【E30 ALPINA】吹け上がり改善メンテナンス【B3 2.7】
E30 B3 2.7 Limousineのメンテナンス入庫。
最近、アクセルを踏み込んでも加速が悪くなった・・・という事で改善の為のメンテナンスを実施。
こういったフィーリング低下の変化は、レスポンスの良い車であればあるほど
気のせいでは無く、オーナーの感覚が正しい事が多いので
しっかりと検査し、早期にメンテナンスする事により改善する事も多いので
放置せずに主治医にしっかりと見てもらう事が大事になってきますね。
検査の結果、機関やセンサーに異常箇所は見当たらず
各オイルの劣化状態や燃焼室内のカーボンスラッジの堆積、燃圧の若干の低下等が
確認出来た為、レスポンスアップを主体としたメンテナンスを実施しました。 まずはエンジンオイルを排出。 R2000をセットしエンジンオイルラインのスラッジの除去。
汚れ具合に合わせ、2~3サイクルと洗浄回数を変えて
専用のフラッシング剤で洗浄を進めます。R2000のフィルター新旧比較になります。
スラッジは重いのでフィルター下部に多く付着しているのが分かります。
エンジン内部の汚れの全てが完全に除去できるわけではありませんが
定期的に施工する事により、レスポンスアップがかなり体感出来る施工メニューになります。 もちろんオイルエレメントは交換。オートファインではオイルエレメント交換の有無に関わらず
オイル交換工賃は無料で行っております。
オイルエレメントは安価なパーツではありますが、
エンジン内部の汚れを留めておくという重要なパーツでもありますので
オイル交換2回に1回とかいった交換ではなく、毎回交換が望ましいでしょう。今回チョイスしたオイルはFUCHS TITAN 5W-50
今年のような猛暑でも熱ダレしにくく、非常にレスポンスの良いオイルです。
M3アルピナにお乗りの方には長年好評なオイルですね。 ATFの交換。
エンジンが元気良く駆動してくれても、その力を後輪に伝えるATのフィーリングが悪ければ
全く意味の無い事になってしまいます。
シフトアップダウンのカッチリとしたフィーリングと的確な力の伝達をキープするためには
ATFの交換も当然大事になってくるという訳です。
もちろん交換は全量交換方式になります。 この状態で一晩ATFを排出し続けます。 その間にオイルパンを洗浄。 スラッジは必ず出るものですが、ギア欠け等による異常が無いかどうかを
点検します。このようにオイルパン底部に取り付けられたスラッジ集積用のマグネットに
付着したスラッジを良く点検しAT内部に問題がないかどうかを確認する事も大事になってきます。 ATエレメントの交換。
細かいOリングやワッシャ等のショートパーツも古いものは使用せずに必ず新品を用意します。 もちろんオイルパンガスケットも交換。
使用ATFはFUCHS ATF4000。
元々粘度の低いATFですが、高温時でも粘度変化が非常に少なく
カッチリとしたシフトチェンジのフィーリングが体感出来る、非常に優秀なATFになります。 フューエルラインからインジェクター間の洗浄を目的としたインジェクションパージを実施。
専用のフラッシング剤を燃料としてアイドリング状態で洗浄をします。
かなりのフィーリングアップが見込まれる人気のあるメニューになります。 インジェクションパージを施工する場合はフューエルフィルターの同時交換もおすすめしております。 何度か交換された形跡はありますが、この通りの汚れ具合。
どのモデルでもアルミケースに覆われたフィルターになっていますので
汚れ具合を確認できないこともあって、長期間交換されないままになってしまっている
車も多いのですが、少なくとも二年に一度は交換してあげたいフィルターですね 装着は向きが必ず決まっているので間違わずに。 インジェクションパージとセットで施工する事の多いVICになります。
こちらは燃焼室内のカーボンスラッジの除去を主目的とした作業になります。
エンジンの負圧を利用して、ゆっくりと洗浄剤をエンジン内部に注入し
汚れに洗浄剤を浸透させ排気と共に車外に排出します。
汚れが多いほどマフラーからの排気は真っ白に。 VIC施工時には点火プラグも交換するのをおすすめしております。 電極等を確認すると丁度良い交換時期でしょうか。 全ての作業が終了し、テストランを実施。
加速感やエンジンの伸び、アクセルを踏み込んだ時に後輪へしっかりと伝達される力の
メリハリさがはっきりと改善された事が良く分かります。
今回のオーナーのように、最近レスポンスが悪くなったような・・・という方はそのまま放置せず
しっかりと検査をした上で、適切な処置をされてはいかがでしょうか。
2013年08月18日