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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B3 3.2】エンジンオイルパンガスケット交換【80,000Km】

先日までゴールデンウィークが・・・なんて言っていましたが
あっという間に5月も終わりそうな勢いですね。

本日のメンテナンスレポートはALPINA B3 3.2のエンジンオイルパンからの
オイル漏れ修理をお伝えしていきます。走行距離は80,000Kmと経年を考えるとそこまでの距離ではありませんが
約20年前のモデルになるので各部の劣化や状態の変化等を考慮して作業を進めます。まずはエンジンオイルの排出を行います。
交換作業の前にフラッシング剤を注入してエンジン内部に堆積したスラッジやカーボンの汚れを落として
古いオイルと共に車外へ排出させます。
10~15分程アイドリングを行ってフラッシング剤をエンジン内部に浸透させ、
内部の汚れと共に雫が垂れなくなるまで時間を掛けて古いオイルを排出します。
フロントアクスルキャリアを外さないとオイルパンにアクセス出来ない為、
エンジンが脱落しないようエンジンハンガーを使用してエンジンを吊って固定します。アクスルキャリアを外すとオイルパンを取り外せる状態に。オイルパンを外して異常は無いか内部パーツの状態を確認。
古いガスケットを取り除き、ガスケット面をオイルストーンで綺麗に整えておきます。洗浄前のオイルパンですが、オイル管理の良さもあってか綺麗なオイルパンですね。
オイルパンガスケットの交換と同時にフロントのクランクシャフトオイルシールにも漏れがあったので交換。新旧のフロントクランクシャフトオイルシール。
オイルパンを戻す前にスチーム洗浄を行って綺麗にオイル汚れを落としておきます。オイルパン側のガスケット接着面もオイルストーンで綺麗に整えておきます。
新旧のオイルパンガスケット。
漏れやすい箇所には液体ガスケットを併用しながらオイルパンを装着します。
ガスケットは自身が潰れて密着性を高めているので一度使用したガスケットの再利用は出来ません。
オイルパンの装着は固定するボルトのトルクに注意しながら均等に装着する事が大切です。フロントクランクシャフトオイルシールを斜めに入らない様に慎重に装着し交換作業が完了。オイルエレメントの交換。
フラッシングを行ったのでオイルエレメントも同時に交換します。
装着に使用するOリングやパッキン等も全て新しい物を使用して下さい。全てのパーツを元に戻し終えたら最後に適量の新しいオイルを注入してエンジンオイル漏れと交換作業が終了です。かなり吸湿が進んでいたのでブレーキフルードの交換。
新品のブレーキフルードは無色透明なのですが、
劣化が進むと画像の様に徐々に紅茶色へ変化して更に黒味を帯びてきます。
非常に吸湿性が高く、多くの水分を含んでしまう為、
古いブレーキフルードを交換せずに使用しているとブレーキラインに水垢や
ブレーキパーツに錆を誘発し、ブレーキの熱で蒸発した水分がブレーキラインに気泡を作って圧力を妨げてしまい、
ブレーキが利かなくなるベーパーロック現象を発生させる事があるので注意が必要です。
基本的に法定点検の整備の際に交換されていると思いますが、渋滞や山道等でブレーキを多用する走行環境では
劣化が早まるケースもあるので御自身の車輌ではどれぐらいで交換が必要なのかを把握しておく事も大切です。フラッシングを行ってブレーキラインで発生した水垢や錆等を車外へ圧送し、
排出されたブレーキフルードに異常な汚れや錆等が出て無いか確認します。
異常が見つかれば原因を特定する為にブレーキシステム全体を取り外す大掛かりな整備が必要になります。
問題が無ければ新油を注入しエア抜きを行ってブレーキフルードの交換が完了。交換後のブレーキフルードは画像の様に無色透明です。
ブレーキフルードは車輌を使用しなくても徐々に劣化が進む為、走行距離が少なくても定期的に交換が必要なので
あまり乗らないから…とブレーキのメンテナンスを疎かにする事は非常に危険なので注意して下さい。漏れたオイルで汚れてしまった下廻りをスチーム洗浄で綺麗にして全ての作業が完了です。最後にテストランで修理箇所やその他の箇所に不具合や違和感が無いかの確認を行って
問題が無ければオーナーの元へ納車となります。

2018年05月21日