【ストック車輌紹介】87y E30 M3 ダイヤモンドブラック 5MT ディーラー車 走行177,000Km【ゲトラグクロスミッション】
先日ストック車輛として入庫したM3を本日はご紹介。
1987年式 E30 M3 ディーラー車
走行177,000Km
外装・・・ダイヤモンドブラック
内装・・・グレイファブリック
ゲトラグクロスミッション搭載
大きな改造箇所はなく、基本的にオリジナルを重視し、基本メンテナンスを中心に行い
M3本来の持ち味を十分に堪能できるようにとコンディションキープされてきたのが良く分かります。
距離は177,000Kmとやや多いですが、前オーナーのメンテナンスのおかげで
走行距離を感じさせないコンディションの良さは、このまま乗り出しても良いですし
レストアベースとして考えても最高の一台かと思います。ヘッドライトは本国仕様の通称ヒゲ付に変更されております。
光軸に関しては調整しておりますので日本で走行するのに支障は無く問題ありません。
先日、長崎に納車したM3がストック車輛としては最後のM3でしたので
久々のE30 M3の入庫ですね。
今年の前半はショウルームに5.6台展示してあったE30 M3も全て売約となり
少々寂しく感じていたショウルームですが964やこのM3の入庫で賑やかになってきました。
輸入台数はダイヤモンドブラックがおそらく一番多くメジャーなボディカラーで、
シルバーやホワイトも良いカラーですが、こうやってじっくりと眺めると
やはり一番スパルタンな印象を受けるのではないでしょうか。レースに勝つ為に設計され、グループAのホモロゲーション取得の為にBMWが販売をしたという
レース車輛としての面影を要所に色濃く残しており、
同じ3シリーズであってもスタンダードモデルとはボンネットとサンルーフパネルのみが共通で
その他のパネルは専用設計であったことも有名ですね。
スタンダードモデルと比べるとワイドトレッド化されているのが良く分かります。
M3のアルミは15インチ*7.0でスタンダードモデルは14インチ*6.0。
片側約25.4mmのワイドトレッド化になりますね。
アルミホイールは当社でリペアした純正15インチアルミホイールを装着。
タイヤはTOYO Proxes T1R 205-55-R15の新品を履かせています。センターキャップエンブレムもリペアにあわせて新品に交換済み。リアもフロントと同サイズになりますね。このタイプのホイールを洗った事のある方ならご存知かと思いますが
メッシュのこまかい部分にブレーキダストが固着している事がほとんどで
固着したダストを削り落とすのは道具が入る隙間も無いので一苦労です。
ですがそのダストを綺麗に落とさないとリペアしても塗膜が剥がれたり
仕上がりがボテッとした印象になってしまいますので
そういった点にも気を付けていきたいところです。
こういった部分も経年で白っ茶けている事が多く、
そこに目が行ってしまい車のイメージがぼやけてしまいがちですが
このように黒々としていると車全体が引き締まりカチッとした印象を受けますね。
エンジンはオリジナルの状態ですが調子は良く、走行距離を感じさせないコンディションです。
前オーナーのメンテナンス記録を確認しましたが、非常に大事にされていたのが良くわかる整備内容でした。
アイドリングでもコンディションの良さがすぐに分かるM3です。エキスパンションタンクも定期的に交換されています。水温管理がシビアな車なので、このように電動ファンを取り付けるのも
真夏のオーバーヒート対策としては有効な手段のひとつです。
エンジン呼称・・・S14
エンジン形式・・・水冷直列4気筒DOHC
総排気量・・・2,302cc
圧縮比・・・10.5
燃料供給方式・・・DME(デジタルモーターエレクトロニクス)
最大出力・・・195馬力/6,750rpm
最大トルク・・・23.4Kg/4,750rpm
ゲトラグ社製5速クロスミッション搭載
車両重量1,300Kgトランクは十分なスペースが用意されており、洗車道具やちょっとした工具を積んでおくには
十分な容量でしょう。ハイデッキ型のトランクリッドはFRP製になり、塗装の浮きや変色が起きている事もありますが
綺麗な状態をキープしております。
外装は全体的にオリジナルとしては良好なコンディションをキープしている状態なので
現段階ではこのままでも十分にご満足いただけるレベルかと思いますが
これから10年以上先までの所有を考えている方であれば
パーツ供給がある今のうちにボディレストアを行うというのも
選択肢のひとつとして考えても良いかも知れません。グレイファブリックシートが据え付けられた内装もオリジナルになります。
フロアマットは純正ではありませんが、サイズがきちんと合っているものなので違和感無く
収まっていますね。シート座面に若干のシワがありますが、サイドサポートの開きもない上、
クッション性も失われておらずに実際に座ってみると長時間座っていても
疲れが出にくい事がすぐに分かります。ダッシュボードのクラックは無い状態。
これだけでも価値のある事ですね。
近年見てきたM3はどうしても経年や紫外線によってダッシュボードの割れや歪みが
出ている車輛が多く、その都度リペアし綺麗にしてきましたが、
やはりヒビや歪みのないダッシュボードは良いものです。
ドアパネルはブラックレザーとファブリックのコンビネーション。
パネルの状態から室内保管されていた期間も長かった事が伺えます。
リアシートに人を乗せる事は少ない車なので、あまり気にしない方も多いですね。
ちょっとした荷物を載せるには十分なスペースです。シフトノブは若干スレが目立ちますので、リペアしようかと思案中。
運転席側から。
助手席と同様に座面に若干のシワがありますが、許容の範囲でしょう。
ステアリングは36Φの3スポークを装着。
M3は36Φが運転しやすくて個人的には好きです。運転席側のドアパネルの状態も良いですね。レザーとファブリックの切り替え部分のステッチもしっかりしており
浮きや剥がれも無い状態です。
ディーラー車としては87年式のみに搭載される5速ゲトラグクロスミッション。
左手前が1速になるレーシングパターンミッションは
カチッ・カチッとしたシフトアップダウンが楽しめます。テストラン時に確認しましたが、エアコンも十分に効きます。
左からフューエル、スピード、タコ(油温)、水温とシンプルに並べられたゲージ類。
各計器の針も正常な数値を指しています。
1987y E30 M3 ディーラー車。久々のストック車輛としての入庫になります。
このまま乗っても良し、レストアベースとしても最適な一台です。
ショウルームに展示中になりますので、ご興味ある方はお気軽にお問い合わせ下さい。
2014年08月27日