第40回 E24 M6
E24型M6のエアコンが効かない不具合で修理入庫致しました。
初代6シリーズに、ホモロゲーション取得用モデルとして、
M1直系のDOHCエンジンを搭載。
圧縮比の変更や燃料供給の改良が行われ、
最高出力260馬力。最高速度は255km/hほど。
今回入庫のM6はディーラー車で走行6万km
乗り味は非常にどっしりしていながらもアクセルレスポンスはM独特のもの。
世界一美しいクーペに強力なパワーユニットが搭載されたなかなか味わい深いモデル。
お客様と打ち合わせさせていただき、エアコンの修理、オイル漏れの修理、ブッシュの交換等を実施致しました。
このモデルはリアエアコンも付いています。エアコン不良の場合はリアエアコン部の
エバポレーターからガス漏れをしているケースが比較的多く見られます。
エキスパンションバルブも詰まり気味でしたので同時に交換となりました。
この年式のモデル全てに言えますが大体エアコンコンプレッサーからのガス漏れも見られます。
コンプレッサー内のメカニカルシートが飛んでしまい,
エアコンオイルと共にガス漏れしている形跡がありましたので交換となりました。
エアコンコンプレッサーを見て油汚れでしっとりとしているようならばコンプレッサーからのガス漏れと見て間違いないでしょう。
また,この時代の冷媒ガスはR12が使用されておりますが
現在このタイプのエアコンガスは使用禁止になっておりますので。R134aガスを使用できるようにレトロフィットも同時に行います。ドライコンテナ等も新品に変え,費用的にはそれなりにかかってきますが
毎年夏が訪れるたびに出費を重ねるよりこの手のトラブルは1回で直してしまったほうが
結果的には費用は抑えられるケースがほとんどです。
上の写真はパワステオイルポンプ本体からのオイル漏れ。
ホースからのオイル漏れではないのでアッセンブリー交換致しました。
交換後、パワステオイルを注入し、ギアボックス内のエア抜きもしっかりとし作業終了です。
エンジンリア部のシールからのオイル漏れ。
この作業はミッション本体を下ろさなくてはいけない為、同時に施工できる所は二度手間にならないようにしておくべき部分です。
クラッチパーツは消耗がそこまで多くなかったので今回はそのまま使用します。
ミッション自体も目立つ消耗は見られず、クラッチダストも変な付き方はしていないようでした。
せっかくなので綺麗に洗浄し元通り組み上げる。何かあった場合にやはり綺麗な方が見つけやすいし
何より、一手間を惜しんでいてはプロの仕事とは言えないのではないでしょうか?
最後に足廻りブッシュの交換。経年で相当痛んでしまっている箇所が目立ちました。
ブッシュ交換は傷んでいる所のみの交換では追いかけっこになってしまうケースが多いですから
施工する場合はオーナー様自身にも交換後の乗り味、消耗時の乗り味をはっきり分かってもらう為
フルブッシュの交換を当社ではお勧め致しております。
4輪アライメント測定、調整を実施し、作業は終了ですが規定値内に合わせても若干ステアリングが
取られる為、実車に合わせ調整致しました。決して事故車とか、どこかのアームが曲がっているとか
では無いのですがタイヤの磨耗具合の度合いにより場合によっては 真っ直ぐ走らないなんて事もあります。
場合によってはタイヤの交換も同時にお勧めするケースもあります。
規定値に合わせたからアライメント作業が終了という訳にもいきませんのでテストランを繰り返し行い
調整をしていき、走る、止まる、曲がるこの3点全てが正常な状態になって初めて作業は終了になります。
2007年07月28日