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MAINTENANCE REPORT

【ALPINA B3S】24ヶ月法定点検&車検整備【92,000Km】

24ヶ月法定点検と車検整備の為、ALPINA B3Sが入庫です。
基本的な作業を行いながらその他に問題が無いか確認していきます。
エンジンオイルの警告灯が点灯しています。
通常は特に問題が無ければ点灯しないはずなのですが、
オイルレベルが低い場合は(規定量より約1リットル少ない場合)
黄色く点灯し、もし赤く点灯した場合は油圧不足なのでエンジンへ悪影響を与えるので注意しなければなりません。
オイル量を確認した所、オイルは規定量入っていたのでオイル量不足ではありませんでした。
これはエンジンオイルレベルセンサー本体の不良が原因。オイルレベルセンサーの交換の為にエンジンオイルを排出させるので同時にオイル交換を実施。
まずフラッシング剤を注入してエンジン内部で発生したカーボンやスラッジ汚れを落とします。
フラッシング後に排出されたオイルは画像の様に真っ黒な状態でした。
排出には時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行い、出来るだけ内部に古いオイルが残らない様にする事が大切です。
排出したオイルは処分する前に金属片等の異物が出てないか確認してエンジン内部の状態を探ります。新旧のオイルエレメント。
外したエレメントはフラッシングを行ったのでエンジン内部の汚れを吸着して真っ黒な状態。
通常、オイルエレメントはエンジンオイルを濾過して汚れを吸着しており、
判りやすく例えると天ぷら等の調理の後に揚げ油を濾過している濾過紙を想像すれば判りやすいと思います。
調理に使用する揚げ油は濾過して使用していてもいずれは性能が低下してしまい、
古い油で調理された料理を食べると胸やけや胃もたれを起こしますね。
これはエンジンオイルも同様に汚れと酸化で徐々に性能は低下し、最終的にはエンジンへ悪影響を及ぼします。
オイルエレメントは濾過し続けると目詰まりを起こしてエンジンへのオイル流量が減ってしまうのですが、
そうなるとオイル流量を維持する為、エレメントベースはバイパス機能を備えており
濾過を行わずにそのままエンジンオイルを循環させる様になります。
新旧のオイルレベルセンサー。
昔の車輌はオイルゲージでオイル量の確認をしていましたが、現在ではセンサーで管理している車輌も多く、
ドライバーにエラー表示で警告してくれるのですが、稀にセンサーの故障で誤作動を起こすケースもありますので
警告灯が点灯した際には、出来るだけ早く実際のオイル量を確認した方が良いでしょう。オイルレベルセンサーを装着した後に装着ミスがあるとセンサー部からオイル漏れを起こすケースがあるので要注意。
古いOリング跡などは綺麗にし、新品のレベルセンサーを取り付けるようにしましょう。
オイルエレメント・オイルレベルセンサーを装着してから規定量の新しいエンジンオイルを注入。
オイル漏れが無いか確認してセンサーの交換とエンジンオイル交換が完了。今回チョイスしたオイルはFUCHS社のTiTAN SuperSyn 5w-50。
チューニングエンジンにも適しているという事からALPINAやM3のオーナーに好評を頂いております。
高粘度を誇り、真冬の低温時の始動や真夏の渋滞の高温時でも遺憾なく性能を発揮し、
高性能エンジンを搭載しているモデルでは下から力強くスムーズに吹け上がる感覚に驚かれると思います。
今までのオイルでは満足出来なかったオーナーに是非試して頂きたいお勧めのオイルですね。
エンジンオイル交換後はオイルインスペクションのリセットを忘れずに行います。リセットをすると表示は25,000kmになり、走行をする事で徐々に数値が減っていきます。
走行方法や環境にも左右されますが、交換時期は3,000km~5,000km
(インスペクションの表示が22,000km~20,000km)
もしくは半年のどちらか早い方で交換を行う事をおすすめしています。
マイクロメーターでローターの厚みを計測、ダイアルゲージで歪み測定を行うと消耗限界だった為
フロントリア共にローター、ブレーキパッドを交換。新旧のブレーキローター。
新旧並べて見るとローターの厚みの違いが良く判ります。新旧のブレーキパッド。
基本的にブレーキローターとパッドは同時に交換する事が好ましく、
どちらかが古い状態だと摺り合わせが上手くいかずに
交換した新しいパーツのブレーキ性能を低下させてしまいます。
音鳴り防止の為、面取り加工を施しておく事でブレーキの利き方も格段に上がります。
ブレーキの異常は自身だけでなく他の方の命にも影響する問題なのでメンテナンスの必要がある場合は
必ず実施した方が良いでしょう。
もしブレーキの警告灯が点灯した際などはパッドの減り以外にも問題が発生している事も想定される為、
早急に点検をおすすめしています。
新しいブレーキローター・ブレーキパッドを装着して交換作業が完了。ブレーキフルードの交換。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、劣化すると透明の状態から徐々に紅茶色になり黒く変化していきます。
古い状態のままにしておくと、沸点が下がり吸湿していた水分がブレーキの熱でライン内に気泡を発生させ
その気泡が圧力を妨げる事で油圧が伝わらなくなり、ブレーキペダルを踏んでもスカスカとブレーキが利かなくなる
ベーパーロック現象を発生させます。
ブレーキは命に関わるパーツなのでメンテナンスには注意を払い定期的に行って下さい。交換時に排出したフルードも異常な錆等が出てないか確認します。
劣化したフルードをそのまま使用していると吸湿した水分の影響でブレーキシステムに錆を多く発生させる為、
最悪の場合システム全体を交換する事になるのでフルードの色の変化には注意して下さい。車検に備えオイル汚れや砂埃等を綺麗にスチーム洗浄。全ての作業を終えたらテストランを行い修理箇所やその他に問題がないかを確認。
今回はブレーキローターとパッドを交換したので摺り合わせや焼き付け作業を実施。
ブレーキの当たり付けには慣らし運転が必要なので通常の走行なら300km~1,000kmで完了する為、
それまでは急発進、急ブレーキ、急ハンドル等の急が付く運転は控えて下さい。車輛を陸運支局へ持ち込み、無事車検を取得。
後日、車検証・24ヶ月定期点検記録簿・定期点検ステッカー・車検ステッカーを
オーナーにお渡しして納車となりました。何気に車検月を見ると
ブログの更新が遅い事に気が付かれる方もいるでしょうね・・・
作業済みのブログレポートがかなり溜まっていますが、合間を見て順次アップしていきますので・・・

今回は基本的な作業の他にオイルセンサーの交換とブレーキローター・パッドの交換を行いました。
センサーに関しては症状が出やすいモデルがあるのでご自身の車輌のウィークポイントを把握しておくと、
トラブルが発生しても落ち着いて対応出来るので整備の際に工場の方と相談や確認をしておくと良いでしょう。

2017年12月16日