【ポルシェ911】24ヶ月法定点検整備・フューエルホース交換【35,000Km】
今回はポルシェ911が24ヶ月法定点検整備・フューエルホース交換の為入庫です。
当社はBMWを専門に作業を行っていますが、
BMWだけでなく、複数台所有のオーナーも多い事から
整備依頼等でポルシェやフェラーリ、国産車まで作業を行っています。
基本的な作業内容はBMW同様に行っていきますが、今回は燃料系の作業をメインに紹介していきます。作業を行う車輌は1994y 911カレラ、距離は35,000Kmと低走行ですが
燃料廻りのパーツの交換履歴が不明な事など、オーナーも気にされていた事もあり
フューエルホース・フューエルポンプ・フューエルフィルター等の
フューエル廻りを一気に刷新していきます。フューエルポンプ、ホース等を交換する為、アンダーカバーを外します。画像中央の3本のボルトでステー止めされている円筒のパーツがフューエルポンプです。
フューエルポンプ・フューエルホース・リターンホースなどを外していきます。今回交換する全ての燃料系パーツ。ガスケット、ホースバンドなどのショートパーツも新品へ交換。フューエルポンプを外します。
燃料供給システムがモトロニックになった事もあり、キャブやKジェトロと違い基本的にメンテナンスフリーですね。
駄目になる時は、微妙な異音が出て来たりとその症状は様々ですが、前触れもなくストールすることも・・・
ポンプからインジェクションまでのフューエルラインは高圧になる為、ホースの連結部は
バンジョーボルトやボルトナットで止められています。新旧のフューエルポンプ。
簡単に壊れてしまうパーツでは無いのですが、
経年や距離などで内部に汚れや錆が詰まってポンプが可動しなくなる事もあります。
保管状態やフューエルタンク内部の状態などによっても変わりますが、
10~15年で見直しても良い箇所ではないでしょうか。フューエルポンプの上には燃料タンクが有り、下部のストレーナーで錆やゴミ等の不純物を取り除いています。
ストレーナーを外して状態を確認して交換、フューエルホースは全て交換。
ゴム製のホース類は使用しなくても経年劣化していきます。
徐々に柔軟性が失われ、いずれはプラスチックの様に固くなってヒビ割れ等が発生して破損してしまいます。
状態は見た目で判断せずに触ってみて弾力性が無く、固くなってしまっていたら交換した方が良いでしょう。新旧のタンクのフューエルストレーナー。
フロントからリアにかけてのライン内の汚れなどは
エンジンルームに設置されるフューエルストレーナーでキャッチしていきます。
911の燃料タンクは樹脂製なので錆は発生しないのですが、
センディングユニットが錆びてしまう事でタンク内に錆を浮遊させてしまうケースが多いようです。
タンクにフューエルフィルターを装着する前にセンディングユニットの錆の有無など確認し
錆や汚れなどが目立つ場合は、タンク本体も綺麗に洗浄しておく必要があるでしょう。フューエルフィルターを装着。新旧の燃料タンク下のフューエルホース。新旧のリターンホース。サブフューエルタンクを外してホース類を交換。カットして長さを調整。
メーカーによってホースバンドの形状が違ったりと・・・そんなところに目が行ってしまいます。
エンジンルーム内のフューエルホースも全て交換。エンジンルーム内のフューエルライン一式。
エンジンからの熱でエンジンルームは高温になる為、
ホース類の劣化によるトラブルが多く劣化が進むとガソリン漏れ等の
トラブルを発生させるので注意が必要です。
燃料タンクにもフィルターが付いていましたが、
エンジンルーム内に装着されたフィルターはライン内の汚れや異物を取り除いており
交換を怠ると目詰まりを起こし本来の走りを楽しめなくなるばかりか、思わぬトラブルに繋がる事もあります。
頻繁に交換が必要なパーツでは無いのですが、距離・経年を考慮して交換をおすすめしております。
全ての作業を終えたらテストランを行います。
ガソリンも満タンにし、漏れなどが無いかを要チェックです。
24ヶ月定期点検記録、テストラン結果などをお渡して納車となりました。
今回は燃料系の作業をメインに紹介しました。
ゴムを使用したパーツの交換は状況により様々なので
時期は一概に言えないのですが目視や触診など交換時期を見極める事も大事になってきますね。
2017年03月04日