第65回 M Coupe
今回の主役はMクーペ。
エンジンはM3Cでお馴染みのS54ベース、325馬力直6DOHCに5MTを組み合わせ。
同じS54ながらもM3とは性質の異なる乗り味を楽しめる1台になります。
ロングノーズにショートデッキのスタイルに惚れ惚れとするモデルです。
リアからの眺めも、リアフェンダーのラインが大きく張り出しており
そのスタイリングの良さに購入を決意された方も多いはず。
今回、入庫した車輌はオーナーが5年程前に購入した車輌。
今までこれというメンテナンスを施工する事無く乗ってきた上、最近モタツキ感を感じるとの事でしたので
全体的なリフレッシュの為に、入庫となりました。
お預かりしテストランと細かく点検をさせていただき、優先順位を付けメニューをご相談させていただき作業実施となりました。
ABSの警告灯が付いたり消えたりとしていたので調べた所、4輪全てに付いているセンサーの内
1箇所がエラーコードとして異常の出ている状態。
パーツを手配し交換。
このセンサーはパルスセンサーになっており、タイヤがロック気味になると
ブレーキ圧を弱くしてポンピングブレーキのようにブレーキを作動させロックを防止すると言うもの。
古いタイプは先端のセンサー部が剥き出しの状態でゴミの付着がしやすく、エラーが出やすい。
新しいパーツはプラスチックのカバーに覆われ対策されておりました。
ABSの警告灯が付いてもこのセンサーが不良になっていることが多いです。
年式が古くなるとABSのハイドロユニット自体が駄目なケースも少なくはないのですが・・・・
まずはフューエルラインの洗浄。
フューエルポンプが動作しないようにし、エンジンを掛けながら特殊な洗浄剤を
フューエルライン~インジェクターに行き渡らせ汚れを除去。
インジェクターのガソリン噴出の量や均等性等を出来るだけ新車時に戻してあげる作業です。
次に燃焼室バルブ廻りのカーボンスラッジの除去。
どのくらいのカーボンスラッジが溜まっているか見極め、
洗浄剤をいかに内部に行き渡らせ、どのぐらいの時間洗浄剤を浸透させるかによって
カーボンスラッジの落ち方は変わってきます。
これは施工する車輌のコンディションにより異なります。
フューエルフィルターももちろん交換。
しつこいようですが、燃圧が高めの車輌は1年に一度くらいはチェックと交換をおすすめしています。
プラグも交換。
古いプラグもここまで使用してあげれば十分でしょう。
10,000Kmに一回くらいはプラグの焼け具合を確認してあげましょう。
エンジンオイルラインのフラッシング。
こちらもエンジン内のカーボンスラッジ等の除去に大きく役立ちます。
機関に故障としての異常がある場合は別ですが、
アクセルをクッと踏んだ時にモッサリとした回転の上がり方が気になる方はおすすめします。
ミッションオイル、デフオイル、冷却水の交換。
ミッションオイルと冷却水は1年程前に交換されたようですが汚れが目立ちます。
冷却水は水垢汚れが目立ち浮遊物がユラユラと・・・・・
デフオイルも一般の方は見逃しがちですが、非常に重要なオイル。
デフの役割は何種類かあるのですが、ギアがいくつも組み合わさって
プロペラシャフトの駆動力を直角に変換する複雑な機構を持つ部分ですので
非常に金属スラッジも出やすい部分ですからこまめなチェックが必要です。
Mやアルピナに関わらず、レスポンスやフィーリングの向上を望むのであれば
アフターパーツを付ける前に一度、車全体のコンディションを見直しされた方が
コンディションアップをするケースが多い場合もあります。
長く、良い状態で所有していく為には、数ヶ月に一度くらいはエンジンルーム内から下廻りまでの
トータルチェックをおすすめ致します。
2007年08月22日