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MAINTENANCE REPORT

【E92 320i】バッテリー交換【110,000Km】

初めて入庫のE92 320iが電気系統のトラブルで入庫です。走行距離は110,000km。
電圧降下によるメーターインフォメーションの警告などが出ているようで
おそらくはバッテリーの交換で解消する事も予想出来ましたが、このモデルからバッテリー交換時には
交換リセットをテスターで行う必要性がある為、オルタネーターの発電量などを含めて点検し、
バッテリー交換を行いましょう。
その他にオーナーから走行中に息継ぎのような段付き感があるとの事だったので
その点も合わせて見ていきます。テスターで確認するとご覧のようなエラーが表示されました。
3番失火・ラムダなどに異常があるとの事ですが、ディーラーで何度かIGコイルも交換済みのようなので
おそらく、問題は他にありそうですが、検査に時間がかかりそうなのでオーナーと相談し
今回はエンジン部に関してはノータッチです。
アイドリング時にオルタネーター電圧をチェックするとかなりフル稼働している状態ですね。
少々電圧は高いですが、オルタネーター自体に問題は無さそうです。
iDrive画面には消費電流の増大のエラーが表示されています。
バッテリーが弱っているとこの様な表示が出る事が多いので、
停止した状態でバッテリーの電圧をテスターで計測します。停止時のバッテリーの電圧を計測すると明らかな電圧不足。
あれだけオルタネーターが発電しているにも関わらず蓄電されていないので完全に交換時期でしょう。
低電圧での電気系統の稼働はかなり負担を掛けてしまうケースも多く、思わぬトラブルを引き起こす事もありますので
バッテリーの交換は定期的に行う事が望ましいですね。
何らかの原因でバッテリー上がりを起こしてしまったバッテリーは、
新旧に関わらず性能が確実に低下してしまうので、特に気温の低い冬場の始動時や
あまり走行をしない方はバッテリーに負担が多く掛かる為、注意が必要です。新旧のバッテリー。
新しいバッテリーを装着。
テスターでオルタネーターの状態を確認し、バッテリー交換のリセットを行って作業が完了。
最後にテストランを行って電気的な問題が無い事を確認し納車となりました。

近年の車輌はコンピューター制御で電気系統に異常が発生するとエラー表示だけでなく、
車全体の通信が一箇所でも断たれてしまう事で、車輛全体のコントロールが効かなくなったり
予期しないトラブルを引き起こす事もあるので、バッテリーやオルタネーターなどのチェックは
クラシックモデルよりもシビアに見ていく必要性があるのかも知れませんね。
単純にバッテリーだけを交換して終わり・・・という時代は終わったようです・・・

2018年03月18日