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MAINTENANCE REPORT

【Z3 M Coupe】VANOSオイル漏れ修理etc,,,【75,000Km】

dsc00881_rエンジンオイル漏れ修理の為、Z3 M Coupeが入庫です。
今回は静岡から初めてのご来店です。
漏れ箇所はVANOSユニットから。
オーナー自身把握されていたそうで、早速作業を開始していきましょう。dsc00882_rVANOS以外からも漏れが有る可能性もありますので、カムカバーやクランク、フロントカバーなどから
漏れが無いかを確認していきます。dsc00883_rM3Bから装着されたVANOSユニットですが、どうしても構造上オイル漏れが発生しやすく
E36,E46モデルでは定番と言ってもよいメンテナンスメニューのひとつですね。
dsc00885_r漏れたオイルはACコンプレッサーからっスタビライザーまでべっとりと濡れるほど漏れていますね。
随分と長い間、この状態で走られていたことが想像できます。
dsc00888_rそれではVANOSを外していきましょう。
まずは、カムカバーを外します。dsc00898_r圧力リミットバルブはダメージが多くオイルの滲みがあるので交換が必要な状態。dsc00904_rエンジンからVANOSユニットを外します。dsc00905_rVANOSは分解し、オーバーホールを開始。dsc00922_r外したカムカバーは洗浄をするのですが、
カムカバーの裏の状態を見る事でオイル管理が行き届いていたかどうか判断出来ます。
今回の車輌は汚れも少なく問題無かったのですが、酷い場合はスラッジがベットリと張り付いている事があるので
定期的なオイル交換をする事はエンジン内部をクリーンな状態を維持する為にも大切です。dsc00924_r新旧のカムカバーガスケット、プラグホールガスケット、カムカバーボルトのラバーシール。
これらのパーツは自身が潰れる事でパーツとの密着性を高める為、再利用は出来無いので必ず新しいパーツへ交換。dsc00927_r本体から各パーツを取り外し、Oリング等の消耗品は新品へ交換。
内部のスラッジ等は分解して洗浄します。dsc00929_r分解したパーツはそれぞれ機能的に問題が無いか状態を確認し、問題が見つかればパーツを交換。
使用可能なパーツは綺麗に洗浄して組み立てます。dsc00944_rVANOS本体をエンジンへ装着。
漏れやすい箇所があるので装着には液体ガスケットを併用すべき箇所は併用し取り付けます。dsc00945_rVANOSオイルフィルターを新品へ交換。
dsc00946_r新品のリミットバルブを装着。
同時にOリングも必ず新品へ交換。dsc00947_rカムカバーを装着の際には、新品のガスケットを使用して漏れやすい箇所には液体ガスケットも併用。dsc00951_rカムカバーを装着してVANOSのオイル漏れ修理が完了。dsc00955_rエンジンオイル交換。
フラッシング剤を注入しエンジン内部に堆積したスラッジやカーボンの汚れを落とします。
10～15分程アイドリングをしてから排出。
排出には汚れたオイルを出来るだけ内部に残さない様に時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行います。
古いオイルはフラッシング剤の効果で落とされた汚れと共に真っ黒な状態で排出されます。dsc00957_r新旧のオイルエレメント。
フラッシング剤で落とされた汚れでエレメントも真っ黒な状態。
エレメントは新しいパッキンやワッシャを使用して装着。
古いパッキンやワッシャを使用して装着する事はオイル漏れ等の不具合を誘発するので厳禁です。dsc00962_r古いオイルを排出後にオイルエレメントを装着したら規定量のオイルを注入してオイル交換が完了。dsc00963_r今回チョイスしたオイルはFUCHS TITAN Super Syn 5W-50。
当社ロングセラーエンジンオイルのひとつ。
M3やアルピナに相性の良いオイルのひとつですね。
dsc00906_rウォーターポンプのシャフトにかなりガタが出ていたので外して確認。dsc00908_rウォーターポンプは走行距離や経年で今回のように外観に問題が無くても
内部に問題が出ているケースも多く見られるので、定期的にチェックしましょう。
この作業は入庫時には予定のなかった作業で、当社で点検して判明したケースでした。
dsc00932_r新旧のウォーターポンプ、サーモスタット。
経年劣化による不具合が想定されるパーツはセットで交換。dsc00936_rウォーターポンプの交換の際にクランクのバイブレーションダンパーを外したのでトルクスボルトを新しい物へ交換。
トルクをかけて装着しているボルトは塑性変形してしまうので再使用は出来ません。
dsc00941_r装着にはトルクレンチを使用して既定のトルクで締め付けてウォーターポンプの交換が完了。dsc00949_r冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を圧送して冷却経路内の水垢や錆等の汚れを浮かせ車外へ排出します。
汚れを排出後に新しい冷却水を規定量注入して冷却水の交換が完了。
冷却水は定期的に交換する事でオーバーヒートや冷却経路のトラブル等を回避し安定した状態を保つ事が出来るので
年に1度は交換する事が好ましいです。dsc00959_rオイルで汚れてしまったアンダーカバー等をスチーム洗浄します。dsc00964_rオイル交換をしたのでオイルインスぺクションをリセット。
次回のオイル交換の目安になるのでオイル交換後は必ず忘れずにリセットを行う方が良いでしょう。dsc00965_rリセット完了。
走行3,000Kmでメモリが1つ消えるので1～2つ消えたタイミングでオイル交換をするぐらいがベストです。
dsc00968_r全ての作業が完了したらテストランを行い修理箇所やその他に不具合がないかを確認します。
M Coupeならではの下から溢れ出すトルクとアクセルを軽く踏んだだけでシートへ押し付けられる加速感を取り戻し
本来のドライビングを楽しめる様になりました。残念ながら足廻りは次回の課題でしょうか･･･

2017年04月09日