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MAINTENANCE REPORT

【Z3M Coupe】足廻りフルブッシュ交換【26,500Km】

204552b8e5cbae7a 走行26,500KmのZ3Mクーペの入庫です。
走行も少なく内外装・機関のコンディションも良く
一見、文句の付けどころに悩んでしまう一台ではありますが
実際に乗ってみると、
ガツンとアクセルを踏み込んだ際にリアからのグニャリとした挙動の不安定さと
ステアリングが左に左にと持っていかれるのが随分と気になりました。
手放されてしまったそうですが、オーナーはこの車とは別に
新車販売時にMクーペを購入されていたらしく
その時の車輛との微妙な違和感に疑問符が付き、当社に入庫となりました。
やはり、走行距離が少なくても2000年式、15年という月日が経過している事を考えると
新車と同じフィーリングを求めるのは少々厳しいでしょうね。
オーナーとの打ち合わせの結果、フルブッシュ交換etc,,,の作業を施工する事になりました。
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まずはデフオイルを排出。
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マフラー・プロペラシャフトを取り外し。
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リアアクスルキャリアをボディから切り離し。
Z3のリア足廻りはE30 M3と共通のセミトレ構造なので
E36・E46モデルに比べるとシンプルな構造ですね。
但し、シンプルが故に後退角と上反角の適正化とブッシュの剛性・形状が非常に重要になってきます。
横力によるリアアクスルブッシュの偏心によって、トーアウトになり
オーバーステア傾向になるのも特徴のひとつでしょうか。
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洗浄し、キャリアやアームにクラック等の不具合が無いかを確認し
ブッシュの交換作業に入ります。
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リアセクション交換ブッシュ一式。
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まずはデフマウントブッシュを交換。
デフカバーに圧入されていますので、デフ本体とカバーを切り離します。
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デフマウント新旧。
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油圧プレスを使用し、ブッシュを抜き新しいブッシュをはめ込んでいきます。
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リアアクスルキャリアブッシュを交換。
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アクスルキャリアブッシュ新旧。
取り外す時に古いブッシュは芯が抜けてしまいました。
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セミトレアームのブッシュを交換。
250552b92018d7bb エキセントリックブッシュ新旧。
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アームに変形が無いかを計測するのを忘れずに。
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デフカバー取り付け部分の古いガスケットを綺麗に落としていきます。
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液体ガスケットも使用して、カバーと本体をドッキング。
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リアアクスルキャリアを戻す準備が整ったので、キャリアとボディをドッキング。
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プロペラシャフトのセンターベアリングとユニバーサルジョイントを交換。
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センターベアリング部分のガタは目立ちませんでしたが
二度手間になるのも嫌なので、同時に交換。
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ユニバーサルジョイントは写真の通りヒビ割れが酷い状態でしたね。
新しいジョイントと比べてみても、経年による硬化が進んでいるのが良く分かりました。
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リアスタビブッシュ・スウィングサポートの交換。
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スウィングサポートのスタビ取り付け部分は、この通りの状態。
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スタビブッシュ・スウィングサポート新旧。
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ショックアブソーバーの減衰力は新品と比べて、6割程度だった事もあり
新品に交換します。
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リアアッパーマウント・ダストカラー新旧。
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アッパーマウントは中心のカラー周辺をなぞるように分解が始まっているのが分かります。
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アッパーマウント・バンプラバー・ダストカラーをセット。
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ショックを取り付けるボルトの錆が気になったので新品に交換。
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スプリングパッド新旧。
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もちろんスプリングも綺麗にしてセットしていきます。
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リアセクションの仮組みが終わりました。
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先にデフオイルを入れておきます。FUCHS HLS90 75W-90
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ミッションマウントの交換。
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ミッションマウント新旧。
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ミッションマウントは縦に潰れるというより、捻じれるように劣化していきます。
どの程度で交換が必要かはシフトチェンジ時に発生する振動等で判断出来ますし
ミッション廻りの作業が発生した場合に、ついでに交換してしまうのも良いでしょう。
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エンジンマウントの交換。
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フロントショックも一式交換します。
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フロントセクション交換パーツ一式。
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フロントショック新旧。
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フロントアッパーマウント新旧。
古いマウントは随分と潰れているのが確認出来ます。
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新しいパーツをセット。
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フロントロアアームコントロールブッシュを交換。
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ロアアームからブラケットごとブッシュを取り外していきます。
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ロアコンブッシュはロアアームが圧入される内筒付近にクラックが入るケースが多いですね。
フロント部分で一番と言って良いほど、負荷のかかる箇所でもありますので
定期的にチェックしておきたいところです。
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スタビブッシュ新旧。
スタビライザーの動きによって、よじれて劣化していくブッシュになります。
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フロントスウィングサポートはショックアブソーバーとスタビライザーをつなぐ
ボールジョイントになっていますので、ブーツの破れなどがあった場合は
すぐに交換が必要です。
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組み上がり後に軽くテストランを行いブッシュを馴染ませた後、
各部を本締めしてから4輪アライメントの測定と調整を行います。
アライメントデータ基準値に合わせる事が基本ではありますが
タイヤメーカー・摩耗度も良く確認し、その車の一番ベストな数値に合わせていく必要がありますので
テストランとリセッティングを繰り返し行っていきます。
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施工前のグニャリとしたフィーリングは無くなり、アクセルを踏んだ際も
リアの足廻りが即座に追随してくるのが良く分かる仕上がりになりました。
距離が出ていなくても経年によって、ここまで変わるという良い見本でしたね。 

2015年04月15日