【ALPINA B3S】冷却水漏れ修理【100,000Km】
今回のメンテナンスレポートは初めてご来店のALPINA B3Sの冷却水漏れ修理をレポートしていきましょう。
走行距離は約100,000Km。
ALPINA B3SはE46モデルをベースに2002年~2006年まで生産され、初期モデルでは16年、最終モデルでも12年が
経過しているので、そろそろ今回の漏れ箇所のように樹脂を使用しているパーツの劣化が気になる所です。
E46モデルでは良く見られる症状なので、特に対策をしていない車輌のオーナーは
この記事を参考にメンテナンスを行って下さい。
今回は全くの別件でのご来店だったのですが、ボンネットを開けてみると
冷却水の甘い香りが漂っており、どこからか冷却水漏れの疑いがあったので緊急入庫となり
暖まった状態と同様の圧力を冷却経路にかけて検査を進めるとアンダーカバーには
写真のように冷却水漏れが確認出来ました。
今回の漏れ箇所はエキスパンションタンクとエキスパンションタンクマウントフレーム・サーモスタットからの
計3箇所からの漏れがあったので当然こちらは交換します。
また、まだお乗りになるとの事だったので、ウォーターポンプの予防交換を実施致しました。
冷却水漏れは様々な箇所が原因になって発生する為、
トラブルがあったパーツのみを交換しただけでは安心出来ません。
必ず冷却システム全体をチェックし、走行距離と経年による劣化を考慮して
漏れに繋がりそうなパーツも含めて交換する事が大切です。
もちろん、乗っているオーナー自身が、あとどのくらい乗るのかにもよると思いますので
打ち合わせしながら施工内容を決めていくのが良いかと思います。
古いウォーターポンプを外して交換。
ウォーターポンプは消耗品として捉えて不具合が発生する前に経年を考慮して交換する事が大切です。
新旧のウォーターポンプ。
内部のベアリングが摩耗してゴロゴロと異音を発生させたりガタついている場合は早急に交換が必要です。新旧のサーモスタット。
基本的にウォーターポンプとセットで交換するのですが、本体が樹脂製の為、
経年劣化により振動等で亀裂が入って破損する事があるので注意して下さい。新旧のエキスパンションタンク、とマウントフレーム。
こちらも樹脂製なので経年劣化で割れてしまう事が多く、E46モデルの水漏れ症例としては定番ともいえる
トラブルでしょう。今回はマウントフレームからも漏れが発生していたので、
マウントフレーム内のサーモスタットと共に交換していきます。
冷却水の交換。
冷却経路内のフラッシングを行って冷却ラインの錆や水垢等の汚れを浮かせて古い冷却水と共に車外へ圧送させます。
単に交換だけをするのではなく、冷却ラインや冷却システムをトータルに考慮したメンテナンスを行う事が大切で
年に1度の法定点検の際に同様のメンテナンスを行う事でウィークポイントである冷却水のトラブルを
大幅に減らす事が可能になります。最後にテストランを行って修理箇所の状態や運転していてその他に問題が無いかを確認し納車となりました。
今回はALPINA B3S特有の・・・というよりはE46モデル全般の
ウィークポイントである冷却水漏れの修理を行いました。
どうしてもパーツの材質が樹脂製なので硬化による劣化を防ぐ事は出来ないので定期的に点検を行っていきましょう。
水廻りのトラブルは状態により走行不能になったり、オーバーヒート等でエンジンが焼き付いてしまうと
エンジン本体に大きなトラブルを抱えてしまう事もありますので、
ちょっとした車からのサインを見逃さない事が大切になってきますね。
2018年05月01日