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MAINTENANCE REPORT

第75回 E30 325 Touring Restoring Last File

OLYMPUS DIGITAL CAMERAみなさん。こんにちは。月刊メンテナンスレポートです。
今回のレポートは最終回となる325ツーリングのレストアのまとめです。
前回はエンジンの組み上がりまでをUPしましたのでその後からスタートです。
製作途中で売約となったのですが、こちらがあまりに細かいディテールに拘ってしまい
納車が遅れてしまいご迷惑をおかけしましたが、仕上がりは非常に良い物になりましたよ。OLYMPUS DIGITAL CAMERAミッションはに関しては全く問題の無い状態でしたが
分解できる所は、分解し洗浄をしました。
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ATコンバーターは内部洗浄をしっかりと実施し、中のスラッジを取り除きます。
ATFも前オーナーが交換したばかりで綺麗でしたが、全て排出。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAオイルパンを外すと、バルブボディが確認出来ます。
バルブボディって何?という方に簡単な説明。
ミッションの変速を制御する非常に大事な箇所。
例えば、1速~2速の変速時間が昔より長くなったとか、ショックが大きくなったとかいった
場合はバルブボディ油路内にスラッジがたまり、中のチェックボール等の動きが悪くなっている可能性もあります。
冬場、エンジン始動直後の冷間時1速~2速のシフトアップ時にドカンと変速し、暖まると改善するような場合も
熱によるバルブボディ本体の収縮により可動パーツが動いたり動かなかったりする事により起こる原因でもあります。
余りにも酷い場合はバルブボディを組み直し、各パーツの動きをスムーズに行えるよう処置が必要です。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
慎重にバルブボディ本体を外し、分解に入ります。各通路とソレノイド内のスラッジのチェックと清掃を実施。
この車輌のバルブボディは非常に綺麗な状態でしたから、汚れの目立つ箇所は余りありませんでした。
50,000Kmを超えてミッションオイルの交換がされていない車輌はスラッジの堆積はもっと多いです。
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チェックボールや小さなスプリング等無くさないよう、元に戻す時に間違えないよう覚えておき、外していきます。
この細い通路をチェックボールが正常に移動することによって変速はスムーズに行われます。
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綺麗に見えても少しはスラッジは溜まっていますから、全て除去します。OLYMPUS DIGITAL CAMERA各パーツは上のように綺麗に洗浄。
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こんな小さな、フィルターが必要なほどデリケートな場所なんです。
各部の洗浄が終わり、組み付けしATバルブボディの洗浄は終了。
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プロペラシャフトベアリングも交換。
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ユニバーサルジョイント、ミッションマウントももちろん交換。OLYMPUS DIGITAL CAMERA冷却水のリザーバータンクは漏れ等の不具合はありませんでしたが交換。
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フューエルホースは未交換だった為、全て交換。
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タンクも下ろし、洗浄しタンク自体に異常が無い事も確認した上で取り付け。
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エア抜きホースももちろん交換。
ここまで施工すれば安全に乗って行く上で心配は無いでしょう。
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足廻りパーツ各部の洗浄。長年の泥や油汚れを落とし、
アーム類に致命的な劣化や亀裂が無い事を確認し、新たにブッシュを打ち込み塗装し直し組み上げていきます。OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
リアアクスルメンバーブッシュももちろん交換。
セミトレーリングを使用している足廻りの車輌はタイヤの内側が偏磨耗する場合は
このブッシュを交換しないと直りませんので注意です。
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セミトレーリングアームブッシュも当然交換。
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今回の使用ショックアブソーバーはSACHSを使用。
乗り心地も固すぎず柔らかすぎず非常に良い感じ。
さすがに私はこのモデルの新車を乗った事は無いのですが、交換前に比べると
コーナーリング時にステアリングを切るとイメージ通りに車体が路面をトレースしてくれ
新車のようだ。。。と思わず感じずにはいられませんでした。
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フロントよりリア廻りの消耗が目立ち、交換後の乗り味の良さを振り返ると
リア廻りのパーツの重要さを改めて考えさせられました。
ロアコンブッシュは変えて間もないですが、交換前のクセは付いていますから交換。
セミトレーリングの足廻りのブッシュ交換に関しては
詳しくメンテナンスレポート第54回等にUPしてますので参考にして下さい。
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デフマウントの交換とデフカバーのお色直し。
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ブレーキキャリパーはオーバーホール。OLYMPUS DIGITAL CAMERAブレーキホースも交換。
人命に関わる箇所は一気に交換。
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ピストンも傷付けないよう抜いてキャリパー本体もお色直し。
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オイルシールも交換し、各キャリパーを元通り組み、エア抜きとブレーキオイル交換。325T3.52外装は何箇所か板金塗装し、エシュロンガラスコーティングを施工し完成。
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完成写真ギャラリーになりますのでご覧下さい。
325T3.54325T3.56325T3.57フロントからの下廻り写真。
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下廻りはアンダーコーティング処理。
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325T3.71325T3.74こうして、完成したE30ツーリング。
オイル漏れや経年劣化で外観からもその疲れが見えていた機関もリフレッシュされ
スタンダードモデルとはいえキビキビと廻るエンジンは絶妙。
足廻りは交換前はグニャグニャと接地感が無く、
真っ直ぐ走っているつもりでも細かくステリングの修正が必要でしたが
交換後はカッチリ感としなやかさがうまく調和し、コーナーリング時の安定性も申し分無し。
外装、内装にも力を入れましたので、作り手としても非常に満足のいく一台に仕上がりました。
もちろん乗っていく上でフリーメンテナンスでは乗れる車ではないですから
手を入れていかなくてはいけない箇所、定期的に施工が必要な作業はもちろんあります。
ですがそれはどのモデルにも共通して言えることでしょう。
ですが、これから10年100,000Kmを安全に。大きなトラブルがないように。という
当初のコンセプト通りには完成したのではないでしょうか。
先日、長らくお待たせしましたが無事納車となりました。
本当に納車まで長らくお待たせし、こちらの都合で何度も足を運んで頂き打ち合わせにお付き合いしていただいた
新オーナーのW氏。有難う御座いました。そして末永く大事にしてあげて下さい。

2007年09月01日