【E90 M3】24ヶ月法定点検&車検整備【65,000Km】
24ヶ月法定点検&車検整備の為E90 M3が入庫しました。
基本的な点検と整備を行い、その他に不具合が無いか確認しながら作業を進めます。エンジンオイル交換。
交換の前にフラッシング剤を注入してエンジン内部の手の届かない場所に
堆積したスラッジやカーボンの汚れを落とします。
フラッシング剤はエンジン内部に保護被膜を作り、
落とした汚れの再付着防止効果も期待出来るので新しいオイルの汚染を防ぎます。10分~15分程アイドリングを行いエンジン全体にフラッシング剤を浸透させて十分に汚れを落した後に排出。
出来るだけエンジン内部に古いオイルを残さない様にする為、出来るだけ時間を掛けて行います
フラッシング後のオイルは真っ黒な状態で排出されるのですが、
オイル管理がしっかりとされている車輛の為、汚れは少な目でした。
新旧のオイルエレメント。
汚れが少ないと言っても、新油と比較すると随分と汚れているのが分かります。
装着に使用するエレメントケースのOリングやドレンボルトのワッシャは再使用不可なので新品へ交換。新しいオイルエレメントを装着する事に気を取られ、エレメントケースの汚れを見落としがちなので注意が必要です。
必ずエレメントケース内部の汚れを確認し、ケース内を洗浄し装着します。
古いオイルを排出後、新しいオイルを規定量注入してエンジンオイル交換が完了。今回チョイスしたオイルはYACCO社GALAXIE GT 10w-60。
M3の様なハイパフォーマンスモデルと相性が良く、低回転域から高回転域まで
マルチに性能を発揮してくれる高温時にもダレの少ない人気のオイルです。
ミッションオイル交換。
スラッジと共にスムーズに排出させる為、
油温を上げ、若干粘度を下げてから排出を行います。
こちらのオイルはエンジンオイル程、交換サイクルは短くありませんが、
ミッション内部で発生したスラッジ等の汚れが堆積していて
想像以上にスラッジを含んだ状態で排出される事が多く、注意が必要で今回もかなり汚れた状態で排出されました。
前回交換から9,000Km程の走行でしょうか。古いオイルを排出後に新しいオイルを規定量注入してミッションオイルの交換が完了。
FUCHS 5Speed 75W-90ギアオイル。
デファレンシャルオイルの交換。
こちらもミッションオイルと同様に油温を上げてからスラッジと共に排出させます。
排出を終えたら規定量のデフオイルを注入してデファレンシャルオイルの交換が完了。
特にMモデルはパフォーマンスを維持する為にエンジン・ミッション・デファレンシャルの各オイルは
出来るだけ早目の交換を心掛けた方が良いでしょう。
パワステオイル交換。
専用の機械を使用してフラッシングを行いギアボックスやパワステポンプで発生したスラッジを車外へ圧送します。
排出後に新しいオイルを規定量注入してパワステオイルの交換が完了。ブレーキフルードの交換。
ブレーキフルードの劣化はリザーバータンクのキャップを外して画像の様に目視で確認が可能です。
新しいブレーキフルードはは無色透明なのですが、劣化が進むと紅茶色から徐々に黒く変色します。
ブレーキフルードは吸湿性が高く、使用していなくても徐々に劣化していき水分を含んでいく為、
ブレーキの熱で水分が蒸発して気泡を作り出しブレーキを踏んでもスカスカと圧力が伝わらず
ブレーキが掛からなくなるベーパーロック現象を発生させるので定期的な交換が必要です。専用の機械を使用してブレーキラインに堆積した水垢や錆等を古いフルードと共に車外へ圧送して排出します。
排出が済んだら新しいブレーキフルードを注入してエア抜きを行いブレーキフルードの交換が完了。同時にクラッチフルードも交換。新しいブレーキフルードはこの様に無色透明です。
ブレーキフルードは一般に車検毎の交換で問題無いとされているのですが、
ブレーキの使用頻度により劣化具合は様々で、
M3の様なハイパフォーマンスモデルはブレーキに掛かる負担が多くなる為、
スタンダードモデルに比べるとやはり劣化は早い傾向にあります。
インジェクションパージの施工。
専用の機械でフューエルラインからインジェクターまで洗浄してライン内部のスラッジを除去。
除去されたスラッジは燃焼室で燃焼されマフラーから車外に排出されます。
施工前と施工後のエンジンの吹き上がりの違いに驚かれる方が多く、人気のメニューになります。VICの施工。
燃焼室のカーボンスラッジを除去する効果がありインジェクションパージとセットで施工する事で更に効果を高め
施工後はエンジンの吹け上がりの良さやアクセルワークが見違える程に軽くなる為
リピートで施工される方が多く、何も不具合が無いのに、最近ちょっともたつきを感じるな・・・
と感じるオーナーにはおすすめのメニューです。VIC施工後のスパークプラグはカーボンスラッジの付着が著しい為、交換となります。
新旧のスパークプラグ。外したプラグはVICで落とされたカーボンスラッジの固着が多く、再使用はおすすめしておりません。
ウォッシャーポンプ本体からの漏れを発見。本体を新品へ交換。新しいポンプをタンクへ装着して動作を確認し交換が完了。
フェンダー内にタンクを収めるモデルは、エンジンからの熱の影響か
ウォッシャポンプ本体からの漏れがあるケースが多いですね。全ての作業が完了後にテストランを行い、整備箇所やその他に不具合が無いかの確認を行い、
特に問題が無ければ最寄りの陸運支局へ車輌を持ち込み車検を取得。
後日オーナーに車検証・24ヶ月定期点検記録簿・車検ステッカー、定期点検ステッカーをお渡しして全て終了です。
2017年02月24日