【ALPINA B3 3.0/1】法定24ヶ月点検&納車整備【79,000Km】
滋賀県の新オーナーに嫁ぎ先の決まったB3 3.0/1の納車整備。
整備前に24ヶ月法定点検を開始します。タイヤを4輪全て外し、各部の分解点検を始めます。マイクロメーターで 前後ローターの摩耗度をチェックしていきます。
数値的にはまだ使用できる状態でしたが・・・ダイヤルゲージで歪み測定も行います。
進行方向へ向かってゆっくりとローターを回転させながらゲージの最小~最大の振れ値を見ていきます。
振れ値はローター外周から約10mmの地点で測定し、許容振れ値はB3であれば
0.05mm以下程度でしょうか。
測定結果は振れ値0.07mmだったのでローターは交換。リアも同様に。振れ値は0.06mm。
0.01mmとわずかな振れ値ではありますが
リアローターも新品に交換しましょう。
ローターは摩耗限界と歪みの両方を必ずチェックし、
規定値よりわずかであっても数値が下回っている場合は
必ず何かしらの対策をするようにしています。
数値というものは経験等に左右されず正直なものです。ローター交換前にブレーキフルードの交換。OMV Racing DOT4を使用し交換を進めていきます。圧送でライン内の古いフルードを車外に排出していきます。
車が古くなればなるほど排出されたフルードはそのまま廃棄せずに
フルード内に異物や錆が混入していないかを良く見る必要性があります。
一般道を走行するのに使用されるブレーキフルードは
主にグリコール系のフルードが使用されますが、吸湿性が高く
古い車では吸湿の影響により、ブレーキライン内に錆が出ている事も多く
そういったシグナルを見逃さない事が大切になってきます。ブレーキフルードは走行しなくても経年で徐々に劣化していきます。
年間を通してそこまで走らないから・・・
という方もブレーキフルードの寿命はおおよそ二年と考えて下さい。リアブレーキローターの交換。リアブレーキパッドは残り5mmを切っていたので交換。フロントブレーキローターの交換。
フロントパッドは、ほぼ新品と変わらかったので面研し、ローターとのアタリを付けました。整備開始前のテストランでヒーターが効かない事が発覚。
調べていった結果、ヒーターバルブ内部のプランジャーとピストンの動きが悪く
ヒーターバルブASSYでの交換となりました。ヒーターバルブ新旧。テールライトを良く見てみると雨水が溜まってしまっているのが分かります。ライト自体にクラックは無く、ガスケットの消耗による雨水浸入だった為、
テールライトガスケットを新品に交換。シャワーテストで問題が無い事を確認し作業は終了。四輪ホイールバランス調整。ホイールとタイヤに勘合不良が出ていないかをチェック。
四輪全てを調整し、ホイールバランス調整作業は完了。パワステオイルの交換。
かなりスラッジが出ているのが分かるオイル色です。圧送機材を使用して古いフルードと共にポンプやギアボックス内のスラッジを同時に
排出します。古いオイルを排出後にフラッシングをし、新しいオイルを入れていきます。
圧送で交換を進めていくので、エアの混入はありませんが
テストラン後に量の確認を行い規定量がタンク内に保たれている事を確認し作業は完了です。デフオイルの交換。
テストラン後の油温が上がった状態で排出していきます。FUCHS HLS90 75W-90をチョイス。ATF交換。交換は全量交換で行います。
ATエレメント・ガスケットを新品に交換。オイルはFUCHS ATF4000を使用。
テスターで油温を確認しながら油面調整を行っていきます。4輪アライメントの測定と調整。前オーナーがこまめにアライメント調整を行っていた為
数値的にはそこまで悪くないかなという状態。とは言え、数値だけ合わせて終わりではなく、テストランと調整を繰り返し行い
ベストなセッティングに合わせていきます。エアクリーナーの交換。エアクリーナーボックス内に砂埃等が溜まっていないかを良く確認し
溜まっている場合は、綺麗に洗浄し新しいエレメントをセットします。エアコンマイクロフィルターの交換。年に一度は交換したいパーツのひとつ。
ブロアモーターの寿命やエアコンの効きにも影響のあるパーツです。冷却水の交換。
ラジエター内と冷却経路内のスラッジを除去したのち防錆処理。
使用したLLCはFUCHS FRICOFIN G12PLUS。
本来であれば明日納車の予定でしたが、台風19号の影響で一週間延期となりました。
Y様。車は仕上がっておりますのでご来店お待ちしております。
2014年10月10日