第68回 E30 325 Touring Restoring
掲示板とレポートでお伝えした325ツーリングのレストアがスタートしたのでお伝えします。
まず分解しながらメンテナンス項目を決めていきます。
エンジンルーム内は一見綺麗そうですが、カムカバーからのオイル漏れも確認できますね。サーモスタットケースのホースジョイント部に若干ですが水漏れの跡があります。
エンジンルーム内のウォーターホースは全て交換する事に。
カムカバー周辺はベッタリと漏れたオイルがこびり付いている状態。デストリビューター下部からのオイル漏れも。
カムカバーから落ちてきたオイルでは無さそうです。
下廻りもチェック。
オイルパンからのオイル漏れも確認出来ます。
ステアリングギアボックスは新品に交換済み。
エアコンもR134aタイプにレトロフィット済み。
325ツーリングのフロントロアアームがM3スポエボと同様にアルミ製ってご存知でした?
ミッション部はパッと見はオイル漏れは無さそうです。
オイルパンからなのか、上からの漏れが伝わって来ているのか判断が難しいです。
ショックアブソーバーもオイル漏れを起こしています。
こうなってしまってはショック自体の性能は全く期待出来ません。
エンジンマウントも横に膨らんできてしまっているのが分かりますね。
ロアコンブッシュ、スタビブッシュも交換して40,000km程経過しているので交換時期に差し掛かっています。
良く見ると、ミッションマウントステーは漏れたオイルと埃でべたついている状態。
ユニバーサルジョイント部分からオイル漏れも確認出来ます。
ミッションマウントは随分と消耗が進んでいますね。
またオイルによって消耗が助長されているので交換。
オイル漏れはシャフトシール周辺より確認出来ました。
取り外したミッションステーとミッションマウント。
後日、新品との比較写真はUPしますが、ここまで使用してあげればパーツも本望でしょう。
リアショックもオイルが抜け、ショックとしての機能は全く果たしていない様子です。
デファレンシャル周辺からのオイル漏れは無し。
デフマウントは一度も交換はされていません。
各ブレーキホースの状態。
ヒビ割れ等の不具合は見られませんがコンセプトは10年100,000kmを安全に走れる。
経年と走行距離を考え交換することに。
プロペラシャフトベアリングも異音は出てはいないがゴムの部分に細かな亀裂が入っている状態。
これからの100,000kmに絶えられるかと言うと、それは無理な話し。
ここ最近,1ヶ月の間に2,3台のペースでエンジン脱着が必要な作業が入ります。
あっという間にエンジンが下ろされていました。
リフトも増設したおかげで随分と作業効率もUPしてきていますね。
各パーツを洗浄しながら現状のコンディションもチェック。ラジエター、オイルクーラーは破損も無くまだまだ使用出来るので綺麗にフィンを清掃しておきます。
ミッションケースも洗浄。
滅多に脱着するパーツではないですからこういった時に綺麗にし
オイル漏れ等の症状が出た時に原因究明が困難にならないようにしておきます。
もちろん今回の作業でオイル漏れ等は全て修理し、漏れは止めますが、
それが永久的に続く事ではないので一歩先の事を考えて作業を進めていくのも私達の仕事であるわけです。
補器類の清掃が終わったところで、エンジンの清掃とチェック。
パッと見は綺麗ですが、細かく見ていくと、どうなっているのでしょうか。
排気ポートはカーボンスラッジがビッシリと付着。
シリンダーブロックの冷却水パイプは長年の水垢が付着し、写真のような状態に。
細かいゴムホースもヒビ割れが進行していました。
この時代のスタンダードモデルはM3のチェーン駆動ではなくベルト駆動。
タイミングベルトとウォーターポンプは交換になります。
50,000kmに一度は必ず交換をおすすめしております。
シリンダー内の状態は綺麗に鏡面になっており非常に良好。
前オーナーのメンテナンスの賜物でしょうか。
ピストンヘッドのカーボンスラッジもそこまで酷い状態では無さそう。
シリンダーブロック内の冷却水路も錆は少なく良好な状態。
シリンダーヘッドガスケット。こちらはもちろん交換。
ピストンヘッドを軽く磨いた所、随分と綺麗になってるのが確認出来ます。
ボディ色がダイヤモンドブラックなので写真だと分かりづらいですが
エンジンルーム内も随分汚れていますので洗浄。
ボンネットフード裏のサウンドインシュレーターもボロボロの為交換。
外装の外せるものは全て外し、室内もクリーニング。
ルーフライニングも交換。この手のパーツも常に3セット程在庫してあるのでお待たせする事もありません。
こういった細かいパーツは一度、分解し綺麗にします。
手間のかかる作業ですが、こういった一手間が車の仕上がりの良さに反映すると思えば苦じゃなくなるものです。
上のパーツはサーモスタットケース。
長年の汚れと錆が目立ちますね。この中に先程のパーツを入れ、作業開始。
汚れも錆も全て綺麗に落ちました。サンドブラスター非常に便利です。
これからシリンダーヘッドやブロックも施工する予定です。
ブロックは施工後、ペイントしようと思ってます。
こうして分解し、ある程度どこまで手を入れてあげるか決まりましたのでお伝えしておきましょう。
★エンジン部★
ヘッドオーバーホール(腰下は全く問題が無いので今回は触りません。)
タイミングベルト、ウォーターポンプ交換
エンジンルーム内全てのウォーターホース交換
各ベルト類交換
フューエルレギュレーター交換
デスビキャップ、ローター、プラグコード交換(インジェクター、イグニッションコイルの機能は正常値なので交換無し)
★オイル漏れ各所修理★
★駆動系、足廻り部★
エンジン、ミッション、ユニバーサルジョイント交換。
フルブッシュ交換(リアメンバー、デフマウント含)
ショックアブソーバー交換
★ブレーキ部★
4輪ブレーキホース交換
4輪キャリパーオーバーホール
★フューエルタンク部★
フューエルタンク廻りフューエルホース交換
★外装部★
エクボ傷等若干目立つ箇所板金もしくはデントリペア
外装ポリマーコーティング
★内装部★
内装クリーニング
ルーフライニング交換
作業を進めていく上で、追加作業も出るかと思いますので、その都度お伝え致します。
完成の目処は6月末を予定しておりますが売約車や修理入庫車輌の状況により変わってきてしまう場合もありますが
エンジンが下りてしまっているので常にピットに車輌はありますので
ご興味ある方はご来店いただければお見せ出来ますよ。
車輌の販売価格は現時点では決定しておりませんが
E30 325ツーリングの購入をお考えの方は遊びがてらご来店されてみては?
追加作業のリクエストやこんな風に仕上げて欲しい。なんていうリクエストももちろん受け付けます。
プロショップが製作する325ツーリングを楽しみにお待ち下さい。作業報告は近日中にお知らせできると思います。
それでは続きをお楽しみに。
2007年08月25日