【E30 M3】ドアロックアクチュエーター交換/ミッションマウント交換/ACベルト交換【定期交換】
E30M3のメンテナンス入庫になります。
今回はドアロックアクチュエーターの不具合、ミッションマウントの断裂、
エアコンベルトの劣化が目立ちましたのでオーナーと話し合い交換となりました。 まずはドアロックの交換。運転席側のドアロックが連動しなくなってしまったというよくある症状です。
基本的にアクチュエーター内のソレノイドかモーターに不具合が出て、動かなくなってしまう事が多いですが
まれに電気的な不具合やアクチュエーターと
ドアロックを繋ぐリンゲージロッド等に不具合がある場合がありますので
動かないからアクチュエーターが駄目になったと安易に判断せずにドアパネルを外して
原因を目視で確認する事が大事です。今回はリンゲージロッドや電気的な問題は無く、アクチュエーターのみの不具合でしたので
ASSYで交換をします。茶色のプラスチックケースの中にはソレノイドとモーターが組み込まれており
モーターはマブチモーターと同等の物が使われている事もあり、モーター不具合の場合は
そっくりそのまま同型のモーターを用意すれば直る事もありますが、メーカーからパーツが供給されている間は
ASSYで交換した方が手間は省けるでしょう。 どうしてもこういった箇所のプラスチックパーツは経年によって硬化し割れやすくなってきますね。
年式が古くなればなるほど、このような細かい部分のパーツは早い段階で廃盤になってしまう事もありますので
気が付いた時点で交換しておいた方が良いと思います。 ミッションマウント交換。
この位置からだと何も問題なく見えるミッションマウントですが・・・ クローズアップしてみるとこの通り。
斜めにくっきりと断裂しているのが分かりますね。 こちらは右側のマウント。
E30M3はエンジンの振動が大きい事でも有名です。
M3好きな人間から言わせるとそのレーシーな振動と排気音がたまらなく心地良いものですが
この振動による弊害があるのも事実です。
オルタネーターブッシュの消耗等を筆頭に、エンジンマウントやミッションマウントの消耗速度は
他モデルに比べると格段に早く、定期点検で交換が必要だと判断された場合には出来るだけ早く
交換した方が良いでしょう。 こちらは左側のマウント。
右に比べるとまだまだ亀裂は浅いですが、こうなってしまうと加速度的に亀裂は進みます。
基本的に片方のみを交換する箇所ではありませんので、両方新品に交換します。 新旧比較。
潰れはさほどありませんが、今回は断裂による交換です。
断裂せずにギュッと圧縮したように潰れている場合も即交換が必要になります。
マウントの劣化状態は車の使用用途等によっても変わってきますので
コマメに下廻りを点検出来る環境を作っておく事も大事になりますね。 エアコンベルトの交換。
こちらもこの距離だと見逃しがちですが・・・ この位置まで近づいて見ると、このとおりヒビが確認出来ますね。 外して見るとこの通りの状態。
E30までメイン、エアコン、パワステの3本掛けのベルト駆動になっていて、ベルトの構造も
このように山のあるベルトを使用しています。
構造上古くなってくるとベルト自体が痩せやすく、ベルトの断裂が起きやすい構造になっています。
マウント類と同じく、E30M3では定期的なチェックと交換が必要になる箇所でしょう。 今回はエアコンベルトのみの交換となりましたが、基本的には3本同時に交換しておいた方が
交換時期の目安は立てやすい箇所になるでしょう。
2013年06月14日