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MAINTENANCE REPORT

【E30 320i M-Tech】ステアリングブーツ・タイロッドエンド交換修理【165,000Km】

2018年最後のレポートアップ。
明日まで営業ですが、年内納車は本日が最後なので明日は大掃除をして終了予定になります。
部品の関係や時間の都合で、年越しお預かりの車が4,5台お留守番になりますが、
年明けからまたスタッフ一同全開で進めていきますので、来年も引き続き宜しくお願い致します。

さて、今年最後のメンテナンスレポートはE30 320i M-Techのステアリングブーツ・タイロッドエンド交換修理です。
走行距離は165,000Km。ワンオーナーの二桁ナンバー車でとても綺麗で大事にされているのが良く分かる車でした。
エンジンオイル交換時にラックブーツの破れを発見し、後日再入庫していただいての修理となります。
現状のステアリングラックブーツ。
一見問題無い感じに見えますが、中央部から断裂してブーツとして機能していませんでした。
ステアリングラックブーツはステアリングを切る度に伸縮し、内部のタイロッドのボールジョイントや
ステアリングギアボックス等にゴミや塵、砂埃等が侵入したり付着するのを防いでいます。
今回の様に断裂したままの状態で放置していると、ボールジョイントに異物が付着してガタつきを誘発させ
ラックやギアボックスにもダメージを与えてパワステオイル漏れを発生させる原因にもなるので注意が必要です。
左右共にラックブーツが断裂していたので
ギアボックスやタイロッド等に問題は出てないか、パーツの状態を確認しながら作業を進めます。ステアリングギアボックスから左右のタイロッド一式を取り外します。新旧のタイロッド一式
ボールジョイント部分のガタ・ボールジョイントブーツが今にも破れそうな事もあり左右とも交換していきます。
タイロッドやタイロッドエンドのボールジョイントにはグリスが充填され可動しているのですが、
ゴミや塵、砂埃が付着したり経年の摩耗によりガタついてくるので振動や異音を発生させます。
水分等が侵入してしまうと錆の発生にも繋がり、最悪の場合ボールジョイントが抜けてしまうと
ステアリングの操作が出来なくなって大きな事故に発展する可能性もあるので、
タイロッドやタイロッドエンドのガタつきには注意が必要です。新旧のステアリングロックプレート。
再使用はせずに必ず新品へ交換。新旧のステアリングラックブーツ、ブーツバンド。
伸縮する部分なので経年劣化してしまうと弾力性が無くなって亀裂が入って断裂してしまう為、
経年や状態を考慮して交換が必要です。
ブーツバンドも加締めるバンドが殆どなので再使用は厳禁です。
タイロッド一式、ステアリングラックブーツを装着。逆側も同様に装着して修理が完了。
今回は左右のブーツが破れていたので左右共に交換しましたが、
片側のみが破れていた場合でも左右同時の交換が大切で、片側だけを交換しても
いずれはもう片側も劣化が進行して交換する事になるので、左右同時に交換する事は
再び発生するトラブルを回避するだけでなく交換時に掛かる時間や工賃等の
メンテナンスコストを削減する事に繋がります。
最後にサイドスリップ調整を行って全ての作業が完了。最終のテストランを行って修理箇所やその他に問題が無いか確認を行います。
オーナーへ分解整備記録簿と作業内容をお伝えして納車となりました。

今回はステアリングラックブーツ、タイロッドエンドの交換を行いました。
通常では下廻りの部品の劣化に気付く事は難しく、クラシックモデルの場合、最低でも一年に一度は
リフトアップした上で、各部のチェックを行っておくと今回のように軽微な作業で問題解決できるケースが殆どです。
経年劣化で駄目になりやすい部品(ゴム部品等)については駄目になってから交換するのか
駄目になる前に交換するのか、工場によって判断は様々だと思いますが、
経年や走行距離を考慮して見た目に問題が無くても、事前に交換してしまった方が安心出来るだけでなく
そのトラブルによる2次被害の防止に繋がるので、ご自身の走行方法や走行環境等を考慮して
どれぐらいの交換時期が最適なのかを主治医と相談しながら、メンテナンスの計画を立てておくと良いでしょう。

2018年12月27日