【E30 M3】フューエルタンク修理【エンジンストール】
信号停止中に何の前触れも無くエンジンストールをしたM3。
点検を進めるとどうやら燃圧が上がらず事が判明。
フューエル系統に問題があるようなのですがどうも様子がおかしいので
フューエルラインを点検すると非常に見たくないものが・・・ タンクを下ろしパッと見たところ問題は無さそうに見えますが
フューエルポンプを外してみると…フューエルポンプは錆に侵され、これはもうアッセンブリーで交換しないとどうにもならないレベル。フューエルポンプがこの状態だとすると・・・
タンク内は・・・ 中を覗き込むと…錆だらけですね・・・
タンク内にここまで錆が蔓延してしまうと、このままフューエルポンプを新品に交換しただけでは
またすぐに同じようにエンジンがかからない状況に陥る可能性も高いですし
インジェクター等にも被害が確実に出ますので対処します。
タンクを新品に変えるという選択が一番手っ取り早いですが、
古い車の場合はガソリンタンクがすでに廃盤になっている事もありますので
今回はこの錆を除去し、内部の防錆コーティングする事によりガソリンタンクのレストア修理を進めます。 E36モデルからはスチール製では無く、耐油製のポリタンクに変更になっていますので
錆の心配は無いですが、このように錆が多く出る原因はガソリンが常時入っていない状態で
保管されている車に良く見られます。
タンク内にガソリンが少ないとタンク内の空気中に含まれる水分が
そのまま溜まり続ける事によってこのようになるケースが多いので、常にタンク内はガソリン満タンの状態が好ましく長時間保管する場合は特に気を付けた方が良いでしょう。
もちろん水分だけでは無くガソリンに含まれる不純物や外埃の混入もありますから
ガソリンと共にそういった汚れを燃焼させる製品も当社にありますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
スチール以外のタンクに関しても、錆は出ませんがやはりガソリン以外の物質が混入する事は好ましくはありませんので常時、満タンにしておくことが良いかと思います。
錆取りの洗浄剤を入れ、攪拌し除去します。
錆の除去が完全に終わったら、専用の防錆剤で内部をコーティングし、作業は終了になります。
タンクを切断し内部をサンドブラスト等で綺麗にし、防錆処理する方法もありますが
今回はこの方法で十分な効果が得られますので、攪拌洗浄を繰り返し行い修理を進めます。
今回は幸いな事にインジェクター等のフロントフューエルラインには問題が見つかりませんでしたが、
今回のケースのような状態になっている場合、インジェクターの詰まりが発生している場合も少なくありません。
また、タンク取付後、エンジンがかかるようになったら
必ず正常な燃圧と各インジェクターの燃料噴出量をチェックし
修理した箇所以外で詰まり等の不具合が無いかを確認する事が大切です。
2012年12月07日