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MAINTENANCE REPORT

【E90 325i】12ヶ月法定点検&各部オイル交換【65,000Km】

E90 325iが12ヶ月法定点検&各部オイル交換の為初入庫です。走行距離は65,000Km。
基本的な点検を行いながら各部のパーツの劣化やその他に不具合が発生していないか状態を確認していきます。エンジンオイル交換。
エンジンオイルを排出する前にフラッシング剤を注入してエンジン内部に堆積した
スラッジやカーボンの汚れを落とします。
定期的にフラッシングを行う事は新しいオイルの再汚染防止、
堆積した汚れによるエンジン出力や燃費の低下を防ぎます。
エンジンオイルを定期的に交換していれば特に問題は無いのですが、定期的な交換を怠っているとエンジン内部に
多くの汚れが堆積してしまい最悪な場合、オーバーホールをする等の大掛かりな修理に繋がるので注意が必要です。10分から15分程アイドリングを行いフラッシング剤を浸透させて汚れを落とします。
古いオイルは内部の汚れと共に真っ黒な状態で排出されます。
古いオイルを出来るだけエンジン内部に残さない様にする為、時間を掛けてしずくが垂れなくなるまで行います。
同時にエンジン内部の状況を探る為、排出したオイルに異常な汚れが出ていないか確認しておきます。新旧のオイルエレメント。
古いエレメントはフラッシング剤で落とされた汚れで真っ黒な状態。
装着に使用するパッキン等も同時に交換します。
オイルエレメントはオイルを濾過して汚れを吸着してクリーンなオイルを再びエンジンへ循環させているのですが、
汚れが多くなり目詰まりを起こすとオイルの流れを保つ為に
濾過を行わずにそのまま汚れたオイルを循環させる仕組みになっています。
一般的にオイルエレメントの交換はオイル交換2回に1回と言われていますが、オイルエレメントには
古いオイルが多少残っている為、新しいオイルを入れても混ざり合ってしまいオイルの再汚染に繋がります。
比較的安価なパーツなので、新しいオイルを入れる際は新しいオイルエレメントに交換する事をお勧めします。
新しいオイルエレメントを装着。規定量のエンジンオイルを注入してエンジンオイル交換が完了。
使用するエンジンオイルによってエンジンに与える効果や影響は変わってくるので安価なオイル等は使用せずに
その車輌に適した高性能オイルを使用する様にして下さい。
パワステオイル交換。
確認すると画像の様に黒く変色していてかなり汚れていました。
ここまで酷い汚れになるとパワステポンプやギアボックス等にも負担を掛け、
パワステラインの詰まりや劣化を早めるばかりかパワステオイル漏れや異音の原因にも繋がります。専用の機械を使用してフラッシングを行いパワステポンプやギアボックス、
パワステラインに堆積したスラッジ等の汚れを圧送し古いオイルと共に車外へ排出します。
パワステラインに古いオイルが残ったままだと新しいオイルの再汚染に繋がるので完全に排出させる事が大切です。交換後のパワステオイル。
交換後はテストランを行ってエア抜きや油面調整を行い適量である事を確認して交換作業が完了になります。
新しいオイルは透き通った赤色ですが、多少でも古いオイルやスラッジが残っているだけですぐに
透明度は下がってしまい劣化を早めるので適切な施工方法で交換をおすすめしています。デフオイルの交換。
スムーズにコーナーを曲がる為にデファレンシャルギアを潤滑させているのがデフオイルなのですが、
ギアから発生するスラッジ等で徐々に汚れ、極圧は下がっていきます。
交換をせずに走る事は異音の原因やギアの当たり面の異常摩耗などを早めますので、
10,000km~20,000Kmに一度は交換した方が良いでしょう。
オイルの排出はE90モデルからドレンが無くなってしまったので、デフカバーを取り外し排出させます。
メーカーの指定では無交換との事でドレンを無くしたようですが、
デフの内部構造は基本的に昔からさほど変わっていないはずなので
何故、無交換になったのか不思議です・・・
それとも吸い出して排出させるのでしょうか・・・スラッジ排出出来ない気がしますが・・・
デフカバーを外した状態。
同時に各ギアの当たり面など確認しておきます。デフカバーは綺麗に洗浄し、液体ガスケットを使用して装着します。
ドレンが無いのにフィラーがある不思議。
カバーを装着後、フィラーからデフオイルを適量になるまで注入してデフオイル交換が完了。ヘッドカバー廻りを外し、スパークプラグの交換。スパークプラグの状態をチェックすると交換時期だと判断したのでプラグを交換。
プラグの劣化は異常燃焼や燃費の悪化、エンジン出力の低下に繋がり、
不安定なエンジンは様々なパーツに影響を与えて不具合を招くだけでなく、
異常燃焼により排気センサーや触媒にも悪影響を及ぼすので、定期的に確認を行い交換する様にして下さい。
プラグを交換する際は一部を交換するのでは無く、全てのプラグを交換して交換時期を同じにする事が大切です。冷却水の交換。
冷却水の量はタンクに付いているフロートスティックが知らせてくれるのですが、
スティックが下がっている状態は冷却水が減ってしまっているので要注意です。
基本的に冷却水は自然に減るという事はありませんのでスティックが下がっている状態であれば
どこからか冷却水が漏れているという事になりますので、漏れ箇所を早急に特定した方が良いでしょう。
交換には専用の機械を使用してフラッシングを行い
冷却経路内の錆や水垢を浮かせて古い冷却水と共に圧送して車外へ排出します。
フラッシングを終えたら新しい冷却水を注入しエア抜きを行って冷却水の交換が完了。冷却水交換後の状態。
タンクの蓋を開けてこの様な状態まで冷却水が入っていれば十分です。問題ありません。今回は定期的な作業の他にリアブレーキのパッド・ローターを交換。新旧のリアブレーキディスクローター。
BMWの場合、40,000~50,000Km程度でパッド・ローターの交換時期と考えて良いでしょう。新旧のリアブレーキパッド。
新しいブレーキパッドは当たり面が整っていない初期に鳴きが出る事があるので面取りを行います。
面取りをする事は同時にブレーキの利きを向上させ偏摩耗を予防する効果もあります。新旧のブレーキパッドセンサー。
パッドの摩耗を知らせるセンサーなのですが、
パッドが使用限界ギリギリの状態にならないと警告灯は点かないので、
摩耗の確認はセンサーだけに頼らず、実際にパッドの減りを確認する事が大切です。サイドブレーキ機構などにも問題がないか確認しておきます。
サイドブレーキが甘ければ当然調整します。左右共に新しいブレーキディスクローター・ブレーキパッドを装着。新しいディスクローターはブレーキパッドを均一に当て、平滑な当たり面を作る為、交換当初は
急ブレーキは出来るだけ避けてゆっくりとブレーキを使用する事が大切です。
慣らし作業は通常の安全運転を行っていれば完了するので、
急な動作だけしない様に注意していれば問題無いでしょう。
全ての作業を終えたら最終チェックとしてテストランを行い、
特に問題が無ければ整備記録簿等をお渡しすると共に今後のメンテナンスメニューなどを
オーナーへお知らせして納車となります。

2017年08月11日