【E30 M3】車検整備【24ヶ月点検】
こんにちは。オートファイン@横浜です。
2日ほど前からとても暖かくなってきましたね。
本日の気温は18℃。ちょっと動くと汗ばむほどです。
87年式M3の車検整備。
この車輌は二年前に当社にて販売した車輌になります。
現在走行距離は99,300Kmで二年間で約10,000kmお乗りになられたようです。
もちろん二年前の納車時には各部納車整備をしています。
二年という時間と10,000kmという距離でどれほど消耗が進んだのか見てみましょう。
まずは各部を点検し、整備必要箇所をピックアップしていきます。
目視や分解点検だけでは分からないコンディションの確認はテストランを含めて
状態を判断していきます。
点検の結果、エンジンオイル漏れ、各部オイルの消耗、
直進安定性コーナーリング時の挙動が不安定な点が見られましたので
オーナーと打ち合わせし車検整備のスタートになります。
まずはエンジンオイル漏れの修理。
漏れはヘッドカバーからのオイル漏れになるので、そこまで重度のオイル漏れではありません。
ヘッドカバー内部の綺麗さが今までのオーナ達のメンテナンスに対しての意識の高さが伺えますね。
ヘッドカバー、プラグホールカバー共に交換します。
ガスケット自体は耐油性能に優れていますが、経年によりガスケット自体が潰れてしまい
厚みがなくなったことでオイル漏れが発生する事が多いですね。
不具合がすぐに表面化する事は稀ですが、放置する事によって起こる異常も多くありますので
オイル漏れが少しでも見つかった時点で修理をするようにしたほうが良いでしょう。
ガスケット設置面は必ずスクレーパーで古いガスケットや汚れ等を除去します。
新たに使用する液体ガスケットは、無闇にベタベタと塗布するのではなく
このように適量を必要のある箇所のみに使用します。
エンジンオイルの交換。
フラッシング剤入れてアイドリングにてエンジン内部のスラッジを凝縮させ
排出しやすくさせます。
約10分のアイドリングを終了させてオイルの排出。
排出にも時間をかけて、できるだけ古いオイルが残らないようにする事により
新しく注入するオイルの性能も長く維持できる事になります。
交換したのに一週間も経たずに真っ黒になってしまう場合は、大体が排出時間が短すぎるか
エンジン内部に汚れが異常に溜まっているかのどちらかになります。
スラッジが多い場合はR2000等の専用機材を使用したりと状態に合わせた整備が大事になってくるでしょう。
もちろんオイルエレメントも交換。
E30系はエンジンブロック脇にエレメントケースが付いており
古いエレメントを外した時に、必ずエレメント内のオイルがエンジンルーム内に飛散してしまうので必ず清掃が必要になります。
ブレーキフルードの交換。
圧送にてスラッジと古いオイルを排出します。
フルードの汚れは色で判断できますのでエンジンフードを開けた時に見る癖を付けるといいでしょう。
吸湿や劣化が進むとこのように茶色く変色しますので、そのような場合は必ず交換しましょう。
ミッションオイルの交換。
ドレンボルトに付着した鉄粉=スラッジになります。
このスラッジをオイル排出時にいかにして除去するかが大事になってきます。
ギアオイルを使用していますので、冷間時は粘度も高い為、必ず暖めた状態で排出します。
一番汚れの目立ったパワステオイルの交換。
走行するステージによって汚れ方の差が出やすい箇所ではあります。
低速での市街地走行が多い場合はこのようにパワステオイルの劣化が突出する事がありますので
普段どのように使用しているかも、把握していなくてはなりません。
症例に当てはまらない場合は、パーツ自体の寿命が近い場合もありますので再度点検をし
良否判定をするようにしています。
エア噛みにより、オイルレベルが下がる事が多いのでテストラン後に必ずレベルチェックをし
問題が無いかどうかを確認します。
冷却水の交換。
走る地域や走る事の多い季節に合わせて冷却水濃度も変えていきます。
必ず防錆処理をしてから新しい冷却水を注入します。
今回は、タイヤやブッシュに問題は無かった為、4輪アライメントの測定と調整でかなりの変化が見込まれましたが
直進安定性やコーナーリング時の挙動は、上記の消耗を点検し問題がある場合はその問題を必ず解決しないと良くなる事はありません。
なかなか自己判断で良否判定が出来る箇所ではないので、しっかりとした知識と技術が両立したショップで見てもらうのが良いでしょう。
車検前には必ず排気ガス中のCO値とHC値を測定します。
基準値以上の数値が出てしまう場合はもちろん車検を取得出来ません。
数値が基準値以上になってしまう要因としては、単にキャタライザーの寿命等、排気装置に問題がある場合が多いですが
エンジン自体の調子が悪く不完全燃焼等によって数値が上がる事もありますので
基準値以上の数値を示した場合は、的確な点検が必要になります。
作業終了後は必ずテストランをし、油面の調整や下廻り、エンジンルーム内の洗浄をします。
車検も問題無く取得。
最後に点検記録簿とステッカー類を用意し、オーナーにお渡しして作業は終了になります。
投稿者:autofine at 18:36 | メンテナンス