【E30 325i】水漏れ・錆・汚れによるオーバーヒート【水廻り整備】
初めての入庫となるE30 325iになります。
ディーラー車にはないMTを搭載しているモデルは珍しいですね。
オーナーは前期アイアンバンパー・5速マニュアル・325i
という条件で探されていたようですが、残念ながらコンディションは
お世辞にも良いとは言えない状態。
一回目のメンテナンスとしてオーバーヒート気味の水廻りの整備を行う事になりました。 リザーバータンクの色を見ただけで、冷却経路に問題があるのがありありと分かります。
錆水が噴き出しているのも確認できますね。 ウォーターポンプから流れ落ちた冷却水が錆びているのか、流れ落ちている部分が錆びているのか
状況判断が難しいところですが、おそらくそのどちらも当てはまるのでしょう。
今回の水廻り整備の内容は、ラジエター・ウォーターポンプ・タイミングベルト・
タイミングベルトテンショナー・ヒーターバルブ・ウォーターホースの交換を実施します。
タイミングベルトはいつ交換されたかが不明なので一度リセットを行う必要もあり
交換とさせていただきました。 まずはウォーターポンプを取り外し。著しく錆の発生が目立つウォータージャケット内。
水漏れを放置してしまった事により、そこから冷却経路内に空気が入る事で
エンジン停止中に空気だまりを作ってしまい、錆を誘引させてしまうケースになります。 ウォーターポンプ取り付け面をオイルストーンで整えていきます。
ウォータジャケット内の錆の発生も心配だったので内視鏡で確認したところ、
綺麗に洗浄し、防錆処理を施せばギリギリ問題無いか…という状況でしたが
流速の落ちる部分等は錆の付着も多かったので、冷却経路の洗浄を多くする必要がありそうです。取り付け面の歪みが無いかを測定し問題無かったので
しっかりとスタッドボルトを締め付けてポンプを固定すれば大丈夫でしょう。 ウォーターポンプ・タイミングベルト・タイミングベルトテンショナー新旧。ウォーターポンプ取り付け。 ベルトテンショナーを交換。新しいタイミングベルトを装着。サーモスタットも酷い状態です。 サーモスタットハウジング内も錆の混じった泥のような状態です。
綺麗に洗浄し、取り付けします。サーモスタット新旧。サーモスタットを取り付け。 ウォーターホースも何箇所か交換します。 ウォーターホース内部もこの状態です… ラジエターを交換。ラジエターを設置し…リザーバータンク・ラジエターキャップを新品に交換します。 ヒーターバルブからも冷却水漏れが見られたので交換。 ヒーターバルブ新旧。
クーラントレベルセンサー交換。 レベルセンサーにつながるコネクターを新しくしていきます。
オーバーヒート時に噴き出した錆水が至る所に飛んでいたのでスチームで洗浄。
ここから錆水を取り除く為、冷却水の入れ替えを何度も行います。 数回の入れ替えではすぐにこの状態になってしまうので
洗浄する事数十回… 完全に赤茶色の錆水が出なくなったところで冷却水を入れていきます。
クーラント濃度を50%近くにし、防錆剤もしっかりと添加しておきます。 交換前は走り出して10分もしないうちにオーバーヒートしてしまう状態でしたが
適正な水温で走行が可能となりました。
とはいっても、その他にも手を入れるべき箇所は
オーナーにもお伝えしましたが何点もある車だったので
今後もメンテナンスをしながら乗ってあげて下さい。
またのご来店お待ちしております。
2014年12月26日