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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B5S】冷却水漏れ修理【67,000Km】

今回のメンテナンスレポートはALPINA B5Sの冷却水漏れ修理です。走行距離は67,000Km。
自分たちは新しいモデルだなぁ・・・としみじみ感じてしまうのですが
実際のところ2005年~2011年までの生産なので、経年は9年~15年ですから必然的にトラブルも多くなりますね・・・
特に熱量の大きいエンジンですから、そういった点にも注意が必要でしょう。
今回入庫した車輌は購入時から微量に冷却水が減っていくとの事。
3ヶ月程度でエキスパンションタンク分程度の冷却水を補充しているとの事で、冷却水漏れを疑い入庫となりました。エキスパンションタンクからエンジンをかけている時と同様の圧力を
掛けてどこから冷却水が漏れ出すのかチェックを行います。チェックを行っていると、ロアホースの水温センサー付近から水漏れを発見。
水温センサーのOリングが経年劣化してしまうとシール性が弱くなり冷却水漏れを発症する事例も多く、
特に水漏れが多い箇所として注意が必要です。
漏れている量なども考慮すると、おそらく漏れはこの箇所のみからですが、
今後の事も考えオーナーと相談し主要ホースやエキスパンションタンクなども同時に交換していく事になりました。
警告灯には冷却水トラブルのエラー表示が出ています。
取説を見れば解かるアイコンではありますが、
車の仕組みを理解していないとちょっと解かりづらくないですか?
問い合わせで、工場みたいな煙突マークが点灯しているんですが・・・というお電話も多いですからね。
新旧のラジエターホース(アッパー・ロア)、冷却水センサー、ベンチレーションライン。
ゴムホースとジョイント部分の樹脂パーツの締結が昔のモデルとは違い、生産ラインで締結されているホースで
今のモデルはワンタッチで交換できるようになっているわけですが
これが結構曲者で、経年や走行距離で消耗していくと、バンド部分でバックリと割れます。
場所によっては一気に冷却水が噴き出すトラブルも多く見てきており
メカニックからの意見によると、昔の自らが締めていく
ホースバンドとゴムホースの構成が一番信頼感があるという事ですが、時代の流れには逆らえません・・・
新旧のエキスパンションタンク。
こちらもパックリと割れます。縦に断裂してそこから冷却水を噴き出している車を今まで何台も見ました・・・新しいエキスパンションタンクを装着し、同時にエキスパンションタンクキャップを新品へ交換。
交換した各冷却ラインをエキスパンションタンクへ接続。ラジエターアッパーホースを装着。水温センサー、ラジエターロアホースを装着。
これでホース類の交換は終了。
各ホースの装着を終えたら専用の機械を使用して冷却経路のフラッシングを行い、
経路内の汚れや錆等を古い冷却水と共に車外へ圧送させます。
規定量の新しい冷却水を注入し、エア抜きを行って冷却水漏れの修理と交換が完了。

突然の冷却水漏れトラブルでオーバーヒートしてしまう事を防ぐ為、
応急処置で水道水を継ぎ足して走行するケースもあると思いますが、
冬場の凍結や、水垢汚れや錆等も誘発してしまう為、継続的に継ぎ足しながら走行する事は厳禁です。
あくまでも最終手段の処置として行い、水道水を継ぎ足してしまったら
早めに新しい冷却水へ交換して下さいね。
全ての作業を終えたらテストランを行って修理箇所やその他に異常が無いか確認を行い納車となりました。

今回はALPINA B5Sの冷却水漏れの修理を行いました。
このモデルに限らず経年・走行距離が進めばパーツは劣化していく為交換が必要なのですが、
トラブルが発生するタイミングは様々なので、定期的に状態の変化を確認しておく事が大切です。
特に水廻り箇所はウィークポイントが多く、トラブルが発生してからの対応では重症になってしまっている
ケースもある為、定期的なチェックとメンテナンスを行っておく事が大切ですね。
掛かりつけの主治医と相談し、経年・走行距離を考慮したメンテナンスプランを立てて、
トラブルが発生する前に事前に対処しておくと安心です。

2020年03月14日