第48回 メルセデスベンツ 190E
車検で190Eが入庫致しました。現行モデルも秀麗なデザインですが
メルセデスといえばこの形を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
お預かり時オーナー様より運転中異常があるかどうか伺いオーナー様自身が把握している
異常箇所、気付いていない箇所は私達がチェックしオーナー様にお伝えし、
緊急性の高い順に優先順位を付け内容をお伝えし作業に入ります。
まずオーナー様からのご指摘でベルトが始動時鳴ってしまうとの事だったのでチェックした所
ベルトに細いヒビ多数で滑ってしまっている状態。 ベルトのみの交換で大丈夫かとも思いましたが
ベルトタイトナーショックをチェックすると伸びきってしまっています。合わせてベルトタイトナーも
真ん中のブッシュ部がばっくり切れてしまっている状態。これではベルトが前後に振られ安定しません。
*ベルトタイトナーとはベルトテンショナーの事、メルセデスベンツでのパーツ呼び名です。
取り付けボルト、ステー等も金属疲労を起こしているケースが多く交換した後折れてしまっては
オーナー様にとって二度手間作業になってしまいますし、高価なパーツではないですから同時に交換しましょう。
ファンベルトもヒビ割れに加え、張力が無くなっておりだらしなく伸びきっている状態でした。
アッパーホース、ロアーホース、ヒーターコックより冷却水漏れがありましたので
こちらも修理です。 常に漏れ続けている箇所と水圧がかかった時に漏れ出してくる箇所があるようです。
ごくわずかな漏れに見え、これくらいなら大丈夫だろうと
油断しがちですがこういった箇所を放置することによって
気がついたらエンジンからタペット音が出るようになった。オーバーヒートしてしまった。
というような重度の故障が発生してしまう可能性が大きい箇所ですから早期発見した場合は
その時点でしっかりと修理するスタンスで乗っていけば大きく故障することはないでしょう。
どんな高級車やスポーツカーでもゴムが使用されているパートは
自動車の機能上で重要な役割を果たしている箇所が多いですから
古い車や距離が出ている車輌であればあるほど神経質になりすぎて悪くことはないでしょう。
古いホースの内側は長年の水垢汚れや苔のような汚れがビッシリ張り付いていました。
冷却水も汚れが目立ちましたのであまり冷却水の交換が行われていなかったようです。
念入りにフラッシング剤を投入しエンジンブロック内、ラジエター内の冷却水を攪拌し汚れをこそぎ取ります。
ラジエターのドレンプラグを抜き冷却水を交換しただけでは全く意味がありません。
フラッシング後、新しい冷却水を圧送で送り込み作業は終了です。最後にトリートメント剤を入れ
防錆、汚れの再付着を防ぎエア混入が無いことをテストランをし確認をした上で作業は終了です。
パワステホース部よりのオイル漏れ修理。やはりこちらもゴムの劣化によるもの
同時にオイルタンク内のエレメントも交換しました。
パワステホースもヒビが酷くここまで使用してあげればホースも本望なのではないでしょうか。
全てのパーツを交換し、ステアリングギアボックス内に残っている古いオイルを抜きオイルラインの
スラッジを除去します。こちらも冷却水と同様にフラッシング剤を注入し、ステアリングを右に左に切り返し
攪拌させ汚れを排出させます。トリートメント剤と新しいオイルを入れエア抜きをし、作業は終了です。
シフトリンゲージブッシュが破損していたのでこちらも交換です。
長年ご苦労様でしたと言いたくなる位使用感が漂っていますね。
今回の車検整備で次の車検まで安全に乗る事のできる整備は終わりましたが
快適に乗っていく為にはまだまだメンテナンスが必要な車輌でした。
納車時オーナー様に優先順位と部位毎に分けたメンテナンスメニューをお伝えし納車となりました。
こうしてみるとBMWもベンツも消耗する箇所は大きく変わりませんね。
イタリア車も消耗するスピードはドイツ車に比べ早いですが消耗箇所は変わらないです。
どこの国の車もポイントを押さえ的確な知識と技術を持って整備すれば
整備しただけのレスポンスとフィーリングがよみがえります。
オートファインではBMWだけではなくメルセデスやポルシェ等様々な国の車を乗ってらっしゃるお客様も
多数いらっしゃいますので各種消耗品も取り揃えております。
エンジンオイル一つとってもBMW、メルセデス、ポルシェetc,,,各メーカーに最適なオイルをチョイスしご紹介できますので
お気軽にお問い合わせ下さい。
2007年08月05日