【法定24ヶ月点検】E30 M3【車検整備】
二年前に当社で販売したM3の車検整備。
二年の間、大きな修理は無く定期的に入庫はしていましたが
車検を迎えるに当たって各部をチェックしてみると、やはりそれなりに整備箇所はありました。まずはミッションオイル。
前回の交換は二年前の納車整備時。
週に一度のドライブを楽しむ程度の乗り方のようですが、ドレンから落ちるオイルを確認すると
スラッジで汚れているのが良く分かります。ドレンボルトのマグネットにも金属片がビッシリ付着しています。古いオイルとスラッジを出来るだけ除去した後に新しいミッションオイルを注入。
FUCHS 5SPEEDをチョイス。デフオイルもミッションオイル同様に二年ぶりの交換。
毎日乗るような場合は、汚れるスピードは格段に増しますので
コマメなチェックをし、最適な交換時期を把握するようにしましょう。アイドリングがイマイチ安定しない為、点火系のパーツ交換。
プラグは定期消耗パーツですね。
E30M3に関しては交換頻度は早いほうでしょう。点火コイルの交換。
イグニッションコイルの点検方法は、抵抗値の測定と実際に火花を飛ばし点検をします。
E30M3は今のモデルのようにテスターで分かる範囲が狭く、
電源テスターやオシロスコープ等の昔からある測定器具が活躍する事が多く
良否判定はメーカーのデータというよりもメカニックの経験値に依存する事が多いですね。プラグコードもこのように一本一本点検していきます。ディストリビューターキャップとローターは交換。電極焼けとカーボン堆積が目立ちます。
清掃という手段をとる場合もありますが、基本は必ずローターとセットで交換になります。パッと見問題の無さそうなフューエルラインですが。近くで見ると、細かいヒビがあります。
これくらいのヒビであれば見逃してしまう方もいると思いますが…実際に外して見ると断面はこの通りです。
外面だけでは分かりにくい良い例ですね。フューエルフィルターもアルミケースで覆われているものがほとんどなので
定期的に交換しましょう。
思った以上にタンク内は汚れているものです。ベルト部分の交換。
E30まではベルトも細く、交換頻度は多めになりますね。表側は問題無さそうに見えますが、裏側はこの通りヒビ割れが進行しています。
切れやすいベルトなので、このようにヒビが入っているのを見つけたら必ず交換です。メイン、パワステ、エアコン3本全て交換。
どれか一本だけ異常に消耗する場合はプーリーやパワステポンプ、エアコンコンプレッサーに
問題がある場合がありますので、
ベルトを外した時にはそういった箇所に問題が無いかも点検したほうが良いでしょう。パワステオイルの漏れ。
モデル問わずBMWでは泣き所ですね。カシメ部分からの漏れなのでホース交換。ホース交換後に圧送で古いオイルとスラッジを除去した後に新油を注入します。
エア抜きを忘れないように。
しばらく走らせた後にチェックすると量は必ず減っているので注意。点火系がリフレッシュされたのでエンジン調整。
4連スロットルのエア流入量をベストな位置で一定にし、エアフロ調整も行います。
この作業も定期的にすることによって走りが見違えますね。作業後はスチーム洗浄。
古いオイル汚れ等を落とし、次の定期点検に備えます。
これを怠るとオイル漏れをしているのか、オイル漏れ跡なのか全く分からなくなりますので必ず実施。テストランも念入りに。
テストランをすることにより作業箇所の確認だけでは無く、半年後~一年後に必要になってくるであろう
整備箇所もピックアップしていきます。壊れるのを待つのではなく壊れる前に手を打ち、
常に良い状態をキープするという事が大事になってくる年式の車です。最後に定期点検記録簿に作業詳細を記入しオーナーにお渡し致します。
2013年02月11日