【E65 735i】冷却水漏れ修理【80,000Km】
3月も本日で終わりですね。2018年も早いものでもう丸3カ月が経ちました。
桜の花を眺めていると、体だけでなく気分も活動的になるものです。
本日のレポートはV型エンジン特有の水漏れ修理になります。
V型エンジンのバンク部分の冷却パイプからの水漏れです。
ここからの冷却水漏れは、目視での点検だけでは発見しづらく、
どちらかというとトラブルが発生してから、修理するという事が多い箇所でもあります。
経年・走行距離を考慮し、事前に予防整備をおすすめしている項目のひとつでもあります。
ボンネットを開けると甘いクーラント液の匂いが漂うエンジンルーム。
エンジン前部からの漏れというのはこの状態でもリフトアップすれば分かりますが、
現時点では、それがVバンク内からの漏れなのか・ウォーターポンプからの漏れなのか分からないので
外すものは外していき、圧力テストをし漏れ箇所を断定していきましょう。
大体、冷却水温度が80度~100度の間を想定し、冷却経路内の同等の圧力をかけて漏れ箇所を特定していきます。
写真だと分かりづらいかもしれませんが、下廻りを確認すると盛大に冷却水が漏れた跡が・・・拡大してみると分かりやすいでしょうか。
漏れていた形跡が白く残っているのが判ります。
ウォーターポンプからの漏れはなかったので、Vバンク内からの漏れと判断。
走行距離も考慮し、ポンプも交換はします。
Vバンクにアクセスする為にインテークマニフォールドを外していく必要がありますので
手早く補機類を外していきます。
インジェクターとフューエルデリバリーパイプを外していきます。
せっかくなのでインジェクターは詰まりなどが無いかも点検しておきます。
インジェクタークリーナーにノズルを浸しておくだけでも、随分と効果があるので
装着までクリーニングをしておきます。
インテークマニフォールドを外すとVバンク内のウォーターラインにようやくアクセス出来ました。取り外したインテークマニホールド。
交換するものを交換していきましょう。
新旧のVバンクのウォーターラインのカバー、リターンパイプ、ヒーターリターンパイプ、冷却ホース。装着面に付いた古いガスケット等をオイルストーン綺麗に整えてから新しいガスケットを使用してカバーを装着。新しいウォーターポンプを装着する前に古いガスケット跡が残った装着面をオイルストーンで綺麗に整えておきます。新旧のウォーターポンプとサーモスタット。
ウォーターポンプからの漏れはありませんでしたが、経年・走行距離を考慮し交換とさせていただきました。
ウォーターポンプ・サーモスタットを装着。新旧のインテークマニホールドのメタルガスケット。
ガスケットは自身が潰れる事で密着性を高めているので一度使用した物は再利用出来ません。新しいガスケットを使用してインテークマニホールドを装着。スロットルボディを外してプロフィールシーリングを交換。新旧のプロフィールシーリング。
インテークマニホールド、スロットルボディを装着して冷却水漏れの作業が完了。ほぼ冷却水は抜けている状態なので、エア抜きをしっかりと行います。
テストランを行い冷却水漏れが無いか、水温に問題が無いかを確認し全ての作業は完了です。
今回のような7シリーズに限らず冷却水漏れはエンジンを冷却する事が出来なくなる事で
大きなトラブルを引き起こしてしまいます。
特に経年や走行距離によるパーツの劣化には注意が必要で、ウォーターポンプ・サーモスタット・ホース類など
一年に一度は冷却水の交換と共にチェックをしておく事で、事前に大きなトラブルを回避出来る可能性が
グンと上がります。これから暖かくなる季節ですから、水廻りなど一度見ておくのも良いのではないでしょうか。
2018年03月31日