【E30 M3】法定24ヶ月点検&納車整備FileNo.1【100,000Km】
6月末に売約となったE30 M3の納車整備。
整備内容にかなりのボリュームがあり一回ではアップしきれないので
FileNo.1・FileNo.2と二回でお届けします。整備前に外観、安全防止面だけでなく公害面でも問題がないかをチェックし
テスターを用いてしっかりと点検していきます。点検の結果、整備が必要になった箇所は
車検後も新しいオーナーに安心してお乗りいただけるよう整備を進めていきます。
この車の新しいオーナーは長崎県という事もあり、整備内容はかなりのボリュームになりました。まずはオルタネーターブッシュの交換。E30 M3では定期交換部品のひとつになりますね。
このブッシュの消耗が進むと、以前コチラのブログで取り上げたように
オイルタネーターが傾きベルトの脱落につながります。オルタネーターを外した時は、アジャストバーもしっかりと点検し
クラックや曲がり、アジャストナットとの噛み合い部分等に問題があれば
同時に交換をおすすめしております。オルタネーターブッシュ新旧。
ブッシュの素材としては、ゴム・ウレタン・テフロンとあります。
ゴム・ウレタンは純正での設定はありますが、テフロンは社外製品になります。
あまり硬くしすぎても、バランスが悪くなりますので今回はゴムブッシュをチョイス。四箇所の打ち替えを行いオルタネーターブッシュ交換は完了です。オルタネーターのブッシュに続き、エアコンブッシュの交換になります。エアコン部分のブッシュもオルタネーターブッシュと同様に劣化が進むと
ベルト脱落の危険性が高まります。エアコンブッシュ新旧。E30 M3はエンジンの特性上、オルタネーター、エアコン部分のブッシュは絶対に劣化します。
定期的にチェックし、少しでも劣化が確認できた場合は早期に交換をしましょう。ウォーターポンププーリーを塗装。パワステポンププーリーは錆が思った以上に酷く
ブラスト後に確認したところ、
ちょうどベルトがかかる溝部分に素穴が多く開いており、
ベルトの寿命が適正に保てない状態だったので新品に交換します。プーリー新旧。
Vプーリーは溝部分に錆が出ることが多いですが、普段ベルトがかかっていると
なかなか溝の状態まで確認できません。
ベルトの消耗が早すぎるといったような場合には、この点にも注目してみても良いかと思います。
Vベルトの交換。Vベルトは、現在使われている平ベルトに比べ耐久性は劣りますので
こまめなチェックが必要になりますね。3本共に張り調整を行いベルト部分はこれで完了です。フューエルポンプの交換。ポンプだけでなく周辺のホースの交換も行います。新旧ポンプ、ホース類
フューエルフィルターの交換。
E30 M3の燃料タンクはスチール製になり、経年も考えると内部に錆が発生している車も多いので
フィルターの交換は車検毎に行っても良いかと思います。フィルターとフィルターにつながるフューエルホースの交換。プレッシャーレギュレーターとインジェクションパイプをつなぐ短いホースですが
この部分はわりと見落としがちです。大丈夫かな・・・と思っていても写真のようにねじれと硬化が進んでいる事も多いのです。
これで完了と言いたいところですが
最後の最後で問題発生・・・
詳しくはのちほど・・・ブロアファンとレジスターの交換。
ファンが動いたり動かなかったり・・・
動いたと思ったらモーターからセミの鳴くような異音も出ており交換。ファンモーターはエンジン側から交換。
何気に横に走っている太いハーネスが邪魔です・・・残念ながらブロアファンモーターを分解してのオーバーホールは非常に困難。
手間を考えてしまうと、新品のデリバリーがあるうちは購入した方がコストはかからないでしょう。ファンレジスターも交換します。
レジスターはコイルが切れていない場合は、
接点の清掃とスイッチングステーの角度を戻すことによって、直せる場合もあります。ブロアファン交換はこれで完了です。エアフィルターケースの外気取入れダクトカバーの交換。ここからエアクリーナーにエアーを送り込みますが、これではフレッシュエアーの吸い込みは期待出来ません。
エンジンルームの熱風を吸い込んでも効率が下がるだけですから、
こういった点もこまかく見ていく必要があるでしょう。エアフロ~インマニまでのダストカバーは目立ちますので気にかけている方は多くいると思いますが
外気取入れ部分にまで目がいっている方はあまりいらっしゃらないようなので
このようにボロボロになっている車をよく見かけます。エアクリーナーの交換。
砂や埃で目詰まりしたエアフィルターからのエアー吸入量は
想像よりはるかに少なくなり、
それに反比例して砂や埃を大量にインマニやシリンダーヘッドに送り込んでいき
様々なトラブルの原因となっていきます。
エアフィルターの劣化速度は走る環境によって大きく変化し
大体この期間で交換してくださいね。と言い切れないパーツのひとつになりますので
オーナー自身がこまめにチェックして交換時期を決めていくのが良いかと思います。
それではFileNo.1はここまで。整備はまだまだ序の口です。
次のFileNo.2はクラッチの交換から足廻りブッシュ交換を含めた
重整備を中心にお届けします。
2014年08月16日