【E36 M3B】納車後の整備【他店購入】
本日は他店で購入された94年式のM3Bのメンテナンスです。
走行は100,000Kmでオーナーの希望で納車整備無しで納車され納車日当日に当社へと入庫となりました。
今までの履歴全く分からない為、各部の点検を実施し早急に施工するべき箇所
先送りに出来る箇所を見定めて欲しいとのリクエスト。
事故無し車輌という事で購入したが、それも自分では分からないのでチェックを頼まれました。
まずは車輌全体のコンディションチェックを行いメニューを作成。
故障箇所等無い場合は、エンジンオイルも交換されていませんからオイル全般の交換が優先になります。
チェック自体はテストラン等のフィーリングチェックも項目に入っていますので、
なかなかその場で行うことは難しいですが
こちらでメニュー作成後、再度ご来店いただき車の状態を説明しながら作業メニューを決めていくと
2回目以降のメンテナンス計画も立てやすくおすすめです。まずはエンジンオイルの交換。
チョイスしたオイルはFUCHS TITAN 5W50。
当社も初めて見る車輌なので廃油や古いエレメントにスラッジが異常に溜まっていないか注意深く検査します。
この時点で異常が見つかった場合はオーナーに相談し、
作業から検査に切り替えて異常箇所の精査を開始します。
ミッションオイルはFUCHS ATF4000をチョイス。
もともとギアオイルが入っていましたが粘度が高く、市街地走行のみでの使用の場合は
これからの季節、かなりギアの入りが渋くなってしまいますのでATFの使用が一番良いですね。
但し、サーキット等かなりハードな走りをする場合はギアオイルをチョイスします。
この点もオーナーと話し合い決めていきます。
ショップ側の一方的なオイルチョイスで作業を進めてしまうと
後々オーナーに不満点が出てしまう事も多いので当社では要相談になります。 デフオイルも交換。
雑誌等の情報誌では20,000Km毎の交換と謳われる事が多い箇所ですがはっきり言ってそこまで持ちません。
せいぜい15,000Kmが限界といった所でしょうか。
それを過ぎると明らかにスラッジの量が目に見えて増えます。
スラッジ=金属粉なので、それだけ内部のリングギアを削っていると言うわけです。
ブレーキフルード交換。
1,5tの物体を確実に止まらせる為の重要な箇所のフルードになります。
劣化の進み具合は茶色く変色していたら交換と考えると良いでしょう。
吸湿性が高く、吸湿が進むと茶色く変色するのでタンクの外からでも確認できるはずです。
あまりにもタンク自体が汚れている場合はタンクの交換をおすすめします。
タンク内壁にスラッジの固着があると
そのスラッジが徐々にマスターバックやシリンダー、ライン内に混入し、目詰まりや漏れにつながります。
止まらなかったです。では済まない箇所ですので少々神経質になっても良い所でしょう。 E36系で多く見られるドアノブ部分のゴム劣化。今回、唯一見られたオイル漏れはパワーステアリングから。 こちらも定番箇所になりますが、定番ゆえに放置される事も多く
下廻りがオイルでとんでもないことになっている事も多いですね。
その為、低圧側からだけの漏れだと思っていたものが実は高圧側も漏れていて
ギアボックスやポンプに異常が出始めていた。何て事も少なからずありますので
やはり漏れが見つかった時点で対応した方が結果的にコストを抑えられる事が多く見られます。 ベルト類は一式交換。ベルト自体にヒビが入っていればベルトはもちろん交換。
ベルトの張りを調整するテンショナーと回転させるローラー類は内部のベアリングに傷が入っていないか。
異音が出ていないか。テンショナーが伸びきっていないかを良く見ますが、
大概は同時に交換する事が多いでしょうか。
ベルトが新しくても張りがしっかりしていなかったり、
ベルトの駆動にブレが出てしまうとベルト外れの危険が伴います。
低速時であればまだ良いですが、高速時になってしまった事を考えるとあまりにも被害が大きすぎます。フィルター類は今回はフューエルフィルターのみを交換。
エアフィルターとエアコンマイクロフィルターはDIYでオーナーが交換するそうです。
自分で触ってちょっとした車の構造等を楽しむのも良い事でしょう。
M3アルピナだけではなくスタンダードモデルでも
今回のように他店で購入された方で自分の車が果たしてコンディションが良いのか。
普通なのか。悪いのか。さっぱり分からないと言った場合には
お気軽にお問い合わせいただければお答え出来る事もあるかと思いますので
お気軽にお電話かメールでお問い合わせ下さい。
2012年11月10日