第34回 E30 320i M-TECHNIC
当社に御来店頂いてるお客様の中にはBMWだけでは無く、
ポルシェやフェラーリ、マセラティ等、複数の車を所有しているお客様も少なくありません。
その中でも80年代の車、E30M3や348ts等所有するお客様から大事な預かり物をしました。
89年式 E30 320i M-TECH
Mモデルでもアルピナコンプリートでも無いですが今となっては
非常に希少な車。とりあえずこの車の詳細を説明する前にE30型M-TECHの簡単な説明を。
E30型のM-TECHはディーラー車は2ドアのみの設定。
稀に4ドアを見かけますが並行車。
カラーバリエーションは4色の設定。
320は3色のみ。ロイヤルブルー/ライトブルーの設定は325のみの設定。
ラックスシルバー/セブリンググレイ ドルフィンメタリック/セブリンググレイ ダイヤモンドブラック/セブリンググレイ
325は新車デリバリーも少なく、今となっては私達でさえ中々お目にかかることはありません
他に外装のモール類は全てブラックアウトされており、ラグジュアリー感よりスポーティーさを強調。
足回りも専用スポーツショックで固め、セミバケットスポーツシートを装備し
エンジンはノーマルながらも外装、内装、足回りをM社の技術を用いカスタマイズドされた車輌。
ちなみに325にはLSDが標準にて装備されていました。
新車価格は年式により価格の変動がありましたが320で¥4,000,000弱。325で¥5,000,000前後。
紙幣価値は変わっても、車輌本体価格はあまり変わっていないようです。
今回入庫した320は1オーナーで走行32,000km
常に複数台所有しているお客様なのでびっくりするぐらい距離が出ていません。
かといって走らなさすぎによるエンジンのダルさは全く無い状態で良好なコンディションを維持しています。
必ず年2回は当社に車輌を持ってきていただき車輌のコンディションをしっかり整えて下さったおかげでしょう。
アクセルをクッと踏み込むとクォーンと小気味の良いエンジン音を唸らせグイグイと前に進んで行こうとします。
ATの変速ショックも非常に小さく、この年代の車輌にありがちなドカンとつながる様な変な癖は付いていません。
ステアリングも重すぎず軽すぎず正確に路面の状況をドライバーに伝えてくれます。
天気が良かったので窓を開けてテストランを兼ねてしばらくドライブモードに。
2車線道路の右側を走ってもスイスイとストレス無く進んで行きます。
高速時のレーンチェンジもステアリングの動きにスパッとボディが反応し、
操作にタイムラグが無く車輌が反応してくれるダイレクト感が操る楽しさを再認識させられ
高速でも疲れ知らずでどこまでも走っていけそうな感覚にとらわれました。
外装はもちろんフルオリジナルの状態。
経年劣化や飛び石による小傷は多少ありますがきっちりとポリマー加工された
ボディの輝きは、17年という月日を重ねてきたとは思えないほど塗面の状態は良好。
M-TECHのシンボルでもあるセブリンググレイのエアロパーツも良好な状態で色褪せや色飛びは皆無の状態。
ちなみにこのサイドパネルは既にパーツ供給が終わっており、
ぶつけて欠損してしまった場合などは私達も頭を悩ませてしまう箇所。
エンジンは6気筒1999ccのM20型エンジン。
129馬力でスペック的に非力ではありますが街中から高速まで良く回るレスポンスの良いエンジン。
オイル漏れや水漏れ等起こし各部に不具合が発生している車輌が多く見受けられますが
こちらの車輌はエンジンフードを開ければ良く手が入っているのが一目で分かる良質な車輌。
コーナーマーカーの樹脂部分も白茶けておらず、車全体のプラスチックパーツも良好な状態。
リアガラスの無鉛ステッカーが年月の経過を思わせる。
M-TECHロゴの入ったシート。フロントは専用セミバケットシート。
ドライバーズサイドも変な座り癖は付いておらず、腿と腋の部分のカッチリとしたホールド感が
この車輌のしっかり感を再認識させてくれる。パッセンジャーシートも同様に非常に綺麗。
リアシートにもM-TECHロゴが入りヘッドレストは付いていない。
座面はまだスプリングが固くしっかりとした状態を保っている。
左からフューエル計、スピードメーター、タコメーター、水温計と並んだメーター部。
ちゃんとサイドミラーも電動にて稼動、電動格納は出来ないがミラーはウィンウィンといいながらしっかり動く。
ヘッドライト等の灯火類や冷却水、ウィンドウウォッシャー等をチェックするチェックコントロール装置。
異常があった場合には、パネル内表示灯が赤く光り、メーターパネル中央のチェックランプがオレンジに点灯する。
今のBMWにも受け継がれている機能です。各部チェックした所全て正常に動く。
マッピングライトの付いたバックミラー、今でこそ常識的な装備だが当時としては画期的だったのでは?
左はライトスイッチ、一段階手前に引くとスモール点灯、もう一段ひくとライトオン。
右のボタンはそれぞれ、フロントフォグランプ、リアフォグランプ。
真ん中はカセットデッキ、エアコンの操作パネル、時計が配置されている、
325やM3にはここがデジタル外気温計やオンボードコンピュータが装着される。
M-TECHで標準装備でもあるシフトレザーの質感も多少の使用感はあるが良い感じ。
E30の中でも後期型になるとATが電子式油圧制御になるためシフトの横にセレクターレバーが付く。
ドアの内張りも剥がれ、汚れ等無く、非常に綺麗。エントランスモールにはM Technicのロゴが入る。
エントランスモールに傷も無く、大事にされてきたのが良く分かる。
トランク容量は約400?カーペットの下にスペアタイヤが設置されている。
車載工具もしっかりと残っている、緊急用のジャッキと牽引フックもトランク左側に。
文頭にも書きましたが、委託車輌にて当社に入庫した車輌です。
オーナー様からは大事にしてくれる人を探して欲しいとの事でお預かりいたしました。
オーナー様の意向もあり今回は車輌のプライスはASKで表示致します。
ご連絡頂ければプライスはご連絡致しますし、お近くであれば御来店頂いて直接見て頂きたい車輌でもあります。
私達から見ても非常に綺麗なコンディションが良好な車輌ですのでご興味ある方はご連絡下さい。
2007年07月22日