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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B6S】スーパーチャージャーオイル漏れ修理etc,,,【45,000Km】

本日、3本目のUPです。何とか閉店までにまとめる事が出来ました。
E63のB6Sのメンテナンスレポートになります。
530馬力のモデルなのでなかなかパワフルに走ってくれるモデルです。
メンテナンス内容はスーパーチャージャーからのオイル漏れ修理。走行距離は45,000Km。
ディーラーではASSY交換になり修理費は約100万程度との事。
ALPINA専用部品では珍しくない価格設定なので驚きはしませんが
分解修理で直る可能性が高い為、今回はスーパーチャージャーのオイル漏れ修理をメインにその他の作業として
ベルト部・エンジンオイル・ATFの交換を行っていきます。
スーパーチャージャーからオイル漏れが発生しているのですが、
水漏れの時の様に匂いがしたり、噴き出している形跡がある訳ではない為、
エンジンルームを見ただけで気付くのは難しいと思います。
スーパーチャージャーのオイル漏れは上面だけを見ても気付き難いので、
必ずスーパーチャージャー下側も含め全体を確認しておく事が大切です。
取り外したスーパーチャージャーを分解して各シールを交換していきます。ALPINAからデリバリーされているOリングもありますが、
オイル漏れの原因となっているOリングのデリバリーは無いので取り外したのちサイズと材質を調べ取り寄せます。
Oリングの交換だけでなく、内部機構に異常が発生してないかチェックをしつつ分解を進めます。ギアの噛み合わせに摩耗やギア欠け等がないか確認を行います。側面には2本のOリングが装着されています。
こちらのOリングがオイル漏れを引き起こしている原因になります。
分解したスーパーチャージャー一式。
ベアリングの交換もしようかと思いましたが、全く問題無いのでこちらはそのまま使用します。
オイル漏れの原因となったOリングの代替も無事見つかったので
綺麗に洗浄を行って元の状態へ組み立てていきます。装着の際にOリングが捻じれたり傷等が付かない様に慎重に装着を行います。見逃しがちな小さいOリングもあるので要注意。ファンベルト、エアコンベルト、エアコンテンショナー、テンションローラー、保護キャップ等を交換。
スーパーチャージャーを取り外した際に関連するパーツを同時に交換しておく事は
工賃だけでなく入庫に掛かる手間や修理の時間等のメンテナンスコストの削減にも繋がります。スーパーチャージャーや関連する部品を装着し、動作確認を行ってスーパーチャージャーのオイル漏れ修理が完了。エンジンオイル交換。
交換の前にフラッシング剤を注入し、エンジン内部で発生したスラッジやカーボンの汚れを落とします。
10分~15分程アイドリングを行いエンジン内部の手の届かない箇所まで
フラッシング剤を浸透させて汚れを落とした後に古いエンジンオイルと共に一気に排出。
内部に古いオイルを残さない為にも排出には時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行う事が大切で、
廃油はそのまま処分するのではなく、異常な汚れや金属片等が含まれて無いか確認を行って
エンジン内部の状態を探ります。新旧のオイルエレメント。装着に使用するパッキンやワッシャも同時に新品へ交換。
エンジンオイルの排出・オイルエレメントの装着を終えたら規
定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。今回チョイスしたオイルはFUCHS TITAN SuperSyn 5W-50。
レースにも使用されているオイルと同等の性能を誇り、汚れの集約性の高さだけでなく真冬の低温時の始動性の高さ、
真夏の渋滞での高温時でも安定した性能を保ち、低速時から高速時まで一気に吹き上がる心地良さに
高性能エンジンを搭載しているALPINAやM3のオーナーから絶大な人気を誇るロングセラーオイルです。
使用するエンジンオイルによってもエンジンパフォーマンスに違いが出てしまうので、
価格や性能だけ判断するのではなく
最高のパフォーマンスを発揮させる為にもエンジンに適したオイルをチョイスする事が大切です。
ATF交換。
ATFの交換は吸引循環方式や圧送交換方式、下抜きの全量交換等と様々な交換方式があるのですが、
上抜きの吸引循環方式はガソリンスタンド等で行われる事が多く、
分解をせずにオイルレベルゲージ穴にチェンジャーのノズルを
差し込んで吸引するので簡単に交換作業が出来る反面、廃油を抜いて新油を足す作業を繰り返し行う為、
他の方式と比較すると交換効率が一番低くなります。
圧送方式は専用の機械を使用して圧力を掛けながらATFを送り込み、
廃油と共に内部で発生したスラッジを排出させるのですが、
圧送の際に複雑なATFの経路にスラッジが詰まってしまうと異臭や異音の発生、変速時のショックや燃費の低下、
変速の不具合等が発生し、最悪の場合ATの交換が必要になるケースもあるので注意が必要です。
当社では交換時のリスクや効果等を考慮して全量交換のみを行っております。
6万km以上無交換で走行している車輌は交換時のリスクが高く、ATFの交換を断られる事が多いのですが、
状態により交換出来るケースもありますのでお気軽にご相談下さい。
ドレンボルトを外してATFを排出。ドレンからのATFの排出を終えたらオイルパンを取外し、内部に付いているATFエレメントを外します。
ATFの交換作業は閉店間際に行ってこの状態で一晩掛けて残りのATFの排出を行う為、
最短でも車をお預かりして1泊2日の作業となります。
新旧のATFエレメント、ATオイルパンガスケット。
どちらも再利用は不可なので新品へ交換。オイルパンには2ヶ所に磁石が付いており内部で発生したスラッジを吸着している為、
付着しているスラッジの量を確認してAT内部で異常が発生してないか状態を探ります。
オイルパンは綺麗に洗浄し、装着面をオイルストーンで綺麗に整えておきます。洗浄後のオイルパンの磁石。
洗浄前と比較すると吸着したスラッジの量がお判りになると思います。新しいATエレメントを装着。各ボルトのトルクに注意しながらオイルパンを装着し、ATFを注入して油面調整を行います。
油面調整は非常にシビアで一定の温度以上になってしまうと膨張して正確な数値にはならなくなってしまう為、
温度を計測しながら素早く且つ慎重に油面調整を行う事が大切です。
トランスミッションの油温を確認してATFの交換が完了。全ての作業を終えたら最終のテストランを行って修理箇所やその他に不具合が無いか確認を行いました。
ちょっと街中では持て余してしまう馬力ですが、高速では余裕を持ってドライブを楽しむ事が出来るモデルです。
走行距離が4万km台という事で、まだまだこれからが楽しみな一台ですね。

明日からまたしばらくPC前に長時間座る時間は無さそうなので、ブログ更新は・・・出来るだけ頑張ります・・・

2019年07月02日