのせいでベアリングが削れていく事によって起こる現象です。
サーキット等でのスポーツ走行でも当然寿命は短くなりますが、
一般的には経年と走行距離の増加によって不具合が出る事が多いですね。
交換はブッシュと同様にプレス機を使用し、何tという力を一点集中し圧入します。
この圧入作業は何度やっても慣れるという事がありません。
ベアリングを正確に真っ直ぐ圧入する事がもちろん一番大事な事ですが
ちょっとでもプレス機の力のかかる点からずれるとアーム毎弾け、場合によっては大怪我しますので
慎重に作業を進めます。
圧入作業中にしっかりとデフオイルは排出しておきます。
もちろんテストランで、しっかりと油温を上昇させ、内部のスラッジとオイルを輩出させやすいようにしておきます。
圧入作業終了し、組み付け。
まずはタイヤを付けガタが無いかどうかを確認し、テストラン。
無事に異音は無くなり、リアの挙動も安定しました。
こちらはB3 3.2 Limousine。
E36型アルピナの最終モデルですね。
今回のメインの整備は冷却水漏れとパワステオイル漏れになります。
冷却水漏れはこの通りエンジン前部から。
かなりの量の漏れが確認出来ます。
漏れ箇所を特定する為に、専用検査機器を使用し検査を進めます。
冷却経路に一定の圧力をかけると
まずはサーモスタットケースからの漏れを発見。
サーモスタットケースからだけの漏れにしては冷却水の減り方があまりにも早いので
更に検査を続けると、ウォーターポンプからの漏れも発見。
このように漏れが発生する場所に関しては、決して1箇所だけからと考えず複数個所からの
漏れが発生している可能性を疑い検査を進める事が、修理の早さや正確さにつながります。
今回は幸いにも、エンジン本体からの漏れは無かった為、オーナーに原因を伝え修理を開始致しました。
サーモスタットケースとサーモスタットを交換。
サーモスタットケースとサーモスタットはどちらも同時に交換した方が良いでしょう。
サーモスタットケースの素材はプラスチックになるので、エンジンの熱により
時間と共に硬化が進み割れや歪みによって、今回のように水漏れが発生しやすくなります。
定期交換パーツと考えて良いでしょう。
ウォーターポンプはガスケットOリングの消耗やポンプ内部のガタによって漏れが発生します。
こちらも定期交換パーツと考えて良いでしょう。
E36以降はタイミングチェーンを使用している為、交換の必要はありませんが
E30スタンダードモデルなどはタイミングベルトを使用している為、
ウォーターポンプとタイミングベルト必ず同時に交換します。
交換後に圧力検査を実施し、漏れが無い事を確認し新しい冷却水に入れ替えます。
エンジン内部やヒーターラジエターに残っている古い冷却水は圧送で車外に排出し
新しい冷却水を注入し、防錆処理を施します。
冷却経路にエアが噛んでしまうと、オーバーヒートの原因になるのでしっかりエアが抜けているかも確認が必要です。
パワステオイル漏れの修理。
欧州車全体で見ても定番と言っても過言では無い症状になりますが、漏れを発見した場合は
ちょっとぐらいなら…などと都合良く自己判断は決してせずに、すぐに適切な処置をした方が
コストも安く抑える事ができ、大きなトラブルに発展する事は無いですね。
放置するとポンプやギアボックスに二次不具合が広がる事もあります。
今回のケースはポンプとギアボックスをつなぐプレッシャーホースからの漏れです。
その他のホースやパイプに漏れは見られないので、この部分だけの交換になります。
漏れ箇所はゴムホースを連結するカシメ部分からになります。
ゴムホース部分が破裂して漏れるという事は稀で、大体のケースがこのようにカシメからの
漏れになりますね。
ポンプ、ギアボックスに連結される部分はこのようにアルミのワッシャが使用されています。
適正トルクでボルトを締め込む事によって、 ワッシャが潰れてガスケットの役割を果たしますので
一度でも外した場合は、そのまま使用するとオイル漏れの原因になりますので、必ず新品に交換します。
交換後に専用機材を使用し、古いオイルを全て排出し新油を注入し作業は終了です。
最後にエアフィルターを交換。
大きい所だけでは無く、こういった細かい箇所も忘れずに。
投稿者:autofine at 19:31 | メンテナンス