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MAINTENANCE REPORT

【E30 M3】ABS修理【126,000Km】

DSC08864_R今回はE30 M3のABSの警告ランプの点灯修理をお伝えします。
ABSは本体以外の不具合(配線等)によっても警告ランプが点灯する事がありますので原因を探りつつ作業を進めます。DSC08865_R最初に問題が有りそうな箇所の配線を一通り確認し、フロントのABSセンサー配線の被覆が硬化しボロボロになっており
所々で信号がリークしていたので、引き直しましたが変化無し。
各センサーの状態も特に気になるところは無く、
いよいよユニット本体かと調べましたが、こちらも異常無し・・・
センサー・配線・ユニットどれも異常無しの状態なので、メーター警告灯配線も疑いましたがこちらも異常無し。
ですが、オシロスコープで波形確認すると完全に異常パルスを発生しているのでどこかに異常がある事は確実なので
とにかく調べられるところは全て調べていくと・・・
原因が分かりました。

ハブベアリングが原因でした。
ベアリングの何が悪かったかは後ほど・・・
DSC08867_Rという事で、ハブベアリングを交換していきます。
ブレーキシステムを外すとハブロックナットが見えますので取り外し。DSC08868_Rハブロックナットを外すとハブベアリング本体が取り外せます。
フロントはリアと比べるとまだ外しやすいですね。DSC08870_R取り外したハブベアリング。
これに問題が有りです。
DSC08872_Rオーナーは5年ほど前にショップでベアリングの交換をされたそうです。
DSC08873_R新旧のハブベアリング一式。
比べて見ると違和感があるのがわかりますか?
左側が純正のハブベアリング、右が付いていたハブベアリングなのですが
ABSトーンホイール部分の形状・大きさが違っているのが分かりますね。
どうやら社外品が装着されていたせいでABSセンサーが上手く作動せずに異常な信号を感知して
警告灯の点灯に繋がってしまった様です。DSC08874_R車のパーツは純正品以外にも社外品は多く存在し、価格も純正品よりも安価で手に入れ易いので
修理費を抑える為に社外品へ交換してしまうケースが良く見られますが、
装着時には問題がなくても形状の違いや耐久性が劣る等が原因で故障に繋がってしまいます。
結果的にパーツを安価で手に入れても、すぐにダメになりまた同じ箇所の修理が必要になったり
その他の部分にまで被害が及ぶ事がありますので社外品の使用には注意が必要でしょう。
今回のベアリングのチョイスは前回交換したショップに任されていたとの事です。
DSC08878_Rくし歯の形状が全く違うので、これではABS警告灯が点灯してしまうのも頷けます。
問題解決に向け、組み上げていきましょう。
DSC08879_R純正のハブベアリングを装着して新しいハブロックナットで固定します。DSC08880_Rハブロックナットはトルクレンチを使用して既定のトルクで締め込んでいきます。DSC08881_Rハブロックナットを締め付けたら最後に回り止めのカシメをする事を忘れずに。
古いハブロックナットを再使用する方がいますが、基本的に一度使用したハブロックナットは再使用してはいけません。
DSC08882_R新しいダストキャップを装着します。
DSC08883_R全ての作業を終えたらテストランを行いABSが点灯しない事を確認出来ました。

今回のトラブルシューティングは骨が折れました。まさかハブベアリングの形状が違っているとは思いませんからね・・・

2016年07月22日