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MAINTENANCE REPORT

【E39 B10V8S】各部メンテナンス【46,000Km】

DSC07345_R各部のメンテナンス作業の為 E39 B10V8S が入庫致しました。
今回は初めて三重から御来店頂きましたオーナーの車輌になります。
それでは基本的な点検をメインに作業を開始致します。DSC07395_R早速カムカバーからのオイル漏れを発見致しました。
原因はカムカバーのガスケットの劣化によるオイル漏れです。DSC07397_R更に確認すると漏れたオイルでプラグが浸かっている状態です。
この様な状態ですと適切な点火は出来ませんのでエンジンの不調に繋がってしまいます。
オイルまみれのプラグも交換が必要になります。DSC07410_R新旧のカムカバーガスケットです。
新しいガスケットは液体ガスケットも併用して取り付けていきます。DSC07408_R新旧のスパークプラグです。
プラグも丁度良い交換時期ではないでしょうか
この状態では十分な点火は期待出来ませんので全て新しいプラグへ交換致します。DSC07424_R今回のオイル交換は通常の交換方法ではなくR2000を使用してエンジン内部のフラッシングを行います。
定期的に施工する事でエンジン内部のカーボンやスラッジを除去してエンジン内部を綺麗に保ちます。
施工前のフィルターと施工後のフィルターを比べるとその効果がお判り頂けると思います。DSC07426_RR2000は通常のフラッシングと違いエレメントケース部分からフラッシング剤を圧送させエンジン内に蓄積された
スラッジやカーボンの汚れを落とし排出させます。
その為、従来の自然排出のフラッシングよりも効果は高く、フィーリングUPが確実に体感頂けます。
特に新車時よりも吹け上がりが悪くなっている様な車輌には相当な効果が期待出来ますし
また定期的に施工する事で更に効果は高まります。DSC07429_R古いエンジンオイルを排出したら規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイルの交換作業は完了です。DSC07362_R次にATFの交換を致します。
ATFは基本的に全量交換になります。
今回の作業では、かなり汚れたATFが排出されました。
ATFの交換もエンジンオイルと同様に必要な作業になるのですが、安易に交換をすれば良いという訳では無く
経年や走行距離等を考慮して交換する事が大切になります。
DSC07367_R出来るだけ古いATFを排出させる為、閉店前に作業を行いそのままの状態で翌日まで排出させます。DSC07368_R取り外したATエレメントです。
画像では綺麗な感じに見えますが実際はかなり汚れておりました。DSC07369_R取り外したオイルパンです。
オイルパンには発生した鉄粉を吸着させる磁石が4つ付いております。DSC07370_R磁石を拡大して見ると吸着された鉄粉がべっとりと付いていました。DSC07372_Rオイルパンは洗浄油で綺麗に洗浄した後に水洗いをして水分を飛ばしておきます。DSC07374_R新旧のATエレメントとガスケットです。
取り外したATエレメントが黒くなっていますがこれは内部で発生したスラッジによるものです。DSC07376_R新しいATエレメントを取り付け、新品のガスケットと洗浄して綺麗にしたオイルパンを装着します。DSC07417_R専用のATFを注入していくのですが、レベルゲージは付いておりません。
更に規定温度でのATFの量が指定されているので油温と油面の調整を同時に行いながら慎重にATFを注入していきます。
当社ではFUCHS ATF4000を長年使用しており高評価をいただいております。DSC07420_RATFの油面調整ではテスターを使用して油温の管理を行いながら作業を進めます。
ATFの油温が上がってしまうと膨張してしまい正確に数値が計測出来なくなってしまいますので
油温を管理しつつ作業を迅速に進める事が重要になります。DSC07349_Rデフオイルを交換致します。DSC07351_Rドレンボルト、ワッシャも新しい物へ交換致します。DSC07355_R古いオイルの排出後に規定量のデフオイルを注入してデフオイルの交換作業は完了になります。DSC07346_Rパワステオイルの交換を致します。
確認すると画像の通りパワステオイルは劣化して黒くなっておりました。DSC07380_R専用の機械を使用してフラッシング剤を圧送させポンプやギアボックス内のスラッジを除去して排出させます。
この作業ではパワステラインにスラッジや古いオイルを残さない事が重要です。
劣化したオイルと新しいオイルが混ざる事で発生するホース類やガスケットへの二次被害を防ぐ為にも大切な作業になります。DSC07382_R新しいパワステオイルを規定量入れてパワステのオイル交換は完了です。
新しいパワステオイルは赤く透明な色になります。
交換前の状態と見比べると汚れ具合がお判り頂けると思います。DSC07347_Rブレーキフルードの交換を致します。
ブレーキフルードは吸湿性が高い為、劣化してくると変色してきます。
更に劣化すると水分を含んでしまう為、錆の発生や沸点が下がる事で沸騰しやすく気泡が出来てしまいそれが原因で
圧力が伝わらなくなりペダルを踏んでもブレーキが効かなくなるベーパーロック現象を引き起こします。
そうならない為にも定期的な点検・交換は必要になります。DSC07352_R専用の機械を使用して古いフルードを圧送させブレーキラインに溜まった錆や水垢等の汚れを排出させます。DSC07359_R排出されるフルードに異常な汚れや劣化は無かったか確認しながら作業を進めます。
ブレーキフルードには防錆剤や酸化防止剤が添加されているのですが、劣化が進むとその効果は低下してしまいますので
タンクだけでなくブレーキラインやマスターシリンダーの状況を把握しておくのも大事な事になります。DSC07379_R新しいブレーキフルードを注入してブレーキフルードの交換は完了です。
交換前の状態と見比べると汚れ具合が一目瞭然ですね。DSC07411_Rブレーキのバキュームライン部分のパーツが破損しており、補修されておりましたが
こういった部分はアイドリングやエンジンの吹け上がりに影響が出る部分なので、出来れば補修などせずに
新品に交換すべき部分でしょう。DSC07412_R

DSC07413_R交換自体はすぐに行える箇所ですね。DSC07389_R新旧のエンジンマウントです。
劣化がみられますのでエンジンマウントを交換致します。
エンジンマウントはエンジンを支えながら振動やねじれを吸収しており、他のパーツよりも高負荷がかかっています。
このパーツが劣化破損してしまうとエンジン始動時や加速時、段差等を乗り越えた時に大きな異音を発生させます。
加速や蛇行、不整路走行等が多い場合、通常の走行よりも劣化は早まるのですがゴム製のパーツですので
走行しなくても経年劣化で硬化していきます。
DSC07390_R新旧のエンジンマウントを見比べると劣化でゴム製の部分の高さが低くなっています。
ゴム部分の劣化で硬化し割れて破損する事もありますので注意が必要です。DSC07393_R新しいエンジンマウントを装着して交換作業は完了です。
スムーズな加速が可能になり快適な走行をお楽しみ頂けると思います。DSC07437_R全ての作業を完了させ最後にテストランを行い修理箇所やその他に不具合が出ていないか確認致します。
年式や車種によっても走行中に感じるフィーリングが違いますのでテストランを行いながら出来るだけ年式・車種に
合わせた調整を行いその車輌のベストな状態を導き出していきます。
テストランを行い特に問題が無ければ納車となります。

今回は基本的な作業の他に劣化による原因の修理も行いました。
定期的なメンテナンスは車輌の不具合を早期に発見するだけでなく事前に回避させる役割を持っています。
ご自分の車輌の経年や走行方法を考慮する事は、より長く快適に走行を楽しむ為にも必要な事ですので
もう一度ご自分の車輌の履歴等を見直してみるのも良いと思います。

2016年06月10日