【納車前整備】2004y BMW ALPINA E46 B3S Limousine【24ヶ月定期点検】
先日売約となった2004y ALPINA B3Sの納車整備。
新オーナーは初めてのお付き合いです。これからも宜しくお願い致します。納車整備内容は、全てのオイル使用箇所のリフレッシュと各エレメント類の交換。
フロントブレーキパッドの交換、 点火プラグの交換、4輪アライメントの調整等を行います。
まずはエンジンオイル交換フラッシング剤を入れエンジン内部の汚れと共に古いオイルを排出させます。
時間の許す限り排出はじっくりと行います。
ドレンからポタポタと落ちるオイルがピタリと止まるまで、しっかりと時間をかける事で
古いオイルを残さないようにします。 オイルを排出中にオイルエレメントを交換。
オイルエレメントは毎回必ず交換しましょう。
2回に一度なんて事をしていると、エンジン内部のスラッジ堆積量が確実に増えます。エンジンオイルはFUCHS TITAN 5W-50をチョイス。
排気量3.4Lで300馬力オーバーのスペックを持ったエンジンなので熱量もかなりあり
熱ダレを防ぐと共に、清浄効果の高いオイルをチョイスします。
M3やALPINAにお乗りの方には長年評判の良いオイルですね。 デフオイルの交換。
75W-90や95W-140など差動装置特有のかなり粘度の高いオイルを使用している箇所は
かならず排出前に暖めておく事が大事になってきます。
そうする事により古いオイルはもちろんのこと内部のスラッジの除去のしやすさが格段に変わってきます。
常にオイルにハイプレッシャーを与え、スラッジ発生量は一番多い箇所なので
簡単に交換できる箇所だからこそ、しっかりと考え交換をする事が大事になってくる所ですね。 使用オイルはOMV 95W-140。
OMVは日本ではなじみの無いオイルメーカーですが欧州ではかなり有名なオイル総合企業で
デフだけではなくエンジンオイルもかなり良いものを提供してくれます。 パワステオイルの交換。 専用のフラッシング剤を専用の機材にセットし圧送でパワステラインはもちろんの事
パワステポンプやギアボックスにまでフラッシング剤を浸透させ、内部のスラッジを車外に輩出させます。
こうする事によりポンプ、ギアボックスの寿命はかなり変わりますし、
ステアリングのフィーリングも格段に向上します。 使用オイルはFUCHS ATF4000、DⅢ規格のオイルを使用します。
交換後は油面の調整を確実に行い、エア噛み等が無い事を確認します。 ブレーキフルードの交換。まだ使用可能な状態ではありますが、オーナーが変わった場合は必ず交換がセオリーです。
オーナーが変われば環境や使用状況が変わります。
必ず一度リセットをし、新オーナーのメンテナンス計画が立てやすくする為
綺麗だからと言って、何もせずに乗り始めてしまうと問題が起きた時に
トラブルシューティングが非常に困難になってしまう事もあります。冷却水の交換。
圧送用の機材は先日新調しました。
かなり圧送力がアップし今まで以上に作業が捗ります。 全てのオイルを交換した時点で、このようにテスターで
各部の温度や状態をテスターにて正常に機能している事を確認します。
オイル交換や冷却水交換によってエア噛み等している場合は、
正常温度まで上がらなかったり、上がりすぎてしまったりしますので
体感に頼らずこのように確認する事で、トラブルを防ぎます。エアエレメントの交換。
エアブローで掃除して元に戻すような事はしません。必ず交換。エアコンマイクロフィルターもエアフィルターと同様です。 細かい所ですがワイパーゴムも交換。フロントブレーキパッドの交換。
必ずローターのチェックも忘れずに行います。ローターが寿命の場合、いくら新品のパッドにしても
交換する意味合いが全くありません。 街中での制動力は純正のパッドが一番高いでしょう。
装着時は必ず面取りを行います。
面取りをしないとかなりの高確率でブレーキ鳴きの原因になる事が多いですね。
機能に問題はありませんが、乗っていてかなり気になる所ですね。
純正のパッドは優秀ですがパッド粉は多め、
少な目を希望の場合は純正のタッチとさほど変わらないものも用意できますので仰って下さい。プラグの交換。 プラグのチョイスは純正やイリジウムタイプとありますが、
新オーナーの走りの好みに合わせチョイスします。4輪アライメント測定と調整。
納車前にメーカーが指定した基準値に合わせて、
半年後、一年後に数値がどのように変化をするかが大事になってきます。
その数値の変化を読み取る事によってオーナーの乗り方の癖等が把握でき、
好みの乗り味にセッティングする事ができるようになりますので
アライメント調整時の記録は必ず残しておきましょう。全ての整備が終わってからテストランをじっくりと行います。
少しでも気になる箇所があれば、必ずチェックをし解決後に新オーナーに納車します。
2013年04月17日