メンテナンスレポート > 【E30 M3】フューエルライン交換 アリドリング不調修理 エンジンオイル漏れ修理【定期メンテナンス】

ページタイトル
過去のメンテナンスレポートはこちら
2012年12月01日

【E30 M3】フューエルライン交換 アリドリング不調修理 エンジンオイル漏れ修理【定期メンテナンス】

こんにちは。オートファイン@横浜です。

本日から12月突入ですね。

先日、何年振りかも忘れるくらい久々に不景気知らずな夢の国へ行って来ました。

平日の夜だと言うのに人人人の波。

商売に携わる誰もが、あやかりたくなる人の多さでしたね。

幼い頃に乗ったアトラクションもリニューアルされていたりして、付き合いと言いながらも結構楽しんで過ごしました。

定期メンテナンスで入庫のM3。

お忙しいオーナーなので引き取りに伺い、点検からスタートしましたが

フューエルホースの劣化、吹け上がりの微妙な違和感、エンジンオイル漏れ等

見られましたので、オーナーと相談し修理作業スタートとなりました。 

フューエルラインは過去に一度交換していますが交換履歴を確認すると

10年程前に実施されていました。走行距離は10年で40,000Km程で

普段はガレージで保管されている車で、管理体制は万全ですが

やはりゴムを使用したパーツの寿命は長くみても10年と考えた方が良いでしょう。 

フューエルフィルター奥側、見えにくい箇所のホースがこの通りヒビ割れでボロボロに。

走行中にもし何かあった場合も当然ですが

保管時に漏れた場合であっても保管場所によっては大変な事になる場合もあります。

耐油耐圧性能に優れたゴムと製法で作られたパーツですが、あくまでもゴム製品なので

このような劣化が見られたら必ず交換しましょう。 

エンジンルーム内のインジェクターパイプに入るホースも同様にヒビ割れが進んでいますね。

このようにガソリンタンク側、エンジンルーム側で同じように劣化が進んでいる場合は

部分交換などせずにその他箇所を含めて全交換した方が二度手間になりませんし

次回交換時にはこのM3のように一箇所が駄目になっていたら

こちらも駄目だろうと容易に予測がつきやすくなりトラブルシューティングも分かりやすく進められますね。

こちらがインジェクターパイプに入る部分の劣化。これはもう限界ですね。

エンジン側はキーをONにした瞬間に、常時フューエルポンプからの圧力がかかりますので

ガソリンがエンジンルーム内に噴出したらと考えると・・・

エンジンフードを開けて見える箇所なので確認できる方は定期的にチェックするのもいいでしょう。 

 

 リアシート下サクションユニット側のホースですね。

他箇所に比べ劣化が少ないですが、こちらも交換。 

フューエルホースはメーター売りのホースをメカニックが自分で切り分け交換する箇所が

多いので長すぎたり、短すぎたり、取り回しに無理があったりといった事が無いように

正しい経験と知識が必要になります。

本当に1回目の交換であれば、取り回しを覚えておいて交換すれば良い事ですが

古い車になればなるほど、色々な所で手が入ってしまっているものです。

メンテナンス履歴が分からない車に関しては、付いていた場所や付いていた物が全て正しいと

思い込まない方が良い場合も多々ありますね。 

E30M3といえば、エンジンのレスポンスの良さが醍醐味ですから

テストランで少しでも違和感を感じた場合は詳しく検査を進めます。

エアーは吸っていないか。同調はとれているのか。

等々目に見えない箇所の検査から、目視で確認出来る箇所の検査まで全て進めます。

点検検査で時間と労力が、かなり費やされる箇所ですね。 

今回の原因は点火系のパーツにありました。

イグニッションコイルの性能劣化とプラグコードの劣化により微妙に点火ロスを起こしていた事が原因です。

テスターを使用しながら数値をメモし、見比べながら判明する箇所なので時間はかかりますね。 

ディストリビューターキャップとローターはまだ汚れや磨耗も少ない状態でしたが

オーナーと相談し同時に交換。 

プラグコードは中心の導線の錆びと、周囲のゴム被覆のヒビが確認出来ました。

もちろんセンターコードも交換。 

エンジンオイル漏れはオイルパンから。

フロントアクセルキャリアを降ろし、エンジン自体を持ち上げて交換する必要がある為

放置されている車も多く見ますが、そのままにしておくと下廻りはオイルまみれになります。

結果、オイルパン以外からのオイル漏れの発見が困難になり

気がついたら手の施しようが無くなってしまった。何て事も珍しくありませんので

漏れの確認が出来た時点でのガスケットの交換修理をおすすめします。 

エンジン前方側からの漏れ。 

エンジン後部、丁度エンジンとミッション繋がる部分からの漏れが確認出来ます。 

手前に見える丸いパーツがオイルポンプになります。

オイルパンを外せばある程度クランク内の状態は確認出来ますので

目視出来る所は必ず確認し、問題が無いかを判断します。 

外したオイルパンは全体を洗い油で綺麗に洗浄し

古い液体ガスケット等の異物が少しでも残っていると漏れの原因になりますので

ガスケットの貼り合わせ面はにオイルパン、エンジン側双方綺麗に処理します。

M3のエンジンオイルパンは縦に2分割という珍しい形状ですが

これは当時のDTMでコーナーリング中にオイルが左右に偏ることによって起こるエンジントラブルを防ぐ為のものですね。

今の時代、わざわざ二分割にするなんて事はあまり考えられないのですが、

こういった作りを見ると当時の開発の慌ただしさや、レース中に何かトラブルが発生した場合の

処置をいかに早く終わらせるかといったような創意工夫が見られますので面白いですね。

投稿者:autofine at 13:59 | メンテナンス

過去のメンテナンスレポートはこちら