【ALPINA D3 Bi-Turbo】24ヶ月法定点検&車検整備【45,000Km】
真夏です。。待ち焦がれた梅雨明けでしたが、
思いのほか気温の変動についていけず若さがなくなったな・・・と感じる毎日です。。
先日、引き取りに行った際に撮影した足柄での一コマ。
富士山の頂上も暑そうですね・・・今年は若さを取り戻す為にも久々に登山チャレンジをしようか悩み中です!
本日のレポートは24ヶ月法定点検と車検整備のALPINA D3 Bi-Turboをレポートしていきましょう。
走行距離は45,000Km。
ディーゼル特有の加速感とアルピナチューニングが施されたエンジンのフィーリングは
個人的にかなり気に入っています。パワーバンドが狭い分スイッチトロニックの操作も
カートを運転しているような感覚で非常に面白い車だなと感じますが、マニュアル設定が無いのが惜しいところです。
アルピナはもうマニュアル車出ないのでしょうか・・・
エンジンオイル交換。
フラッシング剤を注入し10~15分程アイドリングを行って
エンジン内部の手の届かない箇所までフラッシング剤を浸透させて
内部で発生したスラッジやカーボンを除去して一気に排出を行います。
ディーゼルなのでやはりオイルは汚れやすいですね。
オイルエレメントの交換。装着に使用するパッキンやワッシャも新品へ交換。
比較すると汚れの違いがお判り頂けると思います。
オイルエレメントはエンジンオイルを濾過して吸着した汚れを取り除き再びエンジンへ循環させているのですが、
汚れが溜まって目詰まりを起こすとオイル流量を減らさない様にする為、バイパス機能を備えており
濾過を行わずに汚れたままのエンジンオイルを循環させるので注意が必要です。
当社では新油の再汚染を防ぎ、オイルの性能を十分に発揮させる為にもオイル交換と同時の交換をお勧めしています。エンジン内部に古いオイルを残さない為にもしずくが垂れなくなるまで時間を掛けて排出を行います。
排出と同時に廃油に異常な汚れや金属片等が含まれて無いかチェックを行ってエンジン内部の状態を探ります。新しいオイルエレメントを装着したら規定量のエンジンオイルを注入してオイル交換作業が完了。
5年目のメンテナンスとしてATFの交換を行います。
ATFの交換に関しては色々と議論が絶えませんが、内部ではスラッジが発生しATFの劣化が進む事で
トランスミッション性能が低下していきます。交換するかしないかは乗り手がどの程度の期間乗っていくか。
自身の愛車のポテンシャルをどの位置に置いておきたいか。などによって決めていっても良いかなとは思いますが
やはり定期的に交換されている方の車輛はトラブルは出にくいかなとは思います。
閉店の前に排出作業を行いオイルパンを外した状態で1晩掛けて作業を行う為、
ATFの交換は早くても車をお預かりして1泊2日の作業になります。新旧のオイルパン。装着に使用するボルトも新品へ交換。
ATのオイルパンはエレメントやガスケットが一体式の為、ATF交換と同時にASSY交換。オイルパン内には鉄粉吸着用磁石が装着され内部で発生したスラッジを吸着しています。
磁石に付いたスラッジの量を確認して異常がないか内部の状況を探ります。オイルパンを装着し新しいATFを規定量注入します。
注入だけでは規定量にはならない為、エンジンを掛けながら油面調整が必要になります。
ATFはある一定の温度以上になると膨張してしまい油面調整が出来なくなってしまう為、
温度を管理しながら迅速にに油面調整を行い、何回か油面調整を行った後にテストランを実施して
適切に変速がされているか確認します。
交換後はシフトダウンがスムーズになり安定した走行を体感する事が出来るので、
ATの変速時のショックが気になったりや適切に変速出来てないな…と感じたら
ATFの交換を考慮してみてはいかがでしょうか?
冷却水の交換。
専用の機械を使用してフラッシング剤を注入し、ポンプや冷却経路内で発生した水垢や錆等の汚れを浮かせて
古い冷却水と共に車外へ圧送させます。
圧送を終えたら規定量の冷却水を注入し、エア抜きを行って交換作業が完了。
通常車検時に交換している方が多いと思いますが、ウィークポイントとして注意が必要な箇所なので、
法定点検の際に水廻りの点検を行って状態により同時に冷却水の交換を行っておくと安心です。
ロングライフの冷却水は長期間性能を維持する事が可能になった為、メンテナンスフリーと思われがちなのですが、
メンテナンスを怠ると冷却水よりも先に経年劣化で冷却系のパーツが破損してしまう事で水漏れを発生させ
思わぬトラブルに発展してしまう事があるので、ロングライフの冷却水を使用している方も
定期的に水廻りの点検をしておく事が大切です。
ブレーキフルードの交換。
専用の機械を使用してブレーキラインで発生した水垢や錆等の汚れを古いフルードと共に車外へ圧送させます。
ブレーキフルードは吸湿性が高く水分を含む事で劣化してしまうのですが、
劣化を放置してしまうと含まれた水分の影響によりブレーキのピストンに錆を発生させ
症状が酷くなると錆の影響でブレーキが固着してしまい、ブレーキの利きが甘くなったり
ブレーキパッドの引きずりを発生させブレーキパッド、ブレーキローターにもダメージを与えてしまいます。
更にブレーキの熱で含まれた水分が沸騰する事でブレーキラインに気泡を作り出すと油圧が伝わらなくなって
ブレーキが利かなくなるベーパーロック現象を発生させるので注意が必要です。
ブレーキフルードは車を使用するしないに関わらず劣化が進行していく為、
走行距離だけでなく経年劣化も考慮して交換が必要です。圧送された古いフルードに異常な汚れや錆が含まれて無いかチェックを行い、
もし異常が見つかれば原因を突き止める為、各部を取り外す等の大掛かりな作業が必要になります。新油は画像の様に無色透明なのですが、劣化が進む事で紅茶色へ変化し徐々に黒味を帯びてくる為、
御自身でもリザーブタンクを開けてブレーキフルードの色の状態を確認しておくと安心です。
古いブレーキフルードの排出を終えたら規定量の新しいブレーキフルードを注入して
エア抜きを行って交換作業が完了。フューエルフィルターの交換。
ディーゼル車に使用されている燃料(軽油)はガソリンよりも比重が重く、含まれる水分量も多くなり、
水分の除去を行うフューエルフィルターに負担が掛かかる為、ガソリン車よりも交換時期は短くなります。
フューエルフィルターの目詰まりによる症状の悪化はガソリン車では急に発生する事例は少ないのですが、
ディーゼル車では目詰まりにより燃圧が低下してしまうと一気に症状が悪化する事があるので、
状態を確認し少し早いタイミングで交換しておくと安心です。
特にターボ車等の過給機が搭載されたエンジンは最大過給圧時の燃圧が不足する事で
エンジンブローに繋がる恐れがある為、注意が必要です。
梅雨時期の湿気の高い時期や冬季の結露等で水分を除去する為に水抜き剤を使用している方もいると思いますが、
排ガス規制前の古い形式のディーゼルエンジンやフューエルフィルターに水抜き用のドレンが付いているエンジンでは
水抜き剤を使用する事でエンジンに悪影響を与える恐れがあるので使用する際には注意が必要ですね。
新旧のフューエルフィルター。
ガソリン車よりフィルターに掛かる負担が大きい為、ガソリン車と比べると交換時期は短くなるので要注意。バッテリー交換。
バッテリーの装着が完了。
バッテリーは様々な種類があるのですが、安易に安価だからと形状の違うバッテリーを選んだり、
サイズ違いのバッテリーを無理に加工して装着したすると故障や思わぬトラブルに繋がる恐れがある為、
必ず車輌に適したバッテリーを使用して下さい。
また、最近のモデルはバッテリー交換時に交換リセットを行う必要があります。
車検に備えてエンジンルーム・下廻りを綺麗にスチーム洗浄。全ての作業を終えたら最終のテストランを行って修理箇所やその他に異常は無いか確認を行い、
特に問題が無ければ最寄りの陸運支局へ車輌を持ち込んで車検を取得します。後日、オーナーへ車検証・24ヶ月定期点検記録・車検ステッカー・定期点検ステッカーをお渡し、
メンテナンスの注意点等をお話しして納車となりました。
今回はALPINA D3 Bi-Turboの24ヶ月法定点検のメンテナンスとして
オイル類の交換等と同時に経年によるパーツの交換を行いました。
ディーゼル車とガソリン車の違い等、ご自身の車輌の特徴を把握し適切なメンテナンスを行う事が重要で
ご自身の走行や走行環境ではどれぐらいで劣化・消耗が進行してしまうのかを把握する為にも
掛かりつけの主治医に相談してしておくと良いでしょう。
2019年08月06日