【E46 M3】エンジンオイル交換&デフオイル漏れ修理【88,000Km】
2月になりましたね。今日は気温20度近くで暖かいです。
やはり寒いより、暑いくらいの方が個人的には◎です。
1月にも整備レポートをUPしようと手をかけていましたが、
月半ば過ぎから、入庫車輛や整備車輛、レストア作業の対応などの他、
LIQUI MORYオイル交換キャンペーンが、思いのほか好評でパタパタと忙しくさせてもらい
下書き記事が溜まる一方です・・・整備完了車輛のオーナーからブログアップしてね!と言われることも多いですが
気長にお待ち下さい・・・
さて今回のメンテナンスレポートはE46 M3のエンジンオイル交換とデフオイル漏れ修理です。走行距離は88,000Km。
こちらのM3のオーナーはまだ20代でお話しを伺っているとかなりの車好き。
当社で20代のオーナーは少ないですし、最近は若い方がこういった車を所有するという事も
少なくなってきたようなので、何となく自分の若い頃を思い出しつつ作業をさせてもらいました。
今回は基本的な油脂のメンテナンスのエンジンオイル交換とデフオイル漏れの修理を行います。エンジンオイル交換。
交換の前にフラッシング剤を注入してエンジン内部に堆積してしまったスラッジやカーボンの汚れを落し易くします。
当社で使用しているフラッシング剤は、素早く汚れへ浸透して汚れを落しやすくするだけでなく、
洗浄時の摩擦を抑えて保護被膜を形成する事で一度落した汚れの付着を防ぐ再付着防止効果により、
新しいオイルの再汚染を防いでくれます。10分~15分程アイドリングを行ってフラッシング剤をエンジン内部まで浸透させて汚れを落し古いオイルと共に排出。
出来るだけ内部に汚れたオイルを残さない為にも出来るだけしずくが垂れなくなるまで
時間を掛けて排出を行う事が大切です。
廃油はそのまま処分してしまうのではなく、
汚れ具合や異常な金属片等が含まれて無いかチェックを行ってエンジン内部の状態を探ります。エンジンオイルエレメントの交換。
当社では新しいオイルの性能を充分に発揮させる為にもエンジンオイル交換と同時に
オイルエレメントの交換をお勧めしています。チョイスしたオイルは当社ではお馴染みのFUCHS社のTiTAN SuperSyn 5w-50。
真冬時でも素早くエンジン内部へ浸透するので始動性能が高く、逆に真夏の酷暑でも安定した性能を誇るだけでなく
汚れの集約性も高い為、エンジン内部をクリーンに保つ効果が期待出来ます。
走行時では滑らかに一気に吹け上がる感覚にALPINAやM3のオーナーからの支持も高く、
当社でもお勧めの100%化学合成オイルです。
古いオイルの排出を終えたらオイルエレメントを装着し、
適量のエンジンオイルを注入してエンジンオイルの交換が完了。エンジンオイルの交換後はオイルインスペクションのリセットを行います。
現在の表示は18,000kmなのですが、25,000kmから減算されるので計算すると
今回は7,000kmでの交換なので出来ればもう少し早目の交換がベストですね。
エンジンオイルの交換時期はオイルインスペクションが3,000km~5,000kmでの交換をお勧めしているので
オイルインスペクションの表示が22,000km~20,000kmの間に交換しておくと良いでしょう。オイルインスペクションのリセットが完了。
稀にオイルインスペクションのリセットを行ってない車輌を見掛けるのですが、
ほとんどがオイル交換をいつしたっけ・・・といったようなケースが多く、
最適な交換時期を把握する為にも必ず交換後はリセットを行いましょう。
デフオイル漏れの修理を開始します。今回はサイドシールからの漏れですね。
まずは、古いオイルを排出する前にフラッシング剤を注入して内部で発生したスラッジ等の汚れを排出させ易くします
オイルの粘度が高い為、排出前に油温をある程度高めて排出します。
サイド部分からオイルが浸み出ているのでドライブシャフトを外して内部のオイルシールを交換します。
大量に漏れている訳ではないのですが放置していても症状は悪化していくだけなので放置は厳禁です。
取り外したアウトプットドライブフランジ、インナーシャフト。
異常が無いか状態を確認し、アウトプットドライブフランジから古いオイルシールを取り外します。
新旧のオイルシール、アウトプットドライブフランジのOリング。
オイルシールは環状バネが組み込まれたタイプでバネの反発力でシールの密着度を高めてオイル漏れを防いでいます。
反対側も同様にオイルシールを交換。
アウトプットドライブフランジを取り外してみるとオイルシール部からオイルが滲み出ているのが確認出来ます。拡大するとオイルの漏れ具合が良く判ります。
デフオイルの交換を怠っていると内部で発生したスラッジが研磨剤の様になって
ギアやシールを傷めて不具合を発生させるのですが、
エンジンオイルの様にオイルエレメントが付いている訳では無いので、
汚れていくと発生した多くのスラッジがオイル内を浮遊する事になり、
オイル漏れを誘発させる原因となります。新旧のオイルシール、アウトプットドライブフランジのOリング。
オイルシールを圧入する際は汚れやゴミ等が新しいオイルに噛み込まない様に綺麗に洗浄してから慎重に装着します。アウトプットドライブフランジのOリングは劣化が進むと油分が抜けて弾力性が失われて潰れてしまう為、
オイルシールの交換と同時に交換します。
左右のインナーシャフト、アウトプットドライブフランジを装着し、
ドライブシャフトを元に戻してデフオイル漏れの修理が完了。規定量のデフオイルを注入してデフオイルの交換が完了。全ての作業を終えたら最終のテストランを行って修理箇所やその他に違和感が無いか確認を行います。
走行距離が約90,000kmの車輌ですが、
スムーズなコーナーリングと軽くアクセルを踏むだけで背中をシートに押さえつけられる感覚は
全く経年を感じさせずM3の心地よいシルキーシックスサウンドに酔いしれながら走行を楽しむ事が出来ました。後日、オーナーへ分解整備記録簿をお渡しし、メンテナンスや作業内容等をお伝えして納車となりました。
今回は基本的なメンテナンスとしてエンジンオイル交換を行い、同時に軽度のデフオイル漏れの修理を行いました。
車のメンテナンスとして真っ先に思い浮かぶのがエンジンオイルの交換だと思いますが、
交換を怠っていても急に故障してしまう訳では無いので交換時期を過ぎても先延ばしにしてしまうオーナーも多く
重要性が低く見られがちなのですが、燃費や出力の低下だけでなく故障を誘発する原因にもなるので
少し早めに交換する心構えでメンテナンスを行って下さい。
10年、10万kmを超える経年車は経年劣化が原因で発生するトラブルが多くなってくる為、
定期点検の際に各パーツの状態を把握し、経年を考慮してトラブルが発生する前に事前に交換しておく事が大切で
主治医となる整備工場と長期のメンテナンスプランを立てておくとトラブルの軽減に繋がるのでお勧めです。
当社では50項目の無料点検を行っており、オーナーと一緒に下廻りの状態を確認する事が可能ですので
車輌の状態が気になる方はコチラからお気軽に問合せ下さい。
2019年02月04日