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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B10 V8S】24ヶ月法定点検&車検整備【90,000Km】

本日のレポートはE39モデルのB10V8Sをピックアップしていきます。
2002年モデルで走行は90,000Km、新車から16年を考えれば90,000Kmという走行距離は
少ない方かと思いますが、E39モデルは50,000Kmを超えてきた辺りから、それなりに手を入れる箇所が増えてきます。
今回は次の車検までにどのようにメンテナンスをしていくかのメニューの作成をしつつ
現在、手を入れなくてはいけない箇所をピックアップし、作業を進めていきたいと思います。
24ヶ月法定点検項目のひとつでもあるブレーキシステムを点検。
マイクロメーター・ダイアルゲージを使用してブレーキローターの厚みや歪みの状態を確認。
それと同時にダストなどの清掃やサイドブレーキの調整を行っていきます。
V8Sはフロントに対向4PODを使用した専用ブレーキが装着されています。
前後共にオーナーの年間走行距離と走行ステージ考慮すると、残り1から1年半ほどで交換時期でしょうか。
走行中にバッテリーランプが点灯した事があるとの事だったので、DMEにアクセスしつつ
オルタネーターの電圧テストを実施。デジタルテスターで計測するとアイドリング中で12.65V、
13V後半から14V前半程度の電圧発生が望ましく、バッテリーに問題無い事も確認済みなので
オルタネーターは今回交換しましょう。
走行距離や経年を考慮するとオルタネーターの寿命が考えられるのでオルタネーターを確認。オルタネーターは走行する事で電力を発生させてバッテリーへ充電を行っているのですが、故障してしまうと
電力を発生する事が出来なくなる事でバッテリーの負担が増して最終的にバッテリー上がりを発生させます。
特に近年のモデルはコンピューター制御で管理されている為、電力の低下は走行に支障をきたすだけでなく
始動すら出来なくなってしまう為、バッテリーの警告灯が点灯した際は早急な対応が必要です。新旧のオルタネーター。
エンジンの冷却経路に組みこまれる形で設置される水冷式のオルタネーターなので
Oリングも当然交換しないと冷却水漏れの原因になります。
新旧のファンベルト・ベルトテンショナー・テンショナープーリー。
丁度、交換時期でもあったのでオルタネーターの交換と同時に作業をしました。
オルタネーター、ファンベルト等を装着し、再び計測を行って適切な電圧を確認して電圧低下に関する作業が完了。フューエルフィルターを交換。
排出した燃料はそれほど汚れていませんでしたが、丁度良い交換時期でした。
走行が年式に比べて少ない車輌はフィルター内部や燃料ポンプに残ったガソリンが腐り固着する事があるので要注意。
交換時期については走行距離だけでなく経年にも注意した方が良いでしょう。
新旧のフューエルフィルター。
全ての作業を終えたら車検に備えスチーム洗浄でエンジンルームや下廻りを綺麗にしておきます。テストランを行って修理箇所やその他に問題が無いかを確認。
トルクのあるしっかりレッドゾーンまで吹け切ってくれるエンジンは気持ちの良いものです。車検を取得し、車検証、定期点検記録簿、車検ステッカー、定期点検ステッカーを
オーナーへ渡して納車となりました。

今回は通常の24ヶ月法定点検の他に電圧低下のトラブルやフューエルフィルターの交換を行いました。
あわせてALPINA純正ショックアブソーバーのオーダーを先に済ませ、
今年終わりにはフルブッシュ交換やハブベアリング交換などの作業の予定を打ち合わせさせていただきました。
コンディション良く乗っていく為には先を見据えたメンテナンスメニュー作りも大事になってきますね。

2018年04月02日