【FinalFile】74y 2002tii RestorationFile【Weber45DCOE9ツイン】
準備期間にかなりの時間を費やして開始した【2002】のレストアプロジェクト。
M3ALPINA専門店が製作する【2002】が完成致しました。
約40年前の車輌でしたが、オリジナルと新オーナーのリクエストをうまく融合し
完成度の高い一台を再生出来たと自負しております。
想像した以上の仕上がりになっておりますので、レストア前の画像と見比べながら御覧下さいませ。
車輌データ
【74y BMW 2002tii 4MT】
Based on・・・・ BMW 2002tii(E10)2-Door
Cylinder・・・・ 4
Capacity cm³ ・・1990
Max output hp・・130
Gearbox・・・・・4Speed
元のボディカラーはgolfyellowですが前オーナーによって塗り替えられた様です。
今回は新たに74年当時を感じさせる純正カラーのBaikal Metで塗装を致しました。
古さの中にも新車と見間違える様な輝きが美しい仕上がりです。
【外装全般】
★元々の塗膜を総剥離し腐食部分全て板金にて製作の後、
全塗装
(サーフェイサー・・・R-M社
プロフィラーグレイ 塗料・・・R-M社
DIAMONTクリアコート・・・DIAMONTクリアCP)
★カラーは当時の純正色のバイカルメタリック(042)
★13×5J純正AlloyAWを装着
★タイヤ(ミシュランXAS165HR13)に交換
★ヘッドライト・フロントウィンカー・サイドウィンカー・リアテールライト交換
★フロントバンパー・リアバンパー・フロントオーバーライダー交換
★フロントグリル・フロントバンパーモール・サイドモール・リアバンパーモール・フロントウィンドウメッキモール・
ドアメッキモール類等全ての外装装飾品は交換もしくはリクローム処理
エアコンの普及で現在の車では全く見られなくなった三角窓。
当然、新品パーツは有りませんのでオリジナルのパーツですが、新品の様な輝きを取り戻しました。
ほんのわずかしか見えないダイカスト素材を使用した箇所も抜かりなくクローム処理を施しました。
この車が登場した当時の日本では法令でフェンダーミラーの装着が義務付けされていました。
そんな中、この車輌には当時既にドアミラーが装着されており、
オリジナルとして現代でも通用する仕様に驚きです。 旧車では多くみられる後部座席の開閉式の窓。
雨漏りが気になる場所ですが、ゴムパッキン部分も新品へ交換済みです。ドアパネルも歪みが無くしっかりとした景色を映し出します。ホイールは新品の13×5J純正AlloyAWを装着
タイヤは(ミシュランXAS165HR13)の新品に交換マフラーはオーナーの意向でステンエキマニ・社外センター・リアエンドへ換装致しました。
センター出しにするだけで外観は走りを感じさせる印象へ変わりました。 2002のエンブレムはリクロームし取付。
トランクのキーシリンダーも新品へ交換。 トランクの内装も新品へ張替え済み。 トランクの内装の下にはガソリンタンクとスペアタイヤが装着されております。オリジナルのジャッキパーツ。 このガソリンキャップのデザインも時代を感じさせるパーツですね。 約40年前の車輌ですが、純正で熱線式リアウインドウデフォッガーが付いており、
後部座席の曇り対策も大丈夫です。 こちらは何だかお判りになりますか?
フロントウィンドウのウォッシャー液のノズルです。ボンネット裏には防音断熱材を装着新車の様な輝きのオーバーホールされたエンジン部分。
【エンジン部分作業】
★エンジンオーバーホール施工
シ リンダーブロック・・・カムシャフト交換・ブロック上面面研・シリンダーボーリングホーニング・クランクシャフト研磨(メイン・コンロッド)・ピストン交換 (Mahle89.22mmを予定)・ピストンリング交換・ピストンピン交換・ピストン及びコンロッドバランス取り・オイルポンプ交換メタル交換 etc,,,
シリンダーヘッド・・・バルブ交換・バルブシートカット・バルブシートリング入替・ヘッド面研・バルブガイド入替・ロッカーアーム交換・燃焼室容積合わせetc,,,
★エンジン各パーツサンドブラスト加工・ペイント(結晶塗装・粉体塗装塗り分け)・ニッケルメッキ加工・クロームメッキ加工
★ALLエアホース交換・ALLウォーターホース交換・ALLフューエルライン交換・ファンベルト交換etc,,,
★ウェーバー45DCOE9ツインへ交換
★ラジエター交換・ウォーターポンプ交換・タイミングチェーン交換・オルタネーターOH・etc,,,
★プラグコード交換・点火プラグ交換・デスビキャップ交換・デスビローター交換・フューエルポンプ交換etc,,,
★マフラー ステンエキマニ・社外センター・リアエンドへ交換
★エンジン調整etc,,,
★エンジン各ボルト及びナット類全交換
*オレンジ文字は新オーナーの意向によっての変更箇所になります。
キャブレターをウェーバー45DCOE9ツインへ変更致しましたので、センターマフラーとの相乗効果で
見た目にも走りに期待出来るエンジンになりました。ステッカー類は綺麗に貼り直し。 内装はブラックに統一しており、走りをイメージさせた重厚感や高級感を感じさせる仕上がりになりました。
【内装全般作業】
★ダッシュパネル・各パネル脱着及び修理
★配線類修理及び整理
★フロアカーペット脱着洗浄⇒新品に交換(ブラック)
★各パネル類修理補修
★純正シート生地張替・シートスポンジ交換 ⇒コブラシートに変更
★ルーフライニング(ブラック)・全インナーパネル交換
★etc,,,
*オレンジ文字は新オーナーの意向によっての変更箇所になります。 シンプルなデザインのボンネットオープナー。
こういった部分もユニクロメッキ処理を施し再生しております。 この時代の車輌はエアコンというより、ヒーターが一般的でした。
操作パネル部分はオリジナルパーツで再メッキしておりますが、表面の光沢もこだわり
当時の雰囲気を損なわないように、メッキ処理後の表面加工にも気を配りました。メーターパネルは後期モデルでは木目調ですが、全体の雰囲気にあわせてブラックに変更。 油温計・電圧計・時計の計器を追加。
車輌の調子をいち早く察知する為にもこれらのメータは必要不可欠です。ハンドルはオリジナル。
今では見られないデザインですが、何も付いていないシンプルな感じが走りに集中させてくれます。
存在感が有るセンターのBMWのエンブレム。常に使用されるキーシリンダーも新品へ交換し、キートラブルの不安も有りません。メーターの横にはシガーライターとリアデフォッガー。逆側にはライトスイッチ。バイザーは本来ホワイトとブラックの2トーンになりますが、ルーフライニングとあわせてブラック一色で張替。灰皿はオリジナル。その為、若干使用感がありますが、この車輌が使用されてきた証です。
メッキ等は非常に綺麗に仕上げてありますので年式を考えても十分な仕上がりです。 前席部。
計器以外何も付いていない純粋に走りを楽しめるシンプルな内装です。 後部座席。
フロントシートにあわせて、中央部をコーデュロイに変更しました。
外開きの後部座席の窓。
空気を循環する程度しか開きませんが、後部座席の快適さを向上させてくれます。後部座席にもさりげなく肘掛けがございます。リアトレイも新品へ交換。 ダッシュボードは再生しましたが綺麗に仕上がりました。ドアパネルは前期タイプをチョイス。上部の見慣れない丸いダイヤルは三角窓の開閉を操作するパーツです。 完成した下廻り部分。
新車と同等のクォリティを目指し、製作してきましたがいかがでしょうか。 旧車に似合うミシュラン製のXAS165R13。
世界初の非対称トレッドパターンを持つコンパウンドに競技性を用いた公道でも走れるタイヤです。 左右の歪みのないサイドビューも非常に美しい仕上がりです。これで74y 2002tiiのレストアの記事は最後になります。
今回の2002tiiのレストアコンセプトは新車以上のクオリティとオリジナリティにこだわって製作するというもでした。
長かったレストア作業でしたが、オーナーの意向も取り入れつつ、
想像以上に新オーナーにも喜んでもらい、こちらも満足しております。
今回の車輌は既に売約済みとなりますが、他にもレストア中の車輌もございますので、
御興味がございましたらお気軽にお問合せ下さいませ。
新オーナーになる方の意向も取り入れながらのレストアも承ります。
売約済みとなれば優先的に作業繰り上げになりますので納期のご相談も承り ます。
現在、2台の2002をレストア中になりますので、
製作途中の車輛を見てみたいなんて方もお気軽にお問い合わせ下さい。
2015年11月03日