【ALPINA】エンジン始動不能修理【B6 2.7 Cabriolet】
本日はB6 2.7カブリオレの修理になります。
キーを捻っても、クランキングのみで全く始動しない状況になってしまい各部を点検。
エンジン始動に必要な圧縮、燃圧、点火に関わる箇所をチェック。
コンプレッションゲージを使用して、各気筒の圧縮圧力を測定しましたが問題無し。
次は燃圧をチェック。こちらも燃圧測定をしましたが問題無し。
最後に点火系統をチェック。
まずはプラグコードを外し、プラグをチェックしましたが
プラグ自体に問題がありそうな気配は無いので
プラグコードの先端にマイナスドライバーを差し込み、ドライバーの鉄部をボディに接触させながら
クランキングすると、正常であれば火花が飛ぶのですが、 全く反応しない状態なので
更に細かく検査を進め、イグニッションコイル、デスビ、プラグコード各部の
機能点検を進めていきましたが、性能低下は見られるもののエンジン始動には問題が無い状態。ここで一旦作業を止め、
過去の症例と照らし合わせ、原因の一つとして候補に挙がったのがDME本体の不良。
出力信号を調べていくと、点火信号が送られていない事が判明。
一度プログラムをリセットし、再度コーディングしましたが
エンジンがかかる気配は無し。
内部パーツの寿命と判断したので新しいDMEを注文し、交換を実施致しました。
325iのDMEをアルピナ社で書き換えしているので、日本に在庫があるはずも無く
当然、本国発注パーツとなり、多少時間をいただきましたが
コーディングも問題無く終了し、無事エンジンがかかるようになりました。 最初の点検時に計測した、各部の抵抗値等の数値は正常ではありましたが
新しいものと比較して、随分と性能低下が見られた箇所があったので
デスビキャップ、デスビローター、イグニッションコイルを交換。イグニッションコイル。
目視での良否判定は出来ませんが
テスターを使用しながら動作テストを繰り返し行う事とテスターの数値により
どの程度消耗しているかが分かります。デスビキャップ内側は汚れと接点の摩耗、更にスパッタの付着が目立つ状態でした。 新品デスビキャップ。 どのパーツも完全に駄目になってしまうと、エンジンの始動や動きに影響が大きく出る
パーツになりますので、定期的に点検を行い適切な時期に交換を行う事が大切になってきます。作業完了後、テストランしっかりと行いました。
エンジンの吹け上がりは、不具合前よりも格段に良くなり
非常に気持ちの良いドライブが楽しめるコンディションになりました。
2013年11月08日