【E36 M3】VANOSオイル漏れ修理【走行150,000Km】
E36 M3の入庫です。こちらの車輌は水戸から初めての入庫。
走行は150,000Km。 今回の修理のメインとなるのがオイル漏れの修理。
VANOSを中心に複数箇所からの漏れが確認出来ます。 カムカバーからのオイル漏れもあるようです。 下廻りはこの通り。
これほどのオイル漏れがある場合は、1箇所のみのオイル漏れとは考えにくく
何箇所かある場合がほとんどなので、漏れ箇所の特定は慎重に検査を進めます。 エンジンとミッションの継ぎ目にもオイルが滴っているのがわかります。
良く見るとエンジンブロック脇に染みが出来ていますね。 エンジンブロック脇のプレッシャースイッチからのオイル漏れ。
かなり大漁に漏れていますね。
プレッシャースイッチの錆からみて、かなりの機関放置されていそうです。 テストランで現状のフィーリングを確認。
アクセルを踏んでもM3特有の回転の鋭さを感じられず
ちょっと残念なフィーリングになってしまっています。
どうしても人は慣れてしまいますから、このような状態になっても気付きにくく、
そのまま乗り続けてしまう事が多いですね。
M3という車をある程度楽しみながら、乗り続けるのであれば古くなって
距離が伸びるほどにコマメにしっかりと状態を確認出来るプロの診断が必要になるでしょう。
今回のオイル漏れ箇所はVANOS部、カムカバー、プレッシャースイッチの
3箇所からの漏れが確認できましたので修理開始になります。まずはVANOSから。
お乗りの方であればVANOSの機能の重要性は良く分かっていらっしゃるかと思います。
M3らしいエンジンの吹け上がりを制御するための可変バルブ機構ですね。
この部分に不具合が出ると、カムの制御が効かなくなりアイドリング不調やアクセルを踏んでも
回転数が上がらないといったような様々な不具合が出ます。
そういった症状になり、ディーラーに持ち込んだ場合
ほとんどアッセンブリー交換の見積もりが出てきます。
金額は約50万。
そうなる前に、しっかりとした手を加える事によって予防できる箇所でもありますので
予防する為のルールをしっかりと守るようにしましょう。
そのルールは今までのブログを見ていただければ良く分かるかと思います。VANOSカバーを止めているボルトはアルミ製なので慎重に取り外しを行います。
強引に回すとボルト頭の部分でポキリと折れます。
全て取り外したら新しいガスケットとOリングに交換。 VANOSの動きを制御するソレノイド部分のOリングも交換。
オイル交換をあまりしない場合、このソレノイドに機能障害が出る事がありますので
オイル交換は3,000~5,000Kmに一度は必ず行いましょう。 カムカバーの交換と同時にプラグの交換。付いていたプラグですが、使用限界を超えてます。
中心電極が無くなってしまっているのが分かります。
これではまともな点火は期待できませんし、車自体への不調につながってしまいます。新品のプラグと見比べてみると良く分かるでしょう。カムカバーガスケットの交換。 定期消耗パーツになりますが、適正な箇所に液体ガスケットを塗布し、
カムカバーを取り付けるボルトプラグを都度交換する事によって、その寿命は大きく変わります。
プラグホールガスケットも消耗限界が過ぎると、プラグホール内にオイルが混入し
プラグ自体がオイルまみれになりますので、同時に交換が鉄則ですね。 修理後は必ず漏れていたオイルをスチームで洗浄し、エンジンルーム内、下廻り共に
綺麗な状態にしておきます。
今後の宿題も残ったM3ですが定期的に一つづつ解決していけば
まだまだM3の醍醐味を味わえる車ですので、またのご来店をお待ちしております。
2013年04月15日