【E46 ALPINA B3S】フルブッシュ交換【53,000Km】
ALPINA B3Sのフルブッシュ交換。
走行距離は53,000Km。
E46モデルの生産は1998y~2007yまで
一番古いものでは15年、新しいものでも6年経過しているので
E46モデルのブッシュ交換は珍しいものではなく、今お乗りの方で一度もブッシュ交換をされていない方は
交換する事によって見違えるような乗り心地を体感できるでしょう。 今回交換するパーツ。
ショックアブソーバー
フロント・リアアッパーマウント
フロント・リアスタビブッシュ
リアスタビブッシュ(フロントに関しては交換して間もない為未交換)
フロントロアアームコントロールブッシュ
リアトレーリングアームブッシュ2箇所
リアロアコントロールアームブッシュ
リアアッパーコントロールアームブッシュ
以上になります。 ボルトやナットも交換が必要な箇所はすべて新品に交換します。
アルミ製のナットやボルトは基本的に一度外した場合は、必ず交換がセオリーになります。 フロントセクションから交換開始。
フロントロアアームのボールジョイント等、ショックアブソーバーを外さないと消耗の度合いが
確認出来ない箇所に関しては、外した際に目視はもちろんの事
可動部を直接動かし、異音や動作の不具合が無い事を確認します。
もちろん不具合がある場合はオーナーに連絡、対応策をお伝えし
場合によっては作業追加になる事もありますが、一度で終わらせる事により
余計な二重作業が発生しないように努めています。 旧フロントショックパーツ一式。 消耗が顕著に確認出来るのは、やはりアッパーマウントになるでしょう。
新旧は写真を見ていただけるとすぐに判断できますが
見た目だけでは無く、交換する事によって劇的に乗り心地の変化を体感出来るパーツの一つでもあります。ショックアブソーバー新旧。
悪路であっても路面をスムーズにトレースし
アルピナ特有の乗り心地を体感させてくれる上で
非常に重要な役割をしてくれるパーツですね。分解していった逆の手順でショックとサスを組み込んでいきます。
この時にスプリングパッドにズレが生じないようにスプリングコンプレッサーを慎重に外します。
このように細かい箇所でも慎重に作業を進める事によって
その車本来の走りを体感出来るようになるというわけです。 フロントロアアームコントロールブッシュの交換。
ストップ&ゴーで相当の力が加わる箇所でもあり、
E46モデルのブッシュの中で一番交換頻度が高いブッシュになるのでは無いでしょうか。
走り方によっては20,000Km程度で交換が必要になる方もいらっしゃいます。
発進時や停止時に、アクセルペダル周辺からゴトゴトというような
異音や路面からの振動を拾ってしまう場合には、 早急に交換が必要になります。
そうなる前に交換すべきパーツと言えるでしょう。 専用SSTを使用し、ロアアームから引き抜きます。
取り付け時もSSTを使用し取り付けないと、真っ直ぐにアームに圧入されずに
せっかくの新しいブッシュが損傷してしまったりと
不具合が出る事もありますので強引な取り付けはNGです。 新旧ロアコンブッシュ。
E46はブラケットとセットでの供給となります。
安価な社外品もあるようですが、取り付け後の不具合報告も上がっているようなので
しっかりとメーカーから提供されたパーツを使用する事によって走行の安全性も保たれます。フロントスタビブッシュの交換。コーナーリング時の左右のサスペンションのストローク量に差が出来た時に
スタビライザー本体に捻じれの力が発生してストローク量を同一に保つという役割なので
アルピナのようにしなやかな足廻りの特性を持つ車にとっては非常に重要なパーツになります。リアセクションのブッシュ交換。 リアアクスルキャリアを除いた全てのアーム類のブッシュを交換。 新旧リアショック、リアアッパーマウント。 リアからゴトゴトと異音がする場合は要注意。
アッパーマウントの中心からブッシュラバーが分解し、ショックアブソーバー自体が
グラグラと常に動いてしまっている事も多いです。
そうなってしまうとボディ側マウント取り付け部分にもダメージが出てしまう事もあり
走行にも危険が伴いますので、そうなる前の交換が望ましいですね。 リアのアッパーコントロールアームブッシュの交換。ご存じの通り、リアはセントラルアームが採用されていて路面にタイヤを接地させる能力に
秀でており、FRの車にとって非常に優秀な足廻り構造ではありますが、
ブッシュ等の消耗速度は早く交換頻度は多くなりますが、ブッシュの状態が良好であればあるほど
その車本来のポテンシャルを十分に楽しめる足廻りとなっています。 こちらはプレス機を使用し、ブッシュを打ち替えます。リアロアコントロールアームブッシュの交換。 CSL用のコントロールアームでご存じの方も多いかと思います。
確かにCSL用であればアルミ製なので剛性も上がりますが
乗り味も同時に変わってしまう事もありますので
オーナーからの強いリクエストが無い限りはオリジナルのアームをそのまま使用します。 こちらも同様にプレス機で圧入。 リアトレーリングアームブッシュは2箇所交換。リアセクションの動きの要となる部分のブッシュになります。
縦横からの相当なプレッシャーによって見た目よりはるかに消耗が進んでいる事が多い箇所でもあります。こちらも専用SSTで抜き替えます。 リアスウィングサポートとスタビブッシュの交換。
見た所、大きな消耗はまだ見られませんが同時に交換します。 全てのブッシュを圧入し、取り付け前に再度問題が無いかどうか確認し取り付け開始。細かい事ですが汚れは全て綺麗に落とし、取り付けを開始する事を忘れずに。 接地した時に新しいブッシュが馴染むように、一気にボルトナットは締めこまずに
仮組みで留めておき、組み終わった後に軽くテストランをした後
規定のトルクでしっかりと固定します。 4輪アライメントの測定と調整。
タイヤの磨耗具合も確認しながら、何度かセッティングとテストランを繰り返し
現在の状態で一番ベストなアライメント数値に合わせていきます。 フロントの調整ももちろん大事になりますが
E46はリアセクションの調整次第で乗り味がガラッと変わってしまうこともあり
特に今回のようにリアのアーム類のブッシュを交換した際には
より慎重なセッティングが求められます。 乗り手も何度か変え、数値も微妙に変化させながらテストランを繰り返し
M3ALPINA専門店ならではの経験と知識を詰め込んだセッティングが完了し
ベストな走りを体感出来るようになりました。タイヤの磨耗やブッシュの消耗での変化はもちろんの事、
経年と走行でもアライメント数値は徐々に変化していきます。
メーカーが指定する基準値というものはあくまでも基準でしかなく
一台一台ベストなアライメント数値はその状態によって変わってきますので
アライメント調整は、しっかりとした知識経験とリセッティングを繰り返す時間が必要となります。
2013年08月31日