【続】 E30 320i M-Technic納車整備開始【納車】
先日のブログの続きです。今回の作業は全て納車整備で施工できる範囲内での作業。
何を作業したかオーナーにも分かるように記録簿もしっかりと付けます。
ウォーターポンプとタイミングベルト、テンショナーの交換。こちらは必ずセットで交換がセオリー。 カラカラと異音が出ていたので交換。 ファン、ベルト、フロントカバーを外し交換。
この作業は距離が出ていなくても4~5年に一度は必ずしてあげたい所。 タイミングベルトテンショナーが固着したりするトラブルはあまりありませんが
滅多にさわる事のないパーツなので必ず同時に交換。 取り付けが終わったら、各ホースを繋ぎ復旧します。
ヒーターを全開にしてエア抜きがされた事を確認し作業は終了。完成後は水漏れがないかどうかを圧力計を使用し確認。ATFは圧送交換ではなく全量交換。
もちろんATエレメントも新品に交換。
一晩この状態で置いておき出来るだけ古いATFを排出します。 オイルパン付属のマグネット。ある程度ですが鉄粉スラッジをとどめてくれます。
今回はそこまでATFの汚れはなかったのでスラッジ少な目。
新油状態でしたら別ですがオーナーチェンジした際には必ず各部のオイルリセットを推奨しています。
新オーナーの運転の癖や運転するステージ(市街地が多いのか高速が多いのか等)によって
各部のオイルの消耗は全く変わって来ます。
よく情報誌等で発信される交換時期の目安はあくまでも目安として受け取り
自分の走行スタイルにあった交換サイクルを把握し実施する事が大事だと思いますので
当社では必ず全てのオイルを交換し新オーナーに納車しています。ATエレメントを交換し新しいオイルを入れ作業は終了。アライメント調整も必ず実施。
E30に限らずBMWの多くのモデルがフロントはトーのみ調整可能な事から
予備車検場等にあるサイドスリップテスターの測定でタイロッドを調整しアライメント調整だと
言われてしまっている方が非常に多くそういったショップがいまだある事が残念。
大きな間違いなので勘違いしないように…
あくまでもサイドスリップテスターはトーイン・トーアウトどちらにタイヤが向いているかを
測定するものであり、その車の基準値に合わせるものではありません。
E30の場合リア足廻りはセミトレ構造の為、フロントのトーのみ調整可能で
尚更、4輪アライメントを取る必要性がないんでは?と思ってしまうかもしれませんが
前後の数値からボディの状態(事故歴の有無)や足廻りブッシュ類の消耗具合等の情報も
取れますしその情報によって交換すべきパーツの時期や乗っていく上で起こるであろう
問題を予測する事が出来るわけです。
トーを調整してもタイヤの偏磨耗が止まらないとか真っ直ぐ走らない等問題がある場合には
大体がリアやボディに問題がある場合がほとんどなのでいくらフロントを調整しても無意味です。
『アライメント測定と調整はリアから』が鉄則です。新オーナーには『次はいつ来店して下さい』とか『ここは来年くらいに交換して下さい』等々
楽しい納車タイムの段階で小姑のように口うるさくなってしまう事もあり細かすぎるかなと
反省する事も多々ありますが…
ひとえにネオクラシックモデルの面白さを堪能していただければという思いが先走り…最後にウォッシャーチェックバルブを交換しウォッシャー液が出る事を確認し作業は終了。先日納車だったのですが納車後30分でスピードメーターが動かなくなるというアクシデントが発生し
新オーナーにはご迷惑をおかけしましたが、
すぐに原因は分かり対応させていただき本日再度納車させていただきました。
本日も先日に引き続き、お土産までいただいてしまい恐縮です。
2012年04月25日