87y E30 M3 5MT Restoration File No.1
今回は新たにスタートしているレストアプロジェクトのご紹介です。
今回の車輌は87y E30 M3ボディカラーは現在ラックスシルバー。
当社在庫が売約となり、オーナーの意向でレストアを進めていきます。
以前にも87y E30 M3 ダイヤモンドブラックや90y E30 M3 ダイヤモンドブラックのレストアを行っておりますが
また一歩踏み込んだレストアを実施しようと考えています。
その一番の大きな違いがカラーチェンジ。
マルニでもお馴染みの剥離作業を実施し、ラックスシルバーからアルピンホワイトへ。
各部の状態を確認しつつ、一つ一つの工程を吟味しながら作業を進めようと思っています。
現状の内装は御覧の通り、内外装共にSpoEvoに変更予定なので
ノーマルシートなどは使用せず、当時のレカロスポーツシートに変更します。ステアリング・シフトノブ・サイドブレーキはSpoEvoに変更予定ですが・・・
シフトノブを除いて廃番に・・・虎の子を出しましょうか・・・
リアシートも変更予定。
シートベルトは本物のSpoEvo赤シートベルトに変更予定。
こちらもとうの昔に廃番になってますね。
エンジンルームは御覧の様に当社管理の元、綺麗な状態を維持して全く問題無いレベルなのですが、
今回はレストアとして作業を進めるので各パーツをリフレッシュしながら
オーバーホールを行って隅々まで手を加えていく予定です。ボンネットインシュレーターは普段使いならまだまだ使用可能ですが、毛羽立ちが目立ちますね。
このタイプのインシュレーターも廃番になっていますので、どうしましょうか・・・
塗装されているパーツは剥離作業を行って再塗装を施し、エンジンルームのステッカー類も全て張替えます。エンジン以外に補機類の交換やオーバーホールも行い、ボルト1本1本にもこだわって
工場から出荷された車輛以上のクオリティを目指して頑張ります。現状の下廻り。
30年の経年を考慮すると凹みや深刻な錆も無く状態はかなり良いと思います。トランスミッション周辺。ボディ中央周辺。フューエルタンク周辺。ディファレンシャルギア周辺。スペアタイヤ周辺。
純正のシーリングやチッピングはまだまだ生きていますのでむやみに剥がさない方が良い気もしますので
このあたりは剥離の状況を見ながら決めていきましょう。
右リアタイヤ周辺。左リアタイヤ周辺。
当然、サスペンション、ブレーキシステム等も全てオーバーホールを予定。
フロントサスペンションはシュニッツァーS3で使用されていた倒立一体型のショックを減衰圧も同じで製作します。
マフラーはフジツボスティールに変更予定。
右フロントタイヤ周辺。左フロントタイヤ周辺。早速、エンジンを降ろしてレストアの準備を進めます。
このあたりの作業はサクサクと進めていきます。ワイヤリング・・・
マルニの生産が終了し、約10年の月日が流れ生産の始まったM3ですが、
10年の進化を感じさせるセクションですね。DMEが搭載されマルニに比べると
約3倍の配線量でしょうか・・・
相応に各被覆の消耗が進んでいますので、こちらも配線レストア進めていきますが
ちょっと憂鬱になる量ですね・・・
今回はオーナーの意向でボディカラーをラックスシルバーからアルピンホワイトへ変更予定なので
外せるものは全て取り外し、ブラスト作業に移行します。
現状のエンジンルーム。
若干の錆などありましたが綺麗ですね。フロアの腐りも無さそうです。フロアパン表面に錆が発生していましたが、ブラストで綺麗に取り切れるので問題無し。
リアシート側も特に問題ありません。トランクルーム。
トランクモールやテールライトガスケットの劣化で雨水が入り込んでしまい錆が発生してしまう事があるのですが、
錆も無く綺麗な状態です。サイドポケット部分も綺麗でした。
バックパネルも綺麗なものです。
左側面。
左右側面はどうしても板金作業が多くなる箇所ですね。
こればっかりは剥離を進めていかないと分からないので、剥離後のお楽しみです。
右側面。
エンジンルーム付近から見た下廻り全体。パーツで見えなかった部分には気付き難いダメージを見つける事があるのですが、経年からみても
ダメージは少なく満足のいく状態です。リア部も凹みや問題のありそうな錆の発生も無く、経年を考慮するとかなり良好な状態。ボディから外した駆動系のパーツ一式。
リニューアルする為、一点一点パーツの状態を確認しながらオーナーとレストアのプランニングをしていきます。今回はここまでになります。
レストア前の状態でも程度は良く、
ボディの修復もそれ程大きな作業が無さそうなのでレストアベース車としては最高な一台ではないでしょうか。
デカール・ロールバーは無し。仕上がりのイメージはこれに近い感じ・・・でしょうか。
M3専門店が取り組むE30M3のレストアとして今回も新車を超える様なクオリティのレストアを目標にしているので、
前回以上にこだわりを持って作業を進めて行こうと思っています。
同時進行で数台のレストアプロジェクトを行っている為、続きは不定期更新になりますが・・・
次回はブラスト後のボディ紹介でしょうか・・・未定です。
2017年06月28日